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バーンスタインへ感謝を捧げる2018年~佐渡裕さん

コシノジュンコ MASACA

2018年1月7日(日)放送

ゲスト:佐渡 裕さん(part 2)
日本の指揮者。京都市立芸術大学を卒業後、レナード・バーンスタイン、小澤征爾に師事。1989年にブザンソン指揮者コンクールで優勝。現在、パリ管弦楽団、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団など、ヨーロッパの一流オーケストラで客演を重ねています。2015年9月、オーストリアのトーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任。国内では、兵庫芸術文化センターの芸術監督、シエナウィンドオーケストラの首席指揮者を務めています。
 

出水:2018年はレナード・バーンスタインの生誕100周年! 佐渡さんが小学校5年生のときに最初に買ったレコードも、バーンスタインだったそうですね。

JK:すごい、レベル高いわね! バーンスタインといえば「ウェストサイドストーリー」。映画なんだけど、音楽。軽やかで深みがあって。

佐渡:めちゃくちゃ音がカッコいい。今年は記念イヤーなので、ウェストサイドストーリーもあちこちで振るんですけど、一番感動するのは「トゥナイト」という曲。マリアはトニーを、トニーはマリアを待つ、シャーク団とジェット団は結党の時を、マリアの兄の恋人は彼を待つ・・・全員がひとつの時間に向かっているんです。お芝居だったら、5人同時にしゃべってもわからないけれど、音楽だったら同時に表現できる。今日の夜を待ちわびる思い、愛する思い、憎しみ合っている思い・・・さまざまな感情が一つの曲で、一つの時間に向かっていく。これは本当にすごいなと思います。

JK:初めてバーンスタインに会った時の印象ってどんな感じ?

佐渡:強烈でした。ちょっと遅れて来たんですよね。みずからオープンカーに乗って運転して。サングラスをして、マフラーをなびかせて・・・

JK:俳優さんみたい!

佐渡:本当、昭和の大スターみたい。背は低い人なんですよね。それでグランドピアノの上に飛び乗って、座って、僕ら70人の生徒を前に「Hi Guys!」って。ずっとサングラスはかけたまま。僕は奨学生として選ばれていたので、そこで指揮をするわけです。僕が英語をしゃべれないのはすぐわかるから、僕が指揮すると「シブイ」って言うんです。でも、僕は彼が日本語しゃべるとは思っていないから、何を言ってるのかわからない。すると彼は、自分が日本語をしゃべっているのわかってほしくて、「シブイ~!」「シブイッ!」と連発して(笑)

JK:よっぽど好きだったんですね、その言葉が(笑)

出水:1990年10月に亡くなってしまうわけですが、その年の6月にロンドン交響楽団と来日して、最後まで佐渡さんのことを気にかけていらしたと聞いてます。

佐渡:ドクターストップがかかって、結局途中でキャンセルしなくちゃいけなくなったんですね。成田の空港へ向かう道中、そこで僕は初めて、彼ががんに罹っていることを聞かされたんです。空港ラウンジに着いてしゃべっていたら、バーンスタインがトイレに行きたいと言い出した。それで僕の事務所の社長が車いすでバーンスタインを連れて行ったときに、「これからユタカのことをよろしく」という話をした、ということは後から聞きました。

出水:まだまだ見ていたかった、ということでしょうね。

佐渡:僕がバーンスタインから学んだこと・・・小澤先生もそうですが、自分とは全然違う才能だし、音楽的に学んだこともいっぱいあるけれど、この二人から背中を押されたというのが僕にとって一番大きなことですね。

バーンスタインへのトリビュート==================================
大和証券グループ Presents
佐渡裕指揮・トーンキュンストラー管弦楽団 日本ツアー2018
2018年5月12日~5月27日

京都を皮切りに、札幌までの全13公演。
東京は、5月17日@サントリーホール&5月20日@NHKホール。
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出水:バーンスタイン生誕100周年記念コンサート、どんなプログラムになりそうですか?

佐渡:バーンスタインの記念イヤーなので、やっぱり「ウェストサイドストーリー」から「シンフォニック・ダンス」とか、マーロン・ブランド主演の映画「波止場にて」の音楽など、そういうバーンスタインの曲を考えています。それに、僕がベルリンフィルで振った曲で、バーンスタインも得意だった、ショスターコビッチの交響曲第5番。2部構成なんですが、もうひとつはブラームスのピアノ協奏曲をメインに、ヴァレリー・アファナシエフという個性の強いピアニストとやるプログラム。こっちのほうでは、ベートーベンの「田園交響曲」も入れようかなと考えています。

JK:ツアーで人数が大移動するっていうのは大変なことでしょう?

