お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

イチゴ、ヒラメ、交通整理・・・身近なところから福島プライド ~福島県 内堀知事

コシノジュンコ MASACA

2018年3月11日(日)放送

ゲスト:福島県知事 内堀雅雄さん(part 1)

内堀雅雄さん
1964年長野県生まれ。東京大学経済学部を卒業、総務省より福島県へ出向し、福島県生活環境部長、企画観光部長を経て、2006年12月に副知事に就任。2014年11月に知事に就任されました。

JK:東日本大震災から7年。早いですね。

内堀:そうなんです。私は福島県の副知事ということで、ちょうど県庁にいました。その時大きな揺れが襲いまして、人生の中で感じたことのない大きな揺れだった。その時のことは今も鮮明に覚えています。

JK:忘れられないですよね。ずーっと続いてますよね。

内堀:とにかくその後しばらくは危機管理。時間との戦いで、壮絶な時期がありました。その後は復興に向かって新しい仕事をしなければならないということで、ずーっと時間と闘いながら仕事に取り組んでまいりました。

JK:3年後に知事になられて。いよいよ責任感というか、本格的に復興のためになされたと思うんですが。

内堀:そうですね、この7年間大きく分けて2つの相反した思いが混ざり合っていまして、ひとつは、あっというまの7年だったなという思い。もうひとつは長かったなーという思い。この2つがまじりあっています。それと、この7年間でずいぶん復興が進んだなという思いと、いやぁまだまだだな、本当の復興はこれからまだ時間がかかるな、という思い。その両方が混ざっているなというのが率直な思いです。

JK:そうですね。福島県の過去の良いところを失ってしまったので、それを再現するというのは大変難しいと思うんですけど、こうなった以上、前に進むしかないと思うんですよ。前に進むためには、復興は同じことを繰り返すのではなくて、いつまでもイジイジとしてはイヤな思い出しか残らないと思うんですね。

内堀:私たちが大事にしているのは「ふくしまプライド」という言葉があります。この「ふくしまプライド」には、コシノ先生がお話しくださった2つの意味があります。ひとつは、震災・原発事故によって壊れてしまった・傷ついてしまった誇りをもう一度取り戻す。マイナスをゼロに取り戻すというプライドと、まったく新しい、これまでなかった誇りを作り出す。その「ふくしまプライド」両方の思いをこめて、復興のキーワードとして使っています。

JK:そうですね。試練といえば試練ですけれども、これをテコにして、新しい生き方を発見していくっていうことが大事。毎日々々。

内堀:そうなんです。この逆境をなんとしても乗り越える。それが、現役世代の私たちの務め、使命だと思います。

出水:福島も一生懸命、一丸となって復興に向かっていると思うんですけれども、復興の現状を知事はどうお考えですか?

内堀:復興の現状を3つのキーワードでお話ししたいと思います。ひとつは「希望」。2つめは「危機意識」。3つ目が「挑戦・チャレンジ」。
まず「希望」ですが、震災からの7年間、我々懸命に努力してきました。その努力がいま、結果を残しつつある。形になっている。我々の努力は報われるんだ、形になって成果につながるんだ、という希望を持っています。次に大事なのが「危機意識」。残念ながら、福島県は復興創生にはいろんな難しい課題が目の前にあります。ですから、この課題を抱えている危機意識を意識して、仕事に取り組むことが大事なんです。そして最後に大事なのが、危機を希望に変えていく。そのために必要なのが「挑戦・チャレンジ」だと思いますので、いろんな課題にぶつかって、とにかく乗り越えるんだという挑戦を続けていく。これが、いまの福島の復興につながる一番大切なことだと思っています。

JK:県がそれを挑戦だ!って言っても、一般の方々はどういう挑戦の仕方なんですか?

内堀:挑戦といっても、大きな挑戦から身近な挑戦までいろいろあります。県民のみなさんからすれば「自分たちは何ができるんだろう」と思うんですが、たとえば会津若松に、大熊町という避難区域から避難した80歳以上の赤井さんというおじいさんがおられるんですね。その方は、ふるさとで子供たちの朝夕の交通整理をボランティアでやっていたんです。

JK:震災前ね。

内堀:はい。自分の制服も持っていて、一生懸命子供たちの安全指導をしていたんです。それが、会津若松に急遽避難して、最初はふるさとを離れてすごく落ち込んでいられたそうなんですね。「何か自分にできることはねぇか」と思って、「会津でもやっぺ」と、また制服を持ち帰ってきて、自発的に交通整理を始めたんです。会津は浜通りとは違って、けっこう雪も降りますし、寒いし・・・いろいろあるんですよ。それをほとんど毎日のように、去年まで続けておられたんです。そしたら、子供たちも「赤井のおじさんだ」とすっかりわかるようになって、仲良くなった。それが去年の年末、息子さんがいわきに引っ越されることになって、若松を離れることになったんです。そしたら子供たちも近所のお父さんお母さんたちも、「赤井さんお世話になったね~」って言って、泣きながらお礼を言ってくれた。

JK:あら~。本当!

内堀:実は、県民ひとりひとりが自分に何ができるんだろうという思いもあるんですが、こういった身近な挑戦もあるんですよね。だから、必ず自分にも何かできる、そういう思いを持っていただければ前に進めるんじゃないかなと思います。

JK:そうですね。大きなことよりも、一番身近なこと、今までできたこと。技術を持っているもいるんですけれど、個人で今までできたこと、身近なことからやるっていうのが大事ですよね。

出水:福島はまだ住み慣れた故郷へ帰れない方も多いと思います。避難地域での復興、そのあたりの構想はどうなっていらっしゃいますか?

