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「人肌恋しい季節に贈る、洋楽ポップス最新失恋ソング事情」

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる音楽コラム「洋楽ポップス最新失恋ソング」特集

「洋楽ポップス最新失恋ソング」特集/span>http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180223112634

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

※以下、番組内容書き起こし by みやーん(文字起こし職人)

【高橋芳朗】
今週はこんなテーマでいってみたいと思います。「人肌恋しい季節に贈る、洋楽ポップス最新失恋ソング事情」。先週はバレンタインデーウィークということもあってスウィートにナット・キング・コールの名曲「L-O-V-E」の特集をお届けしましたが、今週はバランスをとる意味も込めて失恋ソングの特集です。

【ジェーン・スー】
えっ、ちょっと待って……これってバレンタインデーでうまくいかなかった人に向けた特集ということ?

【高橋芳朗】
それもあります。いや、本来はうまくいかなかった人こそ音楽が必要なわけですからね。ただ失恋ソングといっても大量にあるので、いままさに大ヒットしている失恋ソングに絞って紹介したいと思います。前半は男性シンガー編、後半は女性シンガー編。男女の傾向の違いも含めて、最新の失恋ソング事情を皆さんと一緒にチェックしていきましょう。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
では、まずは男性編から。この人はもう失恋ソングのキングですね、サム・スミスの「Palace」。サム・スミスは、2015年のグラミー賞で主要3部門を含む最多の4部門を受賞したイギリス人シンガー。現在25歳です。

【ジェーン・スー】
まだそんな若いんだー。

【高橋芳朗】
うん。彼はちょうど最近来日していて、テレビ番組にもよく出ていましたね。これから聴いてもらう「Palace」は。先週17日放送の『ミュージックフェア』で歌っていた曲です。去年の年末からAppleのコマーシャルにも使われていたから、ご存知の方も多いんじゃないかと思います。

【ジェーン・スー】
うんうん。

【高橋芳朗】
サム・スミスは冬にしっくりくるような悲しい失恋ソングばかり歌っているんですけど、なかでもこの「Palace」は極め付けといえるような曲ですね。「Palace」には「宮殿」や「立派な邸宅」という意味があるんですけど、これは別れた恋人との楽しかった日々を宮殿にたとえているんですよ。

【ジェーン・スー】
うわー、キツいですね。

【高橋芳朗】
ただ、恋人と築き上げた素敵な宮殿もいまでは廃墟同然。それでも、あの甘美な日々が忘れられないから男はいまも廃墟に踏みとどまっていて、恋人の亡霊と共に思い出のなかに身を埋めていると。そんな感じの内容になります……本当にキツいね、これ。

【ジェーン・スー】
プレミアムフライデーなのに!

【高橋芳朗】
フフフフフ。では、歌詞を簡単に紹介したうえで曲を聴いてもらいしましょう。「頭のなかが廃墟で埋め尽くされている。そのほとんどが君の残骸だ。君がいなくなって寂しい。いまでも大切に思ってる。そもそもこんな宮殿を建てなきゃよかったと思うこともある。でも、これが決して無駄な時間じゃなかったと信じたい。前よりも素敵になった君はこれからもいろいろな人と恋をするのだろう。でも、僕はまだ君の亡霊と一緒にいるんだ」

M1 Palace / Sam Smith

【高橋芳朗】
サム・スミスはこの「Palace」の前にヒットした曲が「Too Good At Goodbyes」という曲で、邦題が「さよならになれすぎて」というタイトルだったんですよ。なんかもう研ナオコさんみたいなことになってきていて。

【ジェーン・スー】
研ナオコ(笑)。

【高橋芳朗】
いかがでしょう? 皆さんはこの歌詞の男のように廃墟に踏みとどまっていたことありますか?

【ジェーン・スー】
ありますあります。亡霊としばらくダンス踊ってたことあるよ。

【高橋芳朗】
フフフフフ。ホーンテッド・マンションみたい。

【ジェーン・スー】
そうそう。「亡霊とダーンス♪」みたいな時代はぜんぜんありましたね。

【高橋芳朗】
堀井さんはいかがですか?