佐渡:そうですね、150人ぐらい。

JK:それで何か月もツアーするわけでしょ?皆さん同じメンバーで。

佐渡:今回のツアーは日本ツアーだけなので、直前にウィーンで演奏会をして、2週間日本をずっと回って、またウィーンに戻って各々活動します。

出水:トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に日本人が就任するのは佐渡さんが初めてだそうで、ウィーンにはご縁がありますね。

佐渡:バーンスタインに連れられて、初めてウィーンに行ったのが1988年。そこから92年ぐらいまでウィーンにいたんですが、ウィーンでは仕事がなかったんです。ウィーンは素晴らしい音楽の街だけど、その時ウィーンは僕を必要としていなかった。それが3年前、初めてトーンキュンストラーに客演指揮者として呼ばれて、練習を3日間やって、本番1回目が終わったときに事務局長が来て、うちのオーケストラのシェフにならないか、と。マサカですよね!

JK:マサカが何回もありますね(笑) 運命で生きてますね!

佐渡:僕の人生、自分で決断したことってほとんどないように思います。何かに導かれて・・・そればっかり。

JK:それが自然なんですね。これから先、まだまだ面白いですよ!どうなることやら(笑)

出水:「佐渡裕ヤングピープルズ・コンサート」を開催されていますよね。青少年に独自のコンサートとワークショップを提供するという・・・

佐渡:12年間やって、ひとつの区切りはついているんですが、安い料金に設定して、子供たちは1000円ぐらい、プログラムはものすごい充実しています。オーケストラは大変なんですけど(笑)テーマを決めて、たとえば僕が小学校の時に聴いたマーラーを演奏したりとか・・・

JK:もともとはバーンスタインのお言葉ですよね?

佐渡:はい。バーンスタインのアシスタントをしていた時に、あなたの輝かしいキャリアの中で一番重要だったプロジェクトは何ですか?と質問したことがあって、「子供たちのために作ったコンサートだ」というのが彼の答えでした。当時、僕はまだ指揮者として仕事がくるかどうか、という時でしたが、最初は冗談だと思った。というのも、僕らの世界では、プロのオーケストラの仕事の中でも子供たちのコンサートが一番下なんです。安いギャラで。それがよかったらファミリーコンサート、その後名曲コンサート、そして定期演奏会、という風に。でも、その後「ヤングピープルズ・コンサート」という、バーンスタインによる、カーネギーホールで指揮をして、全米の子供たちに生中継するという番組を知ったわけです。この内容がすっごいわけですよ! ストラビンスキーについて、ベートーベンについて、ジャズについて、自分でピアノを弾いて解説して・・・しかも生放送で。

出水:休みの日、気の抜ける日は何を?

佐渡:もう、ゴルフ! 音楽から100%といってもいいくらい、ゴルフのことを考えてます。なかなかそうしょっちゅう行けないんですけど。

出水:スコアも良いんでしょうね?

JK:野球選手ぐらい体が大きいもの(笑)

佐渡:プロのゴルフ指導員のところへ練習に行ったんです(笑)

出水:すごいなー!なんとなく、指揮棒が振れなくなったら困るから、運動はしないのかと思っていました。

JK:棒が少し長いわね(笑)

佐渡:いつも棒を振ってる(笑)

出水:今年はどんな1年にしたいですか?

佐渡:実はものすごくバタバタしていて。アメリカにも行く、ヨーロッパにも行く、日本にも。兵庫は僕にとってすごく大事な場所なので、トーンキュンストラーも連れて行くし・・・。バーンスタインが生きていた時には自分が気づかなかった、彼の豊かさとか、教えてもらった重みとか、今になって気づいたこともあるのでね。僕は指揮者のバーンスタインに憧れてこの世界に入ったけれど、作曲家のバーンスタインにもものすごく価値があるんです。「ウェストサイドストーリー」以外にも、すごくいい曲がいっぱいあって、ぜひそういうのをいろんな人に紹介したい。バーンスタインの誕生日は8月ですが、その時はトーンキュンストラーと誕生日の日に野外ガラコンサートをやります。バーンスタインの曲、あるいはバーンスタインと縁のある曲・・・彼が初めて世界初演をした曲とか、やりたいですね。

出水:みなさんそれぞれのバーンスタインの思い出を呼び起こすような演奏会にしてください!

JK:私たちも聞きに行きましょうね。

=OA楽曲=

M1. ミュージカル≪ウエスト・サイド物語≫より
シンフォニック・ダンス Prologue 
/ 佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団

M2. ミュージカル≪ウエスト・サイド物語≫より
シンフォニック・ダンス ≪Somewhere≫
/ 佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団

M3. ミュージカル≪ウエスト・サイド物語≫より
シンフォニック・ダンス Mambo
/ 佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団