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「映画の中に登場した架空のバンド」特集(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる音楽コラム

「映画の中に登場した“架空のバンド”特集」

「映画の中に登場した架空のバンド」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180406123512

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

※以下、番組内容書き起こし by みやーん(文字起こし職人)

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお届けしたいと思います! 「映画に登場する架空のバンド特集」。皆さん、『スパイナル・タップ』というカルト的な人気を誇る映画をご存知でしょうか?

【ジェーン・スー】
うん、名前だけは聞いたことがあるよ。

【高橋芳朗】
1984年に公開された架空のヘビーメタルバンドのツアーを追ったモキュメンタリーですね。その『スパイナル・タップ』がなんと、6月16日より日本の劇場で初めて公開されることになりまして。それに合わせて今回こんな企画を考えてみたというわけです。もう魅力的なバンドが山ほどあるから20組ぐらい紹介したいところなんですけど、血を吐きながら5組にまで絞り込みました。ランキング形式で紹介していきたいと思います。

【ジェーン・スー】
よろしくお願いします!

【高橋芳朗】
僕のラブコメ映画好き、青春映画好きが炸裂したかなり偏ったランキングになっていることをあらかじめお断りしておきます。で、曲を紹介していく前にひとつ強調しておきたいことがありまして。映画の中に登場する架空のバンドなんて本当に数えきれないほど存在しているわけですけど、本来フィクションのバンドに説得力を持たせるのはめちゃくちゃ難しいことなんですよ。

【ジェーン・スー】
そうだよね。実際にはいないんだもんね。

【高橋芳朗】
たとえばバンドのサクセスストーリーだったり、そのバンドを軸にした青春ドラマだったりした場合、彼らの歌う曲のクオリティが映画の出来に思いっきり直結するんですよ。要は、名曲を作らなくちゃいけない。なので今回は、そんな難題をクリアしてみせた職人芸の数々を楽しんでいただけたらと思います。じゃあいってみましょう!

【ジェーン・スー】
いってみよう!

【高橋芳朗】
「映画に登場する架空のバンド」トップ5、まずは第5位から!

M1 PoP! Goes My Heart / PoP!

PoP! Goes My Heart
【高橋芳朗】
第5位は映画『ラブソングができるまで』から、PoP!の「PoP! Goes My Heart」。『ラブソングができるまで』は2007年に公開されたヒュー・グラントとドリュー・バリモアが主演のラブコメ映画。主演のヒュー・グラントが80年代に一世を風靡したバンド、PoP!のメンバーという設定になっています。これ、おそらくワム!をモチーフにしているのかな?

【ジェーン・スー】
完全にそうだね。

【高橋芳朗】
この曲はそのヒュー・グラント自身がボーカルを取っています。なんでも堀井さん、この曲が大好きなんだそうで。

【堀井美香】
大好きです!

【ジェーン・スー】
この映画自体が好きなんでしょ?

【堀井美香】
(ノリノリで曲に合わせて)「ポップ!」

【高橋芳朗】
フフフフフ。

【ジェーン・スー】
実はこの映画、ヨシくんと私がGQのウェブ版でやっているラブコメ映画の連載でも取り上げているんです。これ、結構好きな人多いんだよね。

【堀井美香】
うんうん!

【ジェーン・スー】
いいよねー!

【堀井美香】
いい男がどんどん出てくるんですよね。

【高橋芳朗】
堀井さんのツボがどこにあるかわかりません! 続いて第4位!

M2 That Thing You Do! / The Wonders

That Thing You Do!
【高橋芳朗】
第4位は映画『すべてをあなたに』から、ザ・ワンダーズの「That Thing You Do!」。『すべてをあなたに』は1996年に公開されたトム・ハンクスの初監督映画作品。ビートルズがアメリカに上陸した1964年のアメリカの田舎町を舞台に、彼らに憧れる若者たちが結成したザ・ワンダーズのサクセスストーリーを描いた青春映画です。

【ジェーン・スー】
この曲、めちゃめちゃ覚えてる!

【高橋芳朗】
そうそう。いろんなアーティストにカバーされてるんですよ。

【ジェーン・スー】
そっかー。めっちゃいい曲だよね!

【高橋芳朗】
さっき話した「名曲を作れ!」のリクエストにきっtり応えた曲と言っていいでしょうね。続いて第3位!

M3 3 Small Words / Josie & The Pussycats

3 small words [Single-CD]
【高橋芳朗】
第3位は映画『プッシーキャッツ』より、ジョシー&ザ・プッシーキャッツの「3 Small Words」。『プッシーキャッツ』は2001年の公開。女の子3人組のロックンロールバンド、ジョシー&ザ・プッシーキャッツの活躍を描いたコメディー映画です。70年代にアメリカで放映されていたテレビアニメ『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』の実写映画化ですね。主演はラックスのCMでもおなじみレイチェル・リー・クック。まあ、歌はアフレコなんですけどね。ちなみにこの曲、R&Bシンガー/プロデューサーのベイビーフェイスの作。

【ジェーン・スー】
ええーっ、天才! なんでもできちゃうんだねー。

【高橋芳朗】
そういうわけで5位から3位までをフラッシュで紹介しました。2位以降はちゃんと曲を聴いてもらいましょうかね。じゃあさっそく第2位!

【ジェーン・スー】
いっちゃう?

