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「追悼ドロレス・オリオーダン〜 映画で聴くクランベリーズの名曲たち」

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる音楽コラム、ドロレス・オリオーダン追悼企画。

追悼ドロレス・オリオーダン〜 映画で聴くクランベリーズの名曲たちhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180119112205

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

※以下、番組内容書き起こし by みやーん(文字起こし職人)

【高橋芳朗】
今週のテーマはこちらです。「追悼ドロレス・オリオーダン〜映画で聴くクランベリーズの名曲たち」。先週のフランス・ギャルに続いて2週連続で追悼企画になってしまいました。アイルランドのロックバンド、クランベリーズのボーカルであるドロレス・オリオーダンさんが15日に亡くなりました。46歳でした。アイルランドのヒギンス大統領は「大変に大きな喪失。アイルランドと世界の音楽界に多大な影響を与えたアーティストでした」との声明を発表しています。クランベリーズは主に1990年代に活躍、アイルランドのロックバンドとしてはU2に次ぐ成功を収めたバンドと言っていいと思います。

【ジェーン・スー】
うん。

【高橋芳朗】
今回調べてちょっとびっくりしたんだけど、ファーストアルバムの『Everybody Else Is Doing It, So Why Can’t We?』はアメリカだけで500万枚、セカンドアルバムの『No Need to Argue』に関してはアメリカだけで700万枚も売れているんですよ。

【ジェーン・スー】
そんなに売れてるんだ! ちなみに私はセカンド派なんですけどね。

【高橋芳朗】
私はファースト派でございます。

【ジェーン・スー】
でも、まさかこんな若いアーティストの追悼企画をやることになるとは思ってもいませんでした。

【高橋芳朗】
うん。ドロレスさん、僕より年下ですからね。

【ジェーン・スー】
いままでのレジェンドの訃報とはまた違ったショックがありますよね。

【高橋芳朗】
そのクランベリーズ、ファーストアルバムは透明感のあるギターサウンドを魅力としていましたが、セカンドアルバムではグランジ全盛の時代にうまく対応してハードな音も積極的に取り入れていました。日本では代表曲の「Dreams」が生茶のコマーシャルに使われていましたね。その「Dreams」は香港映画『恋する惑星』の劇中歌だったフェイ・ウォンのカバーバージョンでもおなじみでしょう。

【ジェーン・スー】
ウォン・カーウァイ監督ですね。あのころの女たちは猫も杓子も「ウォンカーウァイウォンカーウァイ」って言ってました。

【高橋芳朗】
そうね。そういう存在だったかも。

【ジェーン・スー】
堀井さん、いまはポカーンとしてらっしゃいますけど曲を聴いたら絶対にわかと思います。

【堀井美香】
『恋する惑星』は当時見てますからね。でもドロレスさんは知りませんでした。

【高橋芳朗】
今日はそんなクランベリーズの曲が印象的に使われている映画を、彼らの音楽と共に紹介していきたいと思います。まず最初はトム・ハンクス&メグ・ライアン主演のロマンティックコメディー『ユー・ガット・メール』から「Dreams」を紹介したいと思います。『ユー・ガット・メール』は1998年公開。インターネットで知り合った男女がメールのやり取りをしながらお互いに惹かれ合っていくというお話です。

【ジェーン・スー】
懐かしいねー。AOLだと「You’ve Got Mail♪」って音声通知がくるんだよ。

【高橋芳朗】
そうそう。今回ひさしぶりに見たんですけど、インターネット黎明期の描写がいろいろと新鮮だった。

【ジェーン・スー】
ツイッターで罵り合うみたいなことはまったくなかったからね。まだ優しい時代でした。

【高橋芳朗】
なんたってメグ・ライアン演じる主人公のキャスリンは見ず知らずの男性とのメールのやり取りを日々の楽しみにしているわけですからね。しかも、彼女は恋人がいながらそこに新しい恋の予感を感じ取っているという。

【ジェーン・スー】
おやおや!

【高橋芳朗】
で、クランベリーズの「Dreams」は映画の序盤にそんなキャスリンの心情を代弁するように流れてきます。歌詞の大意はこんな感じです。「いま、恋に落ちたということがはっきりとわかる。いままでと違う私がいる。この気持ちをごまかすことなんてできない。だから素直に伝えたい。あなたこそが、いままで見つけられなかった運命の人」。

M1 Dreams / The Cranberries

【高橋芳朗】
ドロレスのボーカルの抑揚にアイルランドルーツを感じますね。彼女のボーカルスタイルがまたクランベリーズの音楽の神秘性を高めているところがあるんじゃないかと思います。ちなみに「Dreams」はトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル』だったり、ドラマでは『ビバリーヒルズ高校白書』や『ゴシップガール』でも使われていました。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
続いてはアリシア・シルヴァーストーン主演、LAを舞台にした学園青春映画『クルーレス』より「Away」を紹介したいと思います。『クルーレス』は1995年公開。『ビヨンド・クルーレス』という『クルーレス』以降のティーンムービーを分析するドキュメンタリー映画が2014年に公開されていることからもわかると思うんですけど、非常にエポックメイキングな青春映画ですね。

【ジェーン・スー】
うんうん。この映画は公開当時に恵比寿のガーデンシネマで見たんだけど、宇多丸さんに「なんだよ、君が好きそうだから一緒に見に行きたかったのに!」って言われたのをよく覚えてます。

【高橋芳朗】
確かに、当時最先端のアメリカのギャル文化を描いた映画だからあなたと一緒に見たらあとでいろいろと語れそうな感じではありますね。この映画からはたくさん流行語が生まれたわけだけど……覚えてる?

