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やり込み型の最上もがさん「ゲーム好きだからってどんなジャンルでも好きとは限らない」

ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

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■ゲーム好きだからって、どんなジャンルのゲームも好きなわけではない

重度のゲーマーの女性タレントと聞いて、まず誰が思い浮かぶでしょうか? 私が真っ先に思い浮かべるのは、中川翔子さん、古川未鈴さん(でんぱ組.inc)、そして最上もがさんの三人。ゲーマー女子三銃士だと思っています。中川翔子さんも古川未鈴さんも以前、「マイゲーム・マイライフ」のゲストに来たことがありました。そして今回、最上もがさんが満を持しての登場です。トーク中のもがさんの一人称は「ぼく」ですが、これもゲームの影響。『ラグナロクオンライン』をやっていた頃、男の子キャラを使っていた名残で、現実世界でも「ぼく」で定着したのだそうです。

最上もがさんがFF好きなこともあり、今回は久しぶりに宇多丸さんの「FFやってない問題」が炸裂しまくっていました。「マイゲーム・マイライフ」は放送開始からもうすぐ一年が経とうとしていますが、この一年間で幾度となくゲストからFFの思い出話をされ、そのたびに「僕、やってないんです……」と謝り倒し、だんだん開き直って「FFやってないんです! ハハハ」と自ら率先して自虐ネタに使うようになっていた宇多丸さん。ちょっとした番組名物にもなっています。

もがさんがひとしきりFFの話をして一息ついたところで、宇多丸さんが口を開きました。「FFやっていない」という告白に、「久々にこのネタやっちゃうぞ!」的な得意気な空気がほんのり漂っていたのは気のせいでしょうか……。

宇多丸「僕、ここまでずっと頷いてますけどね、FFやってないですからねっ!」

もが「えー! 本当ですかー!?」

宇多丸「あのね、この番組のパーソナリティーをやっていて、なんとなくFFってこういうことだろうって、へへへ、なんとなくわかってきたので、頷いているっていう(笑)。ナンバリングによって雰囲気が結構違うとかね」

さらに、もがさんが「自身の好むゲームは偏っている」という話をしたときに、ここぞとばかりに同意。確かに、同じゲーム好きでも人によってタイプがまったく異なるというのは、毎週番組を聞いているとつくづく実感します。

もが「すごく困るのが、ゲーム好きっていうと、何でもゲームできると思われがちじゃないですか」

宇多丸「ああー! うんうんうん」

もが「でも、全然そんなことないし、全部やる時間なんてそもそもないし」

宇多丸「そうそう、そうですよ皆さん! FFやってない、ドラクエやってない、でもゲーム好き! こういうことはあるんです!」

もが「ありますね。何を突き詰めているかなんですよね」

宇多丸さんの何が面白いって、この番組を通して、FFにまつわる豆知識だけは増えていることです。特によく使われるのは、「ナンバリングによって雰囲気が違う」と「誰が10派で誰が9派で」というゲストたちの好み。過去に話したことのある女優やタレントさんたちのそれぞれの好みが、コンシェルジュよろしく、すぐ出てくるのです。

もが「で、ぼくは青春時代は本当にファイナルファンタジーずっとやっていて。ナンバリングの中だと9を一番やっていて」

宇多丸「これは、真野恵里菜さんとかもですね。夏菜さん、高橋愛さんは10派です。ファイナルファンタジー10右翼です(笑)。その話しかしないっていう」

ちなみに、このあとのトークで、FFだけでなく、ファミコンやスーファミを持っていない問題にも発展してしまいました。

宇多丸「(レースゲームだと)マリオカートとかそういうのは?」

もが「マリオカートはもちろんやりましたね。ただ得意かと言われたら……。でも、あれはやりましたよ。スピンして『イヤッホー!』って出るまでやるやつ」

宇多丸「……ん?」

もが「ん?」

宇多丸「僕なにしろ、ファミコンもスーファミも持ってないんでっ! 知ったかぶりしてすみません(笑)」

■オンラインゲームは誰かにとっての救世主

後半、話は打って変わって真面目なトーンに。もがさんが不登校だった時代にゲームに救われた、というエピソードを語っていました。私はこの話を聞いて、オンラインゲームの大きな存在意義に気づいたのでした。今まで、「一人になりたいからゲームをしているのに、なぜゲームの世界でまで人と繋がらなければならないんだ!」と何でもかんでもゲームがオンライン化する昨今の流れはどちらかというと否定派だったのです。シリーズ作品だと、オンライン化することで否が応でも世界観が変わってしまうのも、あまり好きではありませんでした。ゲームの中で「意志を持って行動している人間」が私しかいない、誰にも邪魔されない世界だったのが、オンラインゲームではそこらじゅうほかの冒険者たちが歩き回っています。世界を救う勇者は私だけじゃなかったのかよ! ほかにも(同じストーリーをなぞって)魔王倒している奴がいるのかよ! と自分だけが主役じゃないことがメタ的に見えてしまう空間に、憤りすら感じるわけです。けれど、もがさんの話を聞いて、学校に居場所がないと苦しむ子どもたちが、ゲーム内で居場所を見つけ、見知らぬ人とチャットをすることで「学校に行っていないこと」を肯定してもらえる可能性があるのだと気づきました。現実世界の文脈だけで生きていたら、居場所がなくて不登校という、それだけで肩身が狭く、生きづらいことでしょう。その状態を「よし」とする風土が整っている環境は、残念ながら現実にはあまりない。オンラインゲームは、そういった人々を知らず知らずのうちにたくさん救っていたのです。

マイゲーム・マイライフ

■今回のピックアップ・フレーズ

(タクティクスをやり込んだ話にて)

宇多丸「ゲーム本編よりもディープダンジョンでのキャッチにかけた時間のほうが長かったんじゃないか、って(以前Base Ball Bearの小出祐介さんが」

もが「あははは! 確かにー! それめちゃくちゃわかりますねー!」

宇多丸「これですよ! 会ってないのに意気投合!」

もが「小出さんほしいなー! ここに!」

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

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