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開発進む凍結防止剤~課題と今できる事~

森本毅郎 スタンバイ!

北陸地方では記録的な大雪で被害が出ています。一方、関東でも連日厳しい寒さが続いています。そこで今回は、この寒さや雪の中でも道路などの凍結を防ぐ、『凍結防止剤』のお話。いま新しいものが、登場してきているのです。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!2月7日(水)は、レポーター近堂かおりが『開発進む凍結防止~課題と今できる事~』をテーマに取材してきました。

★塩害を減らす!!『プロピオン酸ナトリウム』

まずは、新しい凍結防止剤の開発に携わった、NEXCO中日本の藤野友裕さんのお話です。

藤野友裕さん
「今までいわゆる塩=塩化ナトリウムを使っていたものの一部を『プロピオン酸ナトリウム』という材料に置き換えて撒くということを考えています。酢酸とかそういう類の材料なんですけど、普段は食品の保存料とかで使われているんですけど、今回1割混ぜるんですけど、サビの量が半分に減ったという結果が出ています。雪の多い地域とか、凍結防止剤を多く撒く地域なんかでは、どうしても塩によって鉄筋や金属、当然橋もそうなんですけど、ガードレールとかですね、一般の車両とかも、サビて劣化を引き起こすという事象がかなり見受けられていますので。」

いま一般的に凍結防止剤として、よく使われているのは塩化ナトリウムや塩化カルシウム。1993年頃からスパイクタイヤが使用されなくなって以降、凍結防止剤の使用が増加し、凍結防止剤に触れた金属をサビて傷んでしまう、塩害が問題になっています。そこで、その被害をなんとか減らせないか、と開発したのが『プロピオン酸ナトリウム』。プロピオン酸ナトリウムは、菌の増殖を抑える働きがあり、食品の保存料として使われているもの。このプロピオン酸ナトリウムを1に対し、塩を9の割合で混ぜたもので、50%程度の腐食抑制率=サビを抑える力が確認できた。サビが半分になる、のはもちろんいいですが、50%でいいの?と思い、藤野さんに伺ったところ、実は50%というのは、蒸留水で起きるサビと同じくらい。雨水に触れるくらいの影響に抑えられるということです。これなら、かなり安心感がありますね。

★コストとニオイを確認!

NEXCO中日本では、この新しい凍結防止剤を来月、3月に富山県の一部高速道路区間で散布実験をする予定です。この実験で確認したいポイントを伺いました。NEXCO中日本の藤野友裕さんのお話です。

藤野友裕さん
「一番の課題は、室内実験と同じように防げるのどうか抑制できるのかどうか。コストを2倍かける以上に、構造物が延命してくれれば、費用対効果はあるのかなと、あとニオイは出てきますので、いわゆる酢と一緒なので、酸っぱいニオイがわずかながら。全く塩みたいに無臭じゃないので、実際作業をするとトン単位で使用しますので、走っている人はわからないと思いますが、やっぱり、周辺に住んでいる方に生活するのに影響があると問題なので、そういうのは今後検証していかないといけないと思っています。」

ひとつはコスト。プロピオン酸ナトリウムは塩の10倍の値段!!!これを1割配合するので、これまでより2倍程かかる計算。

その分、腐食がしっかり抑えられ、橋などの修繕などの間隔が長くすることが出来れば・・・ということ。また、もうひとつは、プロピオン酸ナトリウムは、酢酸系なので、わずかながら酸っぱいニオイがあるのだが、それを大量に撒いたときに、どのくらいのニオイになるか、を実際にトン単位で使ってみて確認したい、ということです。来月の実験の結果で、しっかりと検証していきたい、と話していらっしゃいました。

★腐食抑制率95%以上!!『リン酸水素二ナトリウム』

そのほかにも調べてみると、凍結防止剤は、既に販売しているもの、研究段階のもの、様々たくさんありました。その中で、ひときわ気になる結果を出している凍結防止剤が・・・!開発した広島工業大学工学部の王 栄光教授にお話を伺いました。

王 栄光さん
「今の凍結防止剤は塩を使っていますけど、その中に化学薬品ですけど、『リン酸水素二ナトリウム』そういったものを選びました。あの腐食抑制率ですね非常に抜群な結果を得られました。95%以上のものを開発しました。一番良いのはこれでした。しかも動植物には非常に優しいので。塩の中に2%ぐらい入れて結構です。トータル的にいうと、自然塩より、やや高くなるだけですね。そういう意味でも大量にコスト低く作れるということです。開発したばかりで、そんなに宣伝してないので、胸張って、どこかに使ってほしいんですね。」

腐食抑制率=サビを抑える力が、95%!!!研究室では、ピカピカの鉄が、1週間経ってもピカピカのまま。寿命も20倍伸びる、という結果がでたそうです。この『リン酸水素二ナトリウム』は、食品添加物としても使われているもの。ちなみに『リン酸水素二ナトリウム』の値段は、塩の2倍ほど。これを塩に対して2%程度配合するので、塩に比べてコストが大幅に増える、ということはない。王教授の凍結防止剤は、費用対効果は良さそうですね。NEXCO中日本の藤野さんと王教授、それぞれにそれぞれの凍結防止剤の話を伝えたところ・・・お互いに感心していました!いずれにしても、凍結防止剤の開発は各所で進んでいる様子。さらなる進化、改良が期待できそうだな、と感じました。

★進化を待つ間に。いまはこの対策で!!

とはいえ、我々は、この冬を乗り越える必要がありますので、今できることを自動車評論家の国沢光宏さんに聞きました。

国沢光宏さん
「中でもブレーキはサビ止めできないので、すぐ真っ赤になりますね。サスペンションのボルト類も真っ赤になって、それがだんだん溜まっていくと強度に問題が出てきますし、あと緩まなくなりますので、整備ができないとか。ですから、都市部であまり雪が降らないところで、走ってる車で、融雪剤の所を走ってきたら、車のボディーの面が、アユの塩焼きみたいに、しおしおになってますので、必ずホースとかで下回りを洗った方が良いです。できれば帰ってきてすぐやった方がよいです。最近の洗車機の中には、下回りの洗車のコースもあるので、下から水が出てきて洗ってくれますので、安心ですね。」

ボディーは塗装されていてサビに強いですが、下回りのブレーキ・サスペンションは注意が必要。帰宅したら水洗いを忘れずに!また、国沢さんのおっしゃっていた、下回りの洗車は、200円~800円と、数百円程度で利用できるようでした。ちなみに、国沢さんが、冬場の車のことでもう一つ注意してほしい、とおっしゃっていたのが、窓ガラスが凍ったときの対処法!!窓が凍った時に、熱湯で溶かすのは絶対にダメ!ガラスにヒビが入り、割れてしまう可能性がある、とのこと。お湯をかけるなら給湯器のお湯などぬるめのもの。また、アルコール除菌スプレーをかけるとスムーズに溶かすことができるそうです。これも一緒に覚えておきたいです!

まだまだ、厳しい寒さが続きそうです。慣れていない地域の人は、特に注意したいですね。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。