お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

里親制度の現状について▼人権TODAY(2018年1月13日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『里親制度の現状と、利用者の声』

里親制度を知っていますか

今回は国が推進する“里親制度”の現状についてお届けします。
「厚生労働省」などの調べによると、実の親から虐待に遭ったり、或いは親の健康やメンタル、経済的な問題など様々な事情のため、親元では暮らせない18歳未満の子どもたちの数が、全国で3万6,000人に上るといいます。去年施行された「改正児童福祉法」では、こうした子ども達を、児童養護施設や乳児院などではなく、家庭と近い環境で養育すべきだと明記し、“里親委託”を推進する構えです。

“里親”と一口にいっても、いま蓮見さんが話したような“養子縁組里親”と、ある一定期間、自分の家族に迎え入れる“養育里親”とに大別されます。
男の子の赤ちゃんの“養育里親”となり、その後その子と“養子縁組”をした漫画家の古泉智浩さんにお話を伺いました。

漫画家・小泉智浩さん
特別養子里親と養育里親の両方に登録していて、とにかく僕は一秒でも早く子どもと暮したかったんです。けっきょく養育里親で子供が来たんですが、5才ぐらいまで実親さんの方に返す動きがなかったら、申請して特別養子縁組を申し立てしようかと考えていました

古泉さん夫妻は長く不妊治療をしていたのですが、うまくいかず、“養子”が欲しいと考えるようになりました。そこで“里親”の研修を受けたわけですが、“養育里親”でも“養子縁組”でもどちらでも良いという希望を出したそうです。
結果的に思ったよりも早く、生後5か月の赤ちゃんがウチに来て、更には“養子縁組”も、その子が3歳の時に成立しました。因みに古泉さんは、その経験をベースにした「うちの子になりなよ」という単行本を2冊、出版されています。

古泉さんの場合と違って、はじめから“養子縁組”は想定しないで、“養育里親”になりたいという方もいます。
実の親と暮せない子どもに温かい家庭を与えてあげることが、社会貢献になると考えて“養育里親”になる方もいます。とはいえ、親元で暮らせない子どもの、75%は施設で暮らしており、“里親”への委託は、18%ほどに止まっているんです。
東京都や川崎市などから里親支援機関事業を受託しているNPO法人「キーアセット」代表の渡邊守さんに伺いました。

キーアセット 渡邊守さん
子ども達は地域社会の中で育つ権利を持ってるんですけれども、残念ながら今は多くの場合、保護された子ども達、施設等に収容された子ども達が、地域社会に戻るチャンスというのは、実親家庭の元に帰っていく、それがまあほとんどで、それ以外の方法で地域社会にもう一度帰っていくという、そういったまあ選択肢がほとんどない。その必要性がなかなか理解されていないからこそ、なかなか養育里親制度というものが、地域社会で促進が十分にされてこなかった背景にあると私は思っています

実の親とは暮らせない子ども達であっても、“里親家庭”で育つと、
「家族の在り方を学び、将来家庭を築く際のモデルにできる」「地域や家庭の中で暮らすことで、人との適切な関わりを学べる」「いつも同じ大人に見守られると、安心して生活が出来て、自己肯定感が育まれる」といった様々なメリットがあるわけです。

    

里親制度に興味を持ったら、どうすればいい?

“里親”に興味を持ったら、まずはどうすれば良いのか?
どこの地域にも必ず在る“児童相談所=児相”に、まずは相談です。

漫画家・小泉智浩さん
児童相談所がとっても何か親身に面倒みて下さって今もすごく気に掛けて下さいますし。
何かやっぱりお役所仕事みたいなんだろうなと思っていたら、全然違っていて驚きました

最寄りの児相に相談すると、担当者が家庭を訪れて適性を調査し、里親になるための研修を受けることになります。児童福祉審議会が話し合って、“里親”として認められれば、登録。“里親”は基本的には25歳以上であれば登録できるため、子どもの養育経験がない人や共働き、シニア世代もなれます。因みに“養育里親”には、国や自治体から月8万5,000円の里親手当や生活費・教育費などが支給されます。

キーアセット 渡邊守さん
多くの子ども達が養育里親制度の中で、様々なその子ども達らしい生き方を獲得しています。それを支える育ちの場、支えるサポーターになって欲しい。地域社会とつながるパイプはどこなんだっていったら、それは家庭なんですね。ということは、その家庭は実は、制度では作れないんですよ。だから、地域に根差す一般の家庭の持ち主、つまり普通の方々に、その地域と子どもをつなぐつなぎ役になって欲しいですね

国も“里親制度”の推進に舵を切ったということもあり、徐々にではありますが、“養育里親”への関心も高まってきてはいます。ただ「厚生労働省」が掲げる、3歳未満は5年以内、3~6歳は7年以内に、“里親委託率”を現行の2割未満から75%まで上げるという目標には、まだまだ課題が多そうです。イギリスなど“里親制度”が定着している国では、“里親”と“子ども”を繋げるコーディネーター的な役割を果たすソーシャル・ワーカーの教育制度も充実しているのですが、日本ではその辺りも大きく立ち遅れているのも、現状です。

NPO法人キーアセット、川崎オフィスの問い合わせは、044-948-9146です

(担当:松崎まこと)