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「1億総伊能忠敬化」ドローンを使った新たな災害支援

森本毅郎 スタンバイ!

宅配や農業への活用など、最近何かと話題になるドローンについて、3月1日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

ドローンを活用した新しい取り組みについて、青山学院大学・地球社会共生学部教授の古橋大地さんに伺いました。

★1億総伊能忠敬化!ドローンを使った地図作りとは

青山学院大学・地球社会共生学部教授 古橋大地さん
我々は、ドローンを使って地図を作るという活動をしています。みんなが作ることのできる地図を使いながら(一番有名なのは『オープンストリートマップ』)、いつでも・誰でも・どこでも、地図を書き込むことができます。“地図版のウィキペディア”のような言い方もされますが、書き込むと数分後には地図に反映されるので、その情報が世の中にどんどん広がっていきます。そうすると災害が起きた時に、被災地がどうなったのか・この道が通れるのか通れないのか・この建物がもしかしたら倒れたかもしれない、そういった情報を素早く地図に反映させて、地図がみるみる変わっていく。こういうことを可能にするため、空から町を見られるドローンを使っています。
森本毅郎スタンバイ!

青山学院大学 古橋大地先生。飛行機型のドローンを被災地に飛ばして、地図を作ります

森本毅郎スタンバイ!

ドローンで撮影した写真。数百~数千枚をつなぎ合わせて、一つの画にします

古橋さんが理事長を務めるNPO法人クライシスマッパーズ・ジャパンでは、ドローンを使って、災害時発生時などの地図を作る取り組みを行っています。実際には災害発生後2時間以内にドローンを上空に飛ばし、被害状況を撮影するのが目標ということで、そのデータを元に現場の状況をリアルタイムに地図に反映させることで、人命救助や支援活動に役立ててもらいます。この被災地エリアの地図作りは「クライシスマッピング活動」と呼ばれていて、ハイチの地震や東日本大震災、熊本地震でも活用された例もあるそうです。

さらに、この活動を支えている仕組みが「オープンストリートマップ」というもの。これは誰もがネット上で地図を作れる仕組みで、地図を作るボランティア(マッパー)は、現在、全世界で470万人ほどいるそうです。

★法を乗り越え、災害時にドローンを飛ばす方法

ただ、ドローンを自由に飛ばして良いかというと、そうではないようです。再び、青山学院大学の古橋教授のお話です。

青山学院大学・地球社会共生学部教授 古橋大地さん
やはりドローンを飛ばしたいと思っても、実際には法律を守らないといけない。一番大きな法律が『航空法』です。これが2015年に改正され、都市部や人が多いところだと、勝手にドローンを飛ばしてはいけない決まりになっています。ですので、災害時に僕らがドローンを飛ばす場合、実は航空法をきちんと守って飛ばさなければいけません。これは大きな課題になるので、解決するためには、色々な地域の行政と『防災協定』を事前に結び、『災害時は特例』という扱いにしてもらう。これは航空法で決まっているのですが、災害時の救援救助に関しては航空法を無視してもいいという一部条件がある。こういった条件に当てはめていただく防災協定を結んで、災害時には法律をきちんと守った上でドローンを飛ばし、このような形で地域にどんどん広げています。

クライシスマッパーズ・ジャパンでは、各自治体と積極的に防災協定を結ぶことを目指していて、現在、首都圏9自治体と協定を結んでいます。同時に各地域にドローン操縦士、そして活動拠点の基地を整備する計画も進めています。

★自治体ごとに抱える課題は、ドローンで解決できる

そこで、実際に協定を結んでいる埼玉県横瀬町役場の辺見翔吾さんに、なぜ防災協定を結んだのか、お話を伺いました。

埼玉県横瀬町役場 辺見翔吾さん
横瀬町は非常に小さな町で、その分職員の数も少ないんです。そうなると、やはり災害のときに現場に出ていくだけで精一杯となってしまって、町全体の被災状況を把握することが非常に難しくなっています。例えば横瀬町は比較的山間部が多い地域でが、山間部で土砂災害が起きたとなると、なかなか人の足が踏み入れられない状況になっていくことが想定されます。そんな時に今回のドローンをつかった災害状況の把握をすることで、いち早く情報の確認ができることが、横瀬町のメリットの一つです。

他にも、協定を結んでいる世田谷区は、木造住宅が密集して道が入り組んでいる地域が多いため、ドローンでの状況把握が最良だという背景もあるようです。

★災害時にドローン隊が出動!大和市の取り組み

先月には神奈川県大和市の消防隊でユニークな組織が立ち上がりました。大和市消防本部警防課の中丸剛仁さんのお話です。

大和市消防本部・警防課 中丸剛仁さん
大和市消防本部では、『消防ドローン隊』というものを発足しました。ドローン12機で災害時に上空から情報収集をして、災害活動を円滑に行うために、消防ドローン隊というものを発足しました。大和市は消防でヘリコプターを持っていないので、あくまで平面で活動していた。例えば火災だと建物の周りを一周回って情報をとってきたり、無線で後ろ側にいる隊員に情報を送って頂いたりとか。今回ドローンを入れることによって上空からなので、一目で状況がわかるということで、活動や安全管理等に役立てていきたいと思っています。
森本毅郎スタンバイ!

大和市消防ドローン隊が保有するドローン(現在、全12機)。カメラで上空から撮影し、手元のスマートフォンでリアルタイムに状況を確認します。こだわりのレッドカラーがトレードマーク!

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ドローンのカメラの向きは自由自在に変えられます

大和市消防ドローン隊は、先月2月5日に発足しました。地震などの災害時だけでなく、実際に火災の現場にも2度配備されたようで、今後もドローンを使った防災の動きは増えていきそうです。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!