【堀井美香】
あー、ど、どうですかね?

【ジェーン・スー】
失恋したこと、ありますか?

【堀井美香】
いや、ありますよありますよ。

【高橋芳朗】
なんで僕とスーさんの目を見ないんですか?(笑)

【ジェーン・スー】
そう、見ないんだよ。さてはあんた、人を傷つけたことしかないね!

【堀井美香】
待ってよ! あるよ、泣いた日があったよ。

【ジェーン・スー】
ホントかな?

【高橋芳朗】
でもこういうことってあるよね。なんか廃墟の方が居心地がよくなってきちゃったりして。

【堀井美香】
「最近は陽の光がまぶしくて……」みたいな。

【ジェーン・スー】
ジメジメした気持ちのところにいる方が居心地がいいっていうね。

【高橋芳朗】
サム・スミスは自分の曲に失恋を題材にしたものが多いことについてこんなふうに話してます。「悲しい気持ちはポジティブな感情だと思う。僕は悲しい感情を音楽にすることで、それが自分にとってのセラピーになってるんだ」と。

【ジェーン・スー】
あー、なるほどね。それはすごくわかりやすい。

【高橋芳朗】
男性シンガーの失恋ソングの傾向としては、こういう浸り系、もしくは「どうか僕を捨てないで!」と恋人にすがる懇願系が多い印象ですね。

【堀井美香】
ホント迷惑!

【ジェーン・スー】
おっと、言ったぞ!

【高橋芳朗】
続いては女性シンガー編。女性シンガー編は新しい失恋ソングのクイーン、デュア・リパの「New Rules」という曲を紹介したいと思います。デュア・リパは、ロンドン出身の22歳。去年の6月にデビューアルバムを出したばかりですね。ファッションモデルもこなすクールビューティーで、カイリー・ミノーグやレディー・ガガのようにLGBT界隈からの人気が非常に高いシンガーです。

【ジェーン・スー】
ふーん!

【高橋芳朗】
この「New Rules」、すでに本国イギリスのチャートでは1位になっています。ちょうど日本時間の22日未明ぐらいに行われたイギリス版グラミー賞のブリット・アワードでもデュア・リパは最多ノミネート/最多受賞してるんですよ。

【ジェーン・スー】
へー!

【高橋芳朗】
この曲、タイトルは言うまでもなく「新しいルール」という意味なんですけど。ここでデュア・リパは女の子が失恋したときに絶対に守ってほしい3つのルールを唱えています。

【ジェーン・スー】
いいね、前向きで。

【高橋芳朗】
まずひとつめ。「絶対に元カレの電話に出ない。どうせ奴は酔っ払って寂しさを紛らわそうとしているだけだから」。

【ジェーン・スー】
うんうん。こっちからもかけないっていうのもありますよね。

【高橋芳朗】
さっきのサム・スミスみたいなのが廃墟から電話をかけてくるのかな。

【ジェーン・スー】
それはつながらないね。「おかけになった電話番号は、現在使われておりません……」。

【高橋芳朗】
フフフフフ……じゃあふたつめ。「絶対に元カレを部屋に入れない。あれこれ理由をつけて入り込もうとしても、なにがなんでも追い出さなきゃダメ」。

【ジェーン・スー】
まあ、私の場合は来たことないですね。元カレが家にまで来たことはないです。

【高橋芳朗】
最後、みっつめ。これは賛否の分かれるところかもしれない。「絶対に元カレと友達にならない。そういう関係を続けていたらいつまでたってもその男を乗り越えられないし、きっといつかの朝にそいつのベッドの上で目をさますことになるよ」と。

【ジェーン・スー】
たぶんデュア・リパはだらしなくて誠実さもなくて、でも抗い難い魅力をもったダメ男と付き合ってきたんだろうね。だから別れても電話をかけてきたりする。

