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晴れ着は強制ではないのに・・・・。

森本毅郎 スタンバイ!

1月15日は元々の『成人の日』。晴れ着をめぐるトラブルが先週ありました。着たいのに着られなかった方は本当にお気の毒な事件になってしまいましたが、その一方で、晴れ着以外の服装では成人式で浮いてしまうの? といった声もインターネットで見られます。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!1月16日(火)は、レポーター近堂かおりが事件のこととは別に、晴れ着をめぐる、みなさんの思いをテーマに取材してきました。

★先週成人式!新成人の声

まず、先週成人式に参加してきたという女性3人の声です。

●「赤い振り袖を着ました。おばあちゃんが買ってくれた。妹もいるから2人で…みたいな。お母さんに買えなかったのを後悔してるみたいで、孫には買ってあげるって。」
●「振り袖は、私はレンタルでした。」
●「私もレンタルでした。5月ぐらいに『だいぶ借りられちゃってやばいんじゃない?』ってお母さんに言われて、行きました。成人式=振り袖っていうイメージがあるので、振り袖で行かないなら”ただの式典”だから、行かなくていいかなって思っちゃいます。みんな着てるのに自分だけ着てなかったら、写真も一緒に撮ろうって言いにくいし、やっぱり行きたくないですね。」

やはりみなさん、成人式=晴れ着。晴れ着は着なくてもいいです、という人には会えませんでした。

★親世代、以上の声

続いて、親世代以上の方にも伺ってみました。

●「30万、50万は最初から覚悟してた。やっぱり女の子だから。いまは昔の着物を直してまた着るということはないから、そういうときぐらい着せてあげたい。抵抗はなかった。」
●「私は着ませんでした。74歳だけど。同窓会でみんなも聞いても記憶がないって。でも初孫が女の子で!!ぜひ着せてやりたい。」

ほかにも『うちは男の子だから数万円のスーツ、しかも就職活動用も兼ねて買ったけど、女の子だったらそうはいかないよね。』と話すお父さんもいらっしゃいましたが、みなさん、お金がちょっと高いと思わなくはないけれど、わが子に着せてやりたい。これはもう親心ですよね!街で伺った中では、私は晴れ着は着なかった、とおっしゃったのは、40代の女性お一人だけでした。

★始動が早い、昨今の成人式

若い方に伺ってみると、晴れ着以外の服というのは初めから選択肢にないようでした。というのは、成人式を迎える2年前の18歳のときの状況を聞くとわかります。現在、高校3年生の女の子の声です。

●「最近もう着物を選び始めましたあ。2年前になると家に続々とチラシがすごいんですよ。それで1年前にいろいろ予約するらしいです。」
●「まだ全然着物は決めてないけど、美容室の予約だけは早く入れておかないと、朝4時とか5時になっちゃう。」
●「ママもめっちゃ悩んでます。借りるのでも50万円とかかかって、そしたら買うのと同じくらいだから…。めっちゃ悩んでました。パパは『もう勝手に決めて』みたいな感じ。」

2年も前から動き始めるのですね・・・。当日までに好みが変わってしまいそう・・・と話す女の子もいましたが。私は早めの予約状況に、びっくりしました。

★小学校の卒業式も、1/2成人式も・・・?

ところが、わが子に晴れ着を…というシーンは、実は18歳よりもっと前にやってきているのです。それは小学校の卒業式。

●「息子が小学校のときに女の子が結構、袴をはいていたからびっくりしました。2割ぐらいいた気がします。最近、流行ってるんですかね? 小学生でも袴をはくんだって、びっくりしました。仲のいい子たちが”着ようか”というふうになるのかもしれないですよね。」

私自身は(20数年前?)、大学の卒業式で袴をはくことに憧れたましたが…。小学校の卒業式とは、これもびっくりしました!

もちろん、小学校の卒業式で袴をはくこと自体は何も悪くはありません。和服できりっと、というのは素敵ですしね。ただ、インターネットを見ていると、お子さんの卒業式に何を着せるかが、お母さんたちの間で結構、話題(問題?)になっているのを見かけます。『袴にした方がいいでしょうか?』『袴ではなく洋服にしておきますか? 』『親の服装はどうします?』

そのやり取りを見ていると、ほかの家と違う格好になることを極端に恐れているようにも感じます。

また、今は20歳の半分の10歳をお祝いする『1/2成人式(2分の1成人式)』というものが、学校行事として全国でかなり広がっています。10歳になるお子さんの親御さんを学校に招いて、子供たちの『将来の夢』を発表したり、親御さんへの感謝の手紙を披露したり、劇や合唱を発表したりするそうなのですが、そこでも最近、服装が華美になりつつあるとか。

★”みんな一緒”でも”同調圧力”にならぬように。

こうした傾向の背景には、どんなことがあるのでしょうか。名古屋大学大学院の准教授・内田良さんに伺いました。

内田良さん
「いま卒業式でも『あの子の家は袴をはいた、だからうちも袴を…』という親御さんたちは結構いるんですよ。そうやっていると、うちだけが制服ではよくないというふうになっていく可能性はありますよね。”みんな一緒”というのがある意味、同調圧力になってしまうというところが問題点だと思います。『1/2成人式』も元々は10歳の区切りを祝うというだけだったんですが、最近は親も子供も感動しなきゃいけない、涙を流さなきゃいけないといった圧力があるんです。そうしてだんだんと、ひとつの異様な空気を作り出してしまうということも起きています。そういったものは大学になっても社会人になっても続くということがありますね。」

”子供のため”とか”教育の一環で”ということで始まったことが、”教育”とか”感謝”とか”感動”といったほうに目が行き過ぎて、ゆがみが出てきている部分があると、内田さんはおっしゃっていました。運動会の組体操の問題や、成人式の晴れ着の問題は、同じ根っこではないか、とも感じました。また、内田さんのお話を伺って、学校における”みんな一緒”は何に対して尊重されるべきものなのか、と考えてしまいました。同調圧力になってしまうことがある、と改めて意識しておく。”みんな一緒”が強制のような空気にならないよう意識しておくことが大切なのかもしれません。

成人式については、新成人の集まりやすさや軽装にしやすい、ということを考慮して、お盆の時期の開催にしている自治体があるなど、変化も起きてきているようです。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。