内堀:避難地域、この地域を復興させてゆくのに大切な点が2つあります。ひとつは、「きめ細かい政策」。もうひとつは「大胆な積極的な施策」。この両方を同時に進めることが大事だと思います。

JK:両極端が大事ですよ。

内堀:まず、きめ細かい政策。これは避難者の方々にとって、自分のふるさとに戻って安心して生活したい。そのためには、まず被災者のみなさんの生活再建・生業の再開・医療介護サービスの提供・教育環境の整備・買い物できる場所を整える。こういった当たり前を取り戻すきめ細かさが必要です。一方で、非常につらい、傷ついた地域ですので、思い切った大胆なビジョンが必要です。そこで2つ国家的なプロジェクトがありまして、ひとつは「福島イノベーションコースト構想」。もうひとつが「福島新エネ社会構想」。思い切った国家プロジェクトを展開して、もう一度新しい福島プライドを創ろうじゃないかという取り組みを進めています。

JK:大きなビジョンですね! こういった政策やちょっとしたことで皆さん「そうだ!」って思いますもんね。

内堀:きめ細かい施策は、まずは高齢の方が帰られる。一方で、若者たちにも戻ってほしい。そのためには、こんな面白いプロジェクト、「下町ロケット動いてるぜ」っていうのがぐっと心をわしづかみにしてくれるので、その両方をやりたいんです。

出水:福島新エネルギー社会構想というのは?

内堀:やはり再生化エネルギー=新エネがこれからの一番の潮流になります。そこで水素・太陽光・風力、こういったエネルギーの技術を日本ではなく、世界のトップレベルに高めようとことで、浪江町という避難区域がありますが、そこに世界最大の水素製造拠点を作ります!

JK:まあ~!

内堀:そしてそれを、2020年、東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせて、東京都でオリンピック村ができますよね?そこで、福島県産のCO2フリー水素、環境にやさしい水素を作って、それをエネルギー源としてオリンピックで使っていただく。こういった構想を東京都知事と連携しながら進めています。

JK:おもしろい。これは可能なんですね?

内堀:できます!

JK:もう着々と。へぇ~。でも、東京もいつ何があるかわからないから、大きなオリパラがあったとしても、先のことだけど・・・もしもということもありますから、連携していると安心ですね。

内堀:お互いに連携する、助け合う。そういう関係を平時から作り上げることが大事なんですよね。いざという時では間に合わない。

JK:そうなんです!そこなんですよね。その経験をすぐに生かして、次につなげていくといい。

内堀:とくに私たちは、恩返しをしたいという気持ちもあるので、いろんな場面でお手伝いしたいと思っています。

JK:素晴らしい知事です!

出水:その一方で、残念ながらまだ風評被害も根強く残っているというのもうかがっています。これを払拭するためのさらなる取り組み、どのようなことを?

内堀:風評の問題が一番根強く残るのは、農林水産と観光の分野なんですね。先ほど福島プライドのお話をしました。私たちは福島県の農林水産物をとても美味しくて、品質が高い。そのプライドを持っていますが、「福島産はちょっとね・・・」という風評は、7年が過ぎようとする今もなお残っている。これが現実です。そこで、安全対策・安全検査の結果をみなさんに率直に見ていただく。あとはいろいろな場面で、皆さんに味わっていただく。そういう中で、「福島産も悪くないね」と再評価をしていただく取り組みをしています。

出水:そうですよね、福島は美味しいものたくさんありますしね!

JK:そうなのよ~。海のものも、山のものも。

出水:3月のこの時期の県産品ですと、何がおすすめですか?

内堀:はい、今はやっぱりイチゴなんです! 甘くて、酸っぱくて、香りがよくて。包装を開けた瞬間、ぱぁぁっと香ってくるイチゴの香り。もしスーパー等でお見かけになったらぜひ食べてみて下さい!

JK:福島県産って書いてあるんですね? 一般の人たちにも「福島のイチゴは美味しい」っていうアピールは重要ですよね。

内堀:栃木県とか、素敵な県がいっぱいあるんですが、福島もそれに倣って頑張っているので! イチゴを見て勝っていただいたら、うれしいです。

JK:イチゴ以外、たとえば水産物だったら?

内堀:いまは、ヒラメ・カレイなどを試験操業しているんですが、いよいよ福島県産のヒラメを海外に輸出するといった動きも出ています。2月にはタイに輸出することができました。これは、震災原発後初めて。福島県産の、安心して食べられる美味しいヒラメがいよいよ世界に出て行ったということは、これまた僕らのプライドにつながりますので、こういった取り組みひとつひとつを大事にしたいと思います。

出水:知事は召し上がりました?

内堀:はい、もうふっくらしてて、舌の上でとろけるようで、日本酒が合うんですよね!

JK:福島のお酒も有名よね。だからセットでね(^^)

内堀:全国の新酒品評会、新しいお酒のコンテストを毎年やってますが、5年連続金賞受賞数日本一、という快挙を達成しております。

JK:いやぁ美味しいんですよ~! それにヒラメの料理がくっつくと、なんといってもお刺身!

出水:日本酒と言えば、お花見もいいですね(^^)

内堀:だんだんこれから桜の時期も近づいてきますから、ぜひ福島のお酒をかわいがっていただければと思います。

=OA楽曲=
MM1. HANAWA SAKU / 渡辺貞夫