【高橋芳朗】
こういう歌が共感を集めているということは、男のほうが自分から別れたにも関わらず元カノに電話したりしてずるずると関係を続けていくケースは結構多いのかもしれないですね。

【堀井美香】
都合がいいですよね、それは。

【高橋芳朗】
デュア・リパは自ら提唱したこのルールについてこんなコメントをしています。「私自身、必ずしもこのルールを守ってこれたわけじゃない。でも、自分が身をもって学んだことを友人たちに広めることが大切だと感じている」と。

【ジェーン・スー】
うん。

【高橋芳朗】
まあでも、男性シンガーの失恋ソングと明確にスタンスが違いますよね。女性シンガーにも過去の恋愛を引きずるような曲もありますけど、男性シンガーにこういう毅然とした態度で過去を振り払うような曲はほとんどない。

【ジェーン・スー】
キング・オブ・ウィッシュフル・シンキング(ゴー・ウエスト「King of Wishful Thinking」。「希望的観測の王様」の意)。

【高橋芳朗】
フフフフフ。確かにそういうところはあるもしれない。

【ジェーン・スー】
「I’ll get over you, I know I will♪」ですよ。

【高橋芳朗】
ただちょっとおもしろいのが、今年に入ってデュア・リパは恋人と破局したあとに元カレと連絡を取り合っていることが発覚して(笑)。

【ジェーン・スー】
おっ、来た! アハハハハ!

【高橋芳朗】
彼女のInstagramがちょっとした炎上騒ぎになったというね。

【ジェーン・スー】
フフフフフ(笑)。「おいおい!」って?

【高橋芳朗】
そう。「掟を破ったな!」って怒るファンもいれば、「ルール1を思い出して!」って逆にデュア・リパを諭すファンもいたりして(笑)。

【ジェーン・スー】
アハハハハ! おもしろいね!

M2 New Rules / Dua Lipa

【高橋芳朗】
この曲はミュージックビデオを見てもらうと歌詞のメッセージが伝わりやすいかもしれないですね。女の子たちのパジャマパーティーの設定で、おそらく映画『ラ・ラ・ランド』にインスパイアされたカラフルなミュージカル調のビデオになっていて。ブルゾンちえみさんをはじめ、世界中でパロディビデオがたくさんつくられているんですよ。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
そしてデュア・リパの新しいシングル、今度は「IDGAF」という曲になります。「IDGAF」は「I Don’t Give a Fuck」の略。スラングで「知ったこっちゃない」みたいな意味なんだけど、今度は復縁を迫る元カレを追い払う歌。

【ジェーン・スー】
今度はちゃんと追い払えるかな?(笑)

【堀井美香】
ルール1がね(笑)。

【高橋芳朗】
フフフフフ。そのへんも含めてデュア・リパさんに注目です!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア(稀にかかる邦楽はディレクター選曲)。最新1週間のリストは以下です。

2/19(月)

(11:04) Just The Way You Are / Meta Roos & Nippe Sylwens Band
(11:45) Sanpaku / Michael Franks
(12:16) Fly / Al Jarreau
(12:49) Open Space / Airto Moreira

2/20(火)

(11:03) Perfect / Fairground Attraction
(11:16) Who Loves You Now / The Jazz Butcher Conspiracy
(12:17) Just Can’t Get Enough of That Stuff / The Chevalier Brothers
(12:49) Robe / Marden Hill

2/21(水)

(11:03) Sweet Blindness / The 5th Dimension
(11:16) I Wish I Was a Fire / October Country
(11:44) Move in a Little Closer, Baby / Mama Cass Elliot
(12:17) Lifetime Day / Eternity’s Children

2/22(木)

(11:04) (She’s) Sexy and 17 / Stray Cats
(11:50) Make a Circuit With Me / The Polecats
(11:20) Don’t Try to Stop It  / Roman Holliday
(12:51) Ice Cold / Restless

2/23(金)

(11:03) Straight Ahead / Kool & The Gang
(11:16) Play The Game / Cool Runners
(12:16) You Ought To Love Me / Narada Michael Walden