【ジェーン・スー】
「as if」とか?

【高橋芳朗】
そうそう。「as if」は「最低!」という意味。あとは「どうでもいい」みたいな意味で使われる「whatever」とかね。ちなみに「whatever」はおととしぐらいまで8年連続でアメリカ人がいちばんイラつく言葉ランキングの1位になっていました。

【ジェーン・スー】
アハハハハ!

【高橋芳朗】
で、『クルーレス』では劇中のセリフにクランベリーズが登場するんですよ。学校の授業中に男子生徒がバックレようとして先生に「先生! クランベリーズのCDどっかにに忘れて来ちゃったんで取りに行っていいですか?」って。これ、字幕には反映されてないんですけどね。めちゃくちゃ些細なことではあるんですけど、こういうティーンの生態を描いた映画はディテールが命ですから。90年代のポップカルチャーやギャルカルチャーのひとつの象徴といえる『クルーレス』にこういうセリフがあること自体、当時のクランベリーズの人気の裏付けになるんじゃないかと思います。

M2 Away / The Cranberries

【高橋芳朗】
クランベリーズと青春映画ということでは、リヴ・タイラー主演の『エンパイア・レコード』でも彼らの曲が2曲使われています。

【ジェーン・スー】
うん。

【高橋芳朗】
では3曲目、最後はアダム・サンドラー主演のファンタジーコメディー映画『もしも昨日が選べたら』から「Linger」を紹介したいと思います。この映画は2006年の公開。時間を自由に操ることができる不思議なリモコンを手に入れた男が、次第にそのリモコンに振り回されていくさまを描いたハートウォーミングなコメディーです。主演のアダム・サンドラーはケイト・ベッキンセールと夫婦という設定で、ふたりが付き合って間もないころ、初めてキスしたときにバックで流れていたのがクランベリーズの「Linger」なんですよ。

【ジェーン・スー】
うわー、甘酸っぱい装置としての「Linger」の使われ方がハンパない!

【高橋芳朗】
アダム・サンドラーの映画は総じて選曲センスがいいですよね。ちなみに「Linger」は「名残惜しい」とか「未練がある」みたいな意味なんだけど、この映画では「Linger」がクライマックスの重要な場面でもう一度流れるんですよ。しかも、ドロレス本人が登場して歌うという粋な演出。

【ジェーン・スー】
それはいま見たら余計に泣けちゃうね。まさに名残惜しい。

【高橋芳朗】
しかもこの映画用のスペシャルバージョンの「Linger」だったりするので、クランベリーズのファンの方は必見といっていいと思います。

M3 Linger / The Cranberries

【高橋芳朗】
というわけで、今日はドロレス・オリオーダンの追悼企画として映画の劇中で使われているクランベリーズの曲を3曲紹介しました。

【ジェーン・スー】
いやー、それにしてもやっぱり若すぎるよ。まさか自分と同世代の、青春時代を一緒にすごしてきたようなアーティストの追悼企画をこの番組でやることになろうとはね。

【高橋芳朗】
冒頭で話したようにクランベリーズ はアメリカでも大きな成功をおさめているバンドだし、もしかしたらまもなく開催されるグラミー賞でなんらかのトリビュートパフォーマンスがあるかもしれませんね。注目しましょう。

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア(稀にかかる邦楽はディレクター選曲)。最新1週間のリストは以下です。

1/15(月)

(11:05) In The Stone / Earth Wind & Fire
(11:42) Wrong or Right / Bobby Caldwell
(12:18) Move Me No Mountain / Chaka Khan
(12:51) Closer to Your Love / Al Jarreau

1/16(火)

(11:06) (Sweet Sweet Baby) Since You’ve Been Gone / Aretha Franklin
(12:17) I Heard Through The Grapevine / Gladys Knight & The Pips

1/17(水)

(11:05) You’re Something New / Carole King
(11:43) Creepin’ / Kenny Rankin’
(12:16) Simple Things / Minnie Riperton
(12:51) Old Heartbreak Top Ten / Roberta Flack

1/18(木)

(11:04) Israelites / Desmond Dekker
(11:17) Breaking Up Is Hard to Do / Alton & Hortense Ellis
(12:20) Moving Away / Ken Boothe
(12:50) Feel Like Jumping / Marcia Griffiths

1/19(金)

(11:02) I Love You More / George Duke