お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ
  • 音声あり

春の花粉シーズン到来、正しい治療で重症化を防ごう!

森本毅郎 スタンバイ!

スギやヒノキの花粉が飛び始めています。東京都や日本気象協会の発表によると、花粉が飛ぶ量は、去年に比べ広い範囲で増えます。花粉症は間違った治療で、重症化してしまう事例もあります。今年の花粉の飛散の傾向から、対策の注意点について。2月12日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★花粉と花粉症の傾向

この春の花粉の飛ぶ量は、去年に比べ多めです。去年の春に比べ、東北はおよそ2倍、関東甲信、四国ではおよそ1・5倍。飛散の時期は例年通りですが、東京では、花粉の飛ぶ期間が長くなる、という予測も。ピークは3月上旬から4月上旬で、ピークが長びけばその分症状は重くなっていきます。また一方で、花粉症に苦しむ人の数が、着実に増えています。最近の東京都の実態調査では、大体2人に1人が、花粉症という結果が出ました。10年前の調査と少し調査方法が変わって、単純比較はできませんが、スギ花粉症の症状をもつ人が、10年前は、28.8%。それが、48・8%の人に増えています。日常生活に支障がない軽症の人も含まれますが、全ての年代でほぼ倍増しています。

★症状は人それぞれ

花粉の飛散量が増えたことが、花粉症患者が急増している原因の一つです。あと近年は食生活の変化や、大気汚染、喫煙・ストレスなどの影響も指摘されています。ただ、一口に花粉症といっても、症状の現れ方は人それぞれ。どの薬が合うか、検査の値をみただけでは、医師にもわかりません。自分の症状や、普段の生活状況などを、具体的に知って、メモをしておきましょう。そうしたことを病院で医師に伝え、自分に合う治療法を見つけていくことが大事です。しかしそうした適切な治療法ではなく、間違った対策をすると重症化を招くことがあります。

★ティッシュぐりぐりはやめましょう

よくある例としては、とりあえずティッシュでしのぐ、という人。鼻の穴にティッシュを詰めて鼻水を止める。鼻の穴の中をぐりぐりとこすって鼻水を止める・・・これは重症化につながる行為です。ティッシュなどで鼻の粘膜を刺激すると、粘膜を守るムチン層が破壊されます。粘膜がむき出しなり、炎症がひどくなって出血もしやすくなります。一度粘膜表層が破綻して重症化すると、いつでも鼻の中がかゆくなります。すると防衛力がダウンして、風邪をひきやすくなったり、他の細菌やウイルスによる感染症も起こしやすくなるので注意が必要です。

★科学的根拠のない乳酸菌・発酵食品

あと、食べ物で花粉症対策は少し注意が必要です・・・特に乳酸菌や発酵食品など。よく花粉症の症状を抑えると言われますが、実は、まだ科学的根拠は、得られていません。一般的に体内の免疫バランスを整えることで、症状を抑えると考えられています。そして近年、免疫バランスには腸内細菌の関与が指摘されています。そういったことから、ヨーグルトなどで乳酸菌をとろうと、いろいろ試す人がいます。動物実験では効果が証明されたのですが・・・人間で乳酸菌を含む、サプリメントによる研究をしたところ、サプリメントを飲まない場合に比べ、違いは十分に証明されませんでした。むしろ乳酸菌の入っていないサプリを飲んだ人も、症状が軽くなる傾向がありました。このように本来効果のない薬でも、思い込みで出た効果を「プラセボ効果」といいます。

★体内に入れる食品は重傷化に注意!

確かに、自分で症状が軽くなると感じるなら、活用するのも一つです。乳酸菌や発酵食品自体は、腸内環境の改善のためには、悪いものではありません。ただ、花粉症の症状を抑えるために、無鉄砲に試すのは、費用負担の問題もあります。さらに、花粉症はアレルギー反応なので、食べ物によっては注意が必要です。例えば、スギ花粉は、トマトの成分にも似ているため、症状がひどい人の中には、トマトを食べると口の中がピリピリ・イガイガして、唇が腫れあがるような症状になる人も。このような症状を、口腔アレルギーと言いますが、患者数は少ないものの、適切な治療法を見つける前に、他の病気を併発する可能性があるので注意してください。

★抗ヒスタミン薬でも重症化に!?

そしてもう一つ、重症化しやすい人は、抗ヒスタミン薬の服用に注意が必要です!どういうことかというと、抗ヒスタミン薬は花粉を排除しようと炎症を起こす物質=ヒスタミンの作用を抑えるものです。今は第二世代と言われる眠気などの副作用がほとんどなく即効性があるものが出ています。症状の出始めによく使われるものですが、重症化しやすい人が、これを使うと、さらに症状が強くなる傾向があるのです。

★重傷化しやすいかどうかを知ること!

「自分は花粉症が重症化しやすいかどうか」を見極める、重症化の目安は・・・

▽「くしゃみ」か「鼻水」が1日平均11回以上ある。

▽もしくは、「鼻づまり」があって、1日口呼吸の回数がかなりある場合です。

また、重症化する人は、花粉を浴びた後、自宅など花粉のないところでも症状が出る「遅発反応」が強くなるという傾向があります。そんな重症の人は、抗ヒスタミン薬とは別の、抗ロイコトリエン薬などといった薬の併用が必要です。適切に対処しないと、症状が治まりにくくなることがあります。今年、東京などでは、花粉飛散ピークの日数が長くなるという予測ですが、ピークの期間が流れければ、その分、重症化していきます。だからこそ、今の時期に体力をつけておくことも大事ですし、マスクや眼鏡で、花粉を取り入れない対策をし始めましょう。

 

 

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180212080000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)