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川口の教会にベトナム人が集まり、旧正月を祝う▼人権TODAY(2018年3月24日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時15分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…2018年3月24日放送「川口の教会にベトナム人が集まり、旧正月を祝う」

担当:崎山敏也

2月18日(日)、埼玉県川口市の「カトリック川口教会」には、朝から日本に住んでいるベトナム人が大勢集まっていました。午前10時から教会ではミサが始まりました。ミサが終盤にさしかかると、司会者が「きょうは500人くらい来ています。記録的な数字です。きょう、ベトナムでは、古正月の3日ということになりまして、この場を借りまして、新年のごあいさつをさせていただきます」と、この日、ベトナムの新年(旧暦の正月)をお祝いすることを告げました。

ベトナム人と日本人の神父によるミサは、日本語とベトナム語、そして時に、英語とタガログ語も混ざる、国際色豊かなミサです。いつもと違うのは、教会の内外がおめでたいとされる赤と黄色で彩られ、お正月のお祝いの品も供えられ、集まった子供たちには「お年玉」が入った袋が渡されました。

この教会で「ベトナムのお正月」を祝うようになったのは、2010年からです。企画したのは、8年ほど前に川口教会に来た、ベトナム人のシスター、マリア・ランさん。マリアさん自身、ベトナム戦争終結後の混乱の中、1989年に難民として逃れてきました。教会に来る、同じような難民のベトナム人の「子供たち」のことが、川口に赴任してすぐに「お正月」を始めたきっかけだそうです。マリアさんは「私たちはベトナムから、ボートピープルとして、日本に来ました。そして、日本で生まれ育った子供たちはベトナムの文化がわかりません。自分の両親の文化を知ってもらおうと、私はここに来てから毎年、ベトナムのお正月と中秋の祭を計画して準備しています」と説明します。カトリック川口教会では、ベトナムの「秋のお祭り」も開いているほか、日本で生まれ育った子供たち向けのベトナム語教室も開いています。

ミサが終わった後、マリアさんと子供たちが日本語とベトナム語で新年のあいさつをしました。その後、龍の踊りや子供たち、若者たちによる、さまざまなダンスや歌が披露されました。お正月の運営を手伝っているのも、お正月を楽しんでいるのも、多くは留学生や技能実習生など最近来日した若いベトナム人たちです。教会の庭ではベトナム料理、フォーというお米の麺やバインミーというフランスパン、そしてベトナムのお正月には欠かせない「ちまき(バインチュン)」も売っていて、賑わっていた。ベトナム人の若い女性に声をかけると「バインチュンはもち米から作ります。正月の特別なものです。何時間も煮て、たぶん6時間ぐらいかかります」と説明してくれました。また、ベトナム人の友達に誘われたという日本人の男性は「日本とはお正月の日にちが違って、ここにいる友達が、ベトナムの雰囲気を味わえるということを教えてくれたので、来たら、本当にベトナムでした。彼女は留学生なので、なかなか向こうに帰ることができないので、ここに来て、たまにはベトナムっぽいことでもということのようです」と話します。近くにいた、その友達の留学生の女性は「ベトナム人がいっぱいいて、どこでもベトナム語聞こえて、すごく楽しいです」とこの日を満喫しているようでした。

厚生労働省によりますと、去年の10月時点で、外国人労働者のおよそ2割、24万人がベトナムからの技能実習生や、アルバイトをする留学生です。その前の年に比べ40パーセント増、働くベトナム人は急増しています。「最初はお正月をやっても、留学生も技能実習生もほとんど来なかったんです」というマリアさんですが、「子供たちだけでなくて、国を離れている若者も来るようになりました。特にベトナムの正月、みんな家庭集まって一緒にお祝いするんですが、青年たちは日本に来て、ほとんど一人ですよね。だから、この教会でお正月を祝うことがわかって、みんなここに来て、一緒にお祝いすることになったんです」と話します。

技能実習生については、日本に来る前に聞いていたのとは違う、賃金などの待遇や、仕事の内容、職場での怪我や差別など様々な問題が指摘されています。留学生のアルバイトも同様です。カトリック川口教会では若者たちを対象に、生活相談を行なって、様々な課題の解決を探り、日本語教室も開いています。

日本社会は確実に外国人労働に依存する社会になりつつあります。拠り所としてこういう場はますます必要になりますし、日本人も楽しく交流する中で、課題に気づき、解決する方向につながってほしいと、崎山記者もあらためて感じました。