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公文書を公開することで官僚は信頼される。そういうプレッシャーをもっとかけなければいけない / 瀬畑源さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
3月31日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、公文書管理の問題に詳しい長野県短期大学准教授・瀬畑源(せばた・はじめ)さんをお迎えしました。森友・加計問題、南スーダンPKO日報問題、豊洲市場問題…様々な問題に公文書が絡んでいます。

瀬畑源さん

瀬畑さんは1976年、東京都生まれ。本業は戦後の象徴天皇制がご専門の歴史研究者で、大学院時代に研究に必要な資料を宮内庁に情報公開請求しているうちに公文書と深く関わるようになりました。そして、日本では公文書が簡単に捨てられたり、そもそも作られていないことが多いということを身をもって知ったのです。そこで、なぜ公文書がまともに残されてこなかったのかを調べ始め、その歴史的な背景を2006年からブログで発信してきました。

瀬畑さんの著書

ようやく「公文書管理法」が作られたのは2009年、施行は2011年。その後、公文書のずさんな管理が次々と表面化するなかで、今年(2018年)2月に『公文書問題 日本の「闇」の核心』という新書を出版。するとちょうどそのタイミングで森友学園への国有地売却についての決裁文書が改ざんされていたという話が出てきました。

スタジオ風景

そもそも公文書は公務員が職務を遂行するために作られるものです。「文書主義」といって公務員は文書によって動いているです。組織として文書を作り、稟議というかたちでハンコをついていくことでいろいろなことを決定しています。それが決裁文書とういもの。それを書き換えてしまうということは、自分たちの仕事の根本になるものを壊していることと同じです。

また、公文書の公開を求めると「もう捨ててしまって、ない」ということもよく聞きます。これは私たちが不利益を被るばかりでなく、実は、官僚たちにとっても不利益なことです。自分たちを守るものがなくなってしまうからです。官僚たちにとって公文書は自分たちはきちんと仕事をしたことを証明するものなのです。どうして公文書を軽視するようなことが横行しているのでしょうか。

瀬畑源さん

「官僚たちにとって必要なものというのは決裁文書。行政は決まったことに基づいて動くからです。だから彼らは最後に決定したことは文書に残しますが、その決定に至るまでどのような議論や検討があったのかという途中過程は意外と残されません。一方、私たちが知りたいと思うのはプロセスです。行政が決めたことに不満や疑問を持った場合、どうしてそういう決定に至ったのかが知りたくなります。それを説明する責任が官僚にはあります。でも官僚にとってプロセスは残す必要のないものだから捨てる、という考えなのです。そういう感覚が明治以降つい最近まで残っていました。それをどうにかしなければいけないということで、2000年代になって情報公開法や公文書管理法がやっとできてくるんです」(瀬畑さん)

久米宏さん

こうした法律ができるまで日本の官僚は、自分たちが作った文書は自分たちのものだと思ってきました。そして、そういう意識で管理が行われていました。ですから日本では、国民に対する説明責任という考え方が極めて弱かったのです。

スタジオ風景

「このところの公文書をめぐる問題を受けて、さらに文書が書かれなくなるとか、作られなくなるといった負の教訓を得る人が出てくる可能性はあります。でも本当は、行政のプロセスをきちんと残して公開しましょうということです。そしてそのうえできちんと議論して、良かったのか悪かったのか判断しましょうという方向に行くことが本来の望ましい姿です。それが民主主義というものです。公文書を公開することによって官僚は信頼を得られるんだというプレッシャーを市民の側からかけることが重要です。アメリカでは市民からのそういう突き上げによって公文書管理や情報公開が徹底されています。日本はまだそのへんが弱いですね。そのように社会が変わっていかないと、結局また同じことが起きてしまいます。それがすごく心配です」(瀬畑さん)

瀬畑源さんのご感想

瀬畑源さん

父親が「ニュースステーション」をずっと見ていて僕は久米さんの顔を見て育ってきましたから、今回直接お話することになって自分でもびっくりしています。久米さんには僕の本をきちんと読んでくださって非常にありがたいです。

この頃のいろいろな問題は、どれも公文書の問題から発しているということに気がつくと、みんなつながって見えてくると思います。いま騒がれている森友・加計問題だけでなく、強制不妊手術を認めた旧優生保護法の問題もそうですし、3.11東日本大震災では原子力災害対策本部が議事録を作っていませんでした。「この国の公文書はどこまで残っているのか」という補助線を1本引いてみると、いろんなこととリンクしていることに気づいて、ああ、そういうことだったのかと思うでしょう。そして、それらが民主主義の根幹に関わっているのだと思います。今日はありがとうございました。

2018年3月31日(土)放送「今週のスポットライト」、ゲスト:瀬畑源さんhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180331140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)


次回のゲストは、「のりかえ便利マップ」の発明者・福井泰代さん

4月7日の「今週のスポットライト」には、東京の地下鉄の駅に掲示されている「のりかえ便利マップ」の発明者、福井泰代さんをお迎えします。発明当時は専業主婦でしたが、現在は資本金2億円のITベンチャー「株式会社ナビット」の代表として活躍中。

2018年4月7日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180407140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)