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世界125ヵ国を踏破しイースター島に移住もした旅する写真家・野村哲也さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
1月13日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、写真家・野村哲也さんをお迎えしました。

野村哲也さん

野村さんは1974年、岐阜県生まれ。「地球の息吹を感じる場所」をテーマに世界中を旅する写真家です。

スタジオ風景

野村さんの家では「10歳になったら一人旅に出なければいけない」という“家訓”をお父さんとお母さんが作っていて、甘えっ子だった野村さんも兄や姉と同様、一人送り出されたのが最初の旅の体験でした。初めは半べそで家を出た野村さんでしたが、旅先のユースホステルで出会った青年ライダーに日本と海外の旅の話を聞かされ、すっかり魅了されたのです。

「そのお兄ちゃんは、日本も素晴らしい、海外も素晴らしい、どっちも素晴らしいよって教えてくれたんです。もし、日本のほうがいいとか、海外のほうがいいっていう話だったら、今の僕はこんな生活をしていないかもしれません。そのお兄ちゃんの話を聞いて、ああ僕もこんな人になりたいなって思ったんです」(野村さん)

それから野村さんは学校が夏休みや冬休みになると旅に出るようになり、18歳で47都道府県すべてを踏破。そして20歳のときにアラスカの大自然や動物を撮り続けた写真家・星野道夫さんと出会い、写真家になることを決意したそうです。

「20歳のときに星野さんの処女作『アラスカ 光と風』を読んですごく感動したんです。その本は生と死という言葉は使っていないんですけど、行間からそれが生々しく匂ってくるんです。こんな文章を書く人がいるんだ! すごいなって思って、もう会いたくて会いたくて、アラスカのフェアバンクスに一人で行きました」(野村さん)。

久米宏さん

でも星野さんの連絡先も知らないし、電話帳を調べても分からない。そこで、現地に1つしかない大きなスーパーで待っていればいつか買い物に来る星野さんに会えるのではないかと考え、張り込みました。すると7日目に星野さんを発見、「ファ、ファンです!」と叫んで突撃したそうです。それから2人は親しくなり、何度か一緒に撮影にも行きました。一緒の時間を重ねられたのは2年半でしたが、それは野村さんの生き方に大きな影響を与えました。

「あんなに背中が男らしい人はいません。いままで会った人の中でいちばんカッコよかった人は誰だと聞かれたら、星野道夫と答えます」(野村さん)

パスポート

星野さんのような大きな背中に自分もなりたい。同じ世界で生きていきたい。そう思った野村さんは、それから南極、南米、アフリカと旅を続け、その土地で出会った自然や人を撮影しています。50歳までに世界193ヵ国のすべてを訪れるのが目標で、これまでに125ヵ国を訪れています。2017年11月にベルギー(渡航121ヵ国目)、オランダ(同122ヵ国目)、ポーランド(同123ヵ国)を訪れ、12月にはキューバを初めて訪問(124ヵ国目)。そして2018年の年明けにかけて中国・昆明とミャンマーへ。ミャンマーは初訪問で、これで125ヵ国目ということです。そしてこの放送の翌日にはアラスカへと出発するそうです。

スタジオ風景

こうなるとカメラマンというより旅人という感じですが、こうした旅を続ける一方で野村さんは、世界各地で2年ごとに住まいをかえる移住生活も続けているのです。結婚した2007年、世界一周のハネムーンのあとに南米チリのパタゴニア(2007年)。それから富士山3合目と熱海(2010年)→南アフリカで2番目に古い町ステレンボッシュ(2011年)→イースター島(2013年)→そして現在は再び日本。奥様は産婦人科医だそうですが、野村さんとはいつもご一緒だそうです。とてもユニークなご夫婦です。

これまでの旅や移住生活の中で、野村さんが強く影響を受けた出会いがもうひとつあります。それはパタゴニアで会ったウルスラばあちゃんです。

「23歳のときにアンデスの最南端にいるモンゴロイドに会いに行ったんです。人類がアフリカから出て、グレートジャーニーといわれる旅をして、南米の最南端にたどり着いたモンゴロイドの子孫がウルスラばあちゃんなんです。その人に会いに行ったら、見た目は本当に日本のおばあちゃんみたいで、向こうも同じ顔だと思ったんでしょうね。中に入りなって言われて、お昼をごちそうになりながら取材をしたんです。あまりにも理路整然とお答えになるので、面白くないなと思って、ちょっとえぐるような質問をしてみたんです。大っ嫌いな人、軽蔑する人ってどんな人?って。そうしたら“ためる人”だって言うんです。お金でも、魚でも、情報でも、愛でも、なんでも自分だけにためておく人だと。なんで? って聞いたら、“青いなあ…”というような目をして僕に言うんです。地球はいつも動いてるでしょ。あなたの体の血もいつも流れてるでしょ。すべてのものは動いていなきゃ淀んで死んでしまうのよ。だから人から何かを100もらったら、それを101にして誰かに流す。そうするとまたほかの人から102、103になって返ってくる。この世界というのはそういうシステムなんだって。当時の僕はそれがよく分からなかったんですけど、この頃それが分かってきました」(野村さん)

スタジオ風景

野村さんが10歳のときに出会ったライダーのお兄ちゃんが旅の話をしてくれたように、野村さんは自分の旅の話を幼稚園や小中学校の子供たちに聞かせています。それは自分の体験を101にしてほかの人に流すこと。それを受け取った子供たちが、いずれ旅に出て、またそれを別の誰かに渡してくれれば…。

野村さんの著書

もし野村さんの旅に興味を持ったら、野村さんの本を開いてみてください。そこには圧倒されるような大自然や、その土地に暮らす動物や人々の素晴らしい写真がたくさん載っています。そしてその写真がどこで撮影したのかも地図に示されています。カメラマンは自分の撮影ポイントはあまり人には教えたがらないものですが、野村さんはオープンにしています。自分だけにためるておくことはしないのです。

野村哲也さんのご感想

野村哲也さん

いろいろなところを事前に調べていて、びっくりしました。自分でも書いたことを忘れているような文を取り上げて下さったり、お忙しいのに僕の本を3冊も読んでいただいて…。もっと読んでいただきたい、なんて(笑)。

僕としては久米さんに、もっとえぐるような質問をしてほしかったんですけど、時間が短くて、10代の頃の話で結構いっぱいになってしまいましたね。もしまたお話しできるなら今度はぜひ、えぐるような質問をお願いします! ありがとうございました。

2018年1月13日(土)放送「今週のスポットライト」、ゲスト:野村哲也さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180113140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)



次回のゲストは、曲師・沢村豊子さん

1月20日の「今週のスポットライト」には、浪曲の三味線を弾く曲師(きょくし)の沢村豊子さんをお迎えします。ベテランから若手まで多くの浪曲師から慕われる師匠で、今年(2018年)2月で81歳となる今も現役。舞台を下りるとおしゃべりが止まらないという噂も。

2018年1月20日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180120140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)