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がんの新しい相談支援の形「マギーズ東京」▼人権TODAY(2018年3月17日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“がんの新しい相談支援の形「マギーズ東京」”

人権トゥデイ

マギーズ東京(東京都・江東区)

★がんで見失いそうな自分を取り戻す居場所「マギーズ東京」

国立がん研究センターによると、日本では2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで亡くなります。そんな中、がん患者だけでなく、その家族や友人など「がんに関わる全ての人」が何でも相談できる、「新しい形の相談支援」について取材しました。マギーズ東京・センター長の秋山正子さんのお話です。

マギーズ東京・センター長 秋山正子さん
病院と家の中間にある『第二の我が家』という新しい相談支援の場所です。まず、がんのどの時期であっても、予約無しで訪れることができて、相談料は全て無料です。
やっぱり1人にかけられる時間は、限られてますよね、病院の中は。本当に忙しい流れの中なので、『あとはこれ読んどいて』とか『こういう治療始めます』とか、サクサクと説明され、あれはどういう意味があるのかと後で反芻したときに、よく分からないことが結構ある。そういった時にちょっと一息ついて、自分としてはどうしていきたいか、自分の道を見つける。寄り添って伴走する人が横にいる場所は、必要だと思う。

人権トゥデイ

マギーズ東京・センター長の秋山さんは、訪問看護歴26年の大ベテランです

元々、乳がんを経験したイギリス人女性・マギーズジェンクスさんの構想から生まれた施設で、現在、世界には22のマギーズセンターがあります。
日本で唯一の「マギーズ東京」は、豊洲にある平屋の建物。平日午前10時~午後4時の間であれば、予約なしで訪れることができます。2016年10月にオープンして以来、1年で6,000人を超える人が訪れたそう(1日に平均25人)。これは秋山さんの予想をはるかに上回る人数ということで、とてもニーズが高いことが分かります。

★予想をはるかに超える訪問者。その目的は様々

相談にあたるのは、看護師や心理士、保健師、栄養士など医療知識のある専門家。では、実際にどんな人が訪れるのか。この日来ていた方に、お話を伺いました。

新宿区から来た女性
2回目です。私は独身なので自分の家庭はないが、自分の親について。やはり親からすると、子供が、結構重い病気である『がん』になるのを受け入れるのって大変だと思うんです。そうすると、私から母親に対して今の状況をどう説明したら良いのか。答えがあってないようなものですが、どうしたら良いですかねということを、秋山さんに聞いていただいた。
江東区から来た女性
初めて寄らせていただいた。病気ですね。私もがんを手術して、孫も2人続けてがん。自分はもう
大丈夫だけど、孫は辛くてダメです。ネガティブな方にしか物事を考えられないから、自分の切り替え方が分からなかった。それを、色々お話して教えてもらった。本当に頭の中が真っ暗だったのが、三分の一くらい明るくなりました。

二人とも1時間以上、マギーズ東京に滞在していたのですが、帰っていくときの表情がぱっと明るくなっていたのが印象的でした。他にも、例えば会社で自分ががんになったことが広まってしまい、周りから腫れ物に触るように扱われることに悩んでいる方、がんと付き合いながら子育てはどうしていくべきか、親の介護はどうするかなど、様々な生活背景を持った人が訪れるそうです。

★“医療知識のある友人”が、マギーズ流のサポートを行います

一人目の方は「答えがあってないようなものですけどね」と仰っていたが、設立当初から相談員として働いていて、病院での勤務経験もある看護師の木村晶子さんに、サポートする上で心がけていることを伺いました。

相談員 木村晶子さん(看護師)
例えば病院だと、あらかじめカルテがあったり診断名があるのでそれを見がちだが、そういうものが一切ないので、本当に隣に座ってお茶を飲みながらお話を聞かせていただいたり、その方の中にある答えを一緒に見つけていく。難しいことはいっぱいありますね。例えば病院で何か指導するとき、『これを言ったらOK』みたいな所がありますが、そうではなく、来た方が何を思って来たか、ということを常に考えながらお話するので、私たちも終わった後『これで良かったのかな』とか、『よし終わった』という感じがないことが多い。

実は「相談施設」自体は他にもあるそうで、「がん拠点病院」は相談窓口を設ける義務があり、予約は必要ですが相談することができる。ただしその際は、例えば「治療に対する副作用についてもう少し詳しく知りたい」「経済的な治療費について相談したい」「緩和ケアについて聞きたい」など、相談内容がはっきりしている必要があり、しかも一度につき相談時間が10~15分と限られていることが多いんです。一方、マギーズ東京では漠然とした不安をぶつけることが出来るため、相談員も決まった答えを用意している訳ではありません。だからこそ時間もかかるし、何がベストなのか・何がベターな選択なのかを一緒に考えていくことは、とても難しい作業だと仰っていました。

★日本版マギーズ第一号を、世の中に根付かせていきたい

これからもますます需要が増えていきそうな相談支援の形ですが、最後に、センター長の秋山さんに、今後の課題を伺いました。

マギーズ東京・センター長 秋山正子さん
がん=すぐ死ぬ訳ではなく、10年生存率の平均は6割なんです。がんになってもすぐに死なないということは、がんと共に生きる時間が長くなる。するとその間様々な不安を抱く時期がいっぱいあるので、その人たちを支えて仕事や学業に復帰するためのサポート体制は、ものすごく重要だと思う。
それと、この建物は実は2020年までの限定使用ということで借りている状態。先のことについては、土地や地域を含め、継続して事業が展開できるよう運動していくことが、私たちの課題です。

マギーズ東京は、近くに運河が流れていたり、都会のビル群からちょっと離れていたりと、立地としても、心を落ち着けるにはとても良い場所ということが、やってみて分かったそうなんです。同じような施設を作りたいという相談は、全国からよく受けるそうなので、まずはこの場所で事業を継続させ、他の場所にも広げていきたいとのことでした。

なお、運営は、助成金や寄付金で成り立っています。寄付を希望される方は、マギーズ東京のホームぺージをご確認ください。

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
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認定NPO法人マギーズ東京

マギーズ東京は、認定NPO法人です。


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