【高橋芳朗】
第2位は2013年公開の作品ですね。ジョン・カーニー監督、キーラ・ナイトレイ主演の『はじまりのうた』からグレタ・ジェームズが歌う「Tell Me If You Wanna Go Home」。こちら、ボーカルは主人公グレタを演じるキーラ・ナイトレイが自ら歌っています。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
映画のあらすじを紹介しますね。「恋人に裏切られて失意のままライブハウスで歌っていた女性シンガーソングライターのグレタ・ジェームスが、落ち目の音楽プロデューサーに誘われてアルバムを制作することを決意。ニューヨークの街角で次々とゲリラレコーディングを敢行していく」というヒューマンドラマ。いま話したように、グレタはアルバムの制作費がないからプロデューサーの勧めもあってニューヨークの街の至るところでフィールドレコーディングを行うんです。ブルックリン橋のふもとだったり、地下鉄の駅構内だったり、路地裏だったり、セントラルパークの池に浮かべたボートの上だったり。で、これがまさに「街と音楽」「生活のなかの音楽」が映画のひとつの重要なテーマになってるんですよ。劇中にはこんなセリフがあります。「音楽は魔法だ。平凡な風景が意味のあるものに変わる。陳腐でつまらない景色が美しく光り輝く真珠になるんだ」。

【ジェーン・スー】
うん。

【高橋芳朗】
このメッセージ、僕自身も『生活は踊る』の選曲を担当するにあたってものすごく影響を受けました。とにかく素敵なシーンの連続なんですけど、特にエンパイアステートビル近くの古いビルの屋上で夜中に演奏する「Tell Me If You Wanna Go Home」は「だから音楽は最高なんだ!」っていう理由になるような名場面です。

M4 Tell Me If You Wanna Go Home (Rooftop Mix) / Gretta James

Tell Me If You Wanna Go Home
【高橋芳朗】
これは「Rooftop Mix」、スタジオバージョンではなく劇中の屋上で演奏しているバージョンで聴いていただきました。めちゃくちゃ甘酸っぱいでしょ?

【ジェーン・スー】
うん、嫌な気分になる人は誰もいない曲だね。

【高橋芳朗】
じゃあ、いよいよ第1位にいってみたいと思います。1位は2016年公開、『はじまりのうた』と同じジョン・カーニー監督の映画『シング・ストリート 未来へのうた』よりシング・ストリートの「Drive It Like You Stole It」です!

【ジェーン・スー】
おー!

【高橋芳朗】
結局、上位2作品がジョン・カーニー監督作品になりました。ジョン・カーニー監督は出世作の『ONCE ダブリンの街角で』も含めて、もう音楽映画の名手といっていいでしょう。チャーミングなフィクションバンドをつくらせたら現状ナンバーワンなんじゃないですかね。きっと、自らプロのバンドの一員として活動していた経験が活きているんでしょう。

【ジェーン・スー】
なるほど。

【高橋芳朗】
映画のあらすじを紹介します。「1980年代のアイルランド・ダブリンを舞台に、さえない日々を送る14歳の少年コナーが一目ぼれした少女を振り向かせるためにバンド、シング・ストリートを結成。音楽活動に没頭する姿を描く」という青春映画。ボーカルは主人公のコナーを演じる当時16歳のフェルディア・ウォルシュ=ピーロくんが担当しています。この映画のバンド描写でおもしろいのは、そのときどきのバンドメンバーの好きな曲が彼らがつくるオリジナル曲に思いっきり反映されるんですよ。ちゃんと「あの曲に影響受けてこの曲をつくったのね」というのがわかる構成になってるんです。この「Drive It Like You Stole It」はホール&オーツの「Maneater」にインスパイアされてつくった曲で……ちょっと「Maneater」のイントロ歌ってもらえますか?

【ジェーン・スー】
ドゥッドゥルッ、ドゥッドゥードゥドゥール♪

【高橋芳朗】
そうそう。モータウンのリズムですね。このモータウンのリズムを引用しながら……。

【ジェーン・スー】
あれ? いま私ちがう曲を歌ってる?

【高橋芳朗】
あ、それは「Part Time Lover」(スティーヴィー・ワンダー)だね。まあ、似たようなものだから(笑)。

【ジェーン・スー】
フフフフフ。

【高橋芳朗】
というわけで、モータウンのリズムを引用しながら80’sポップの本質もばっちり押さえた完璧な仕上がりの曲です!

M5 Drive It Like You Stole It / Sing Street

シング・ストリート 未来へのうた
【ジェーン・スー】
いやー、今回は堀井さんも含めて好きな曲が何曲もかかってうれしかった!

【堀井美香】
うん、よかったー。楽しかったです!

【高橋芳朗】
計5曲、どれも映画本編も素晴らしいのでぜひご覧になっていただけますと。6月16日から公開の『スパイナル・タップ』もめちゃくちゃおもしろいのでぜひ!

【ジェーン・スー】
これ、ちょっと見に行かないとだね!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア(稀に邦楽も選曲)。最新1週間のリストは以下です。

4/2(月)

(11:05) Hey Nineteen / Steely Dan
(11:35) How Can We Go On / Nicolette Larson
(11:40) Never Be The Same / Christopher Cross
(12:10) Please Don’t Leave / Lauren Wood
(12:20) Let Me Know If It’s Over / Paul Davis
(12:47) The Big House /  Stephen Bishop

4/3(火)

(11:05) Nothing From Nothing / Billy Preston
(11:21) She’s a Rhythm Child / Jackson 5
(11:33) Rockin’ Soul / The Hues Corporation
(11:40) You Got To Be The One / Chi-Lites
(12:11) (Remember The Days Of) The Old Schoolyard / Linda Lewis
(12:23) Look Through My Eyes / Rufus featuring Chaka Khan
(12:52) 瞑想 / 尾崎亜美

4/4(水)

(11:06) Love So Fine / Roger Nicholes & Small Circle of Friends
(11:24) Someday Man / The Monkees
(11:38) I Kept On Loving You〜愛しつづけて〜 / Carpenters
(12:16) Out In The Country / Three Dog Night
(12:49) We’ve Only Just Begun〜愛のプレリュード〜 / Mark Lindsay

4/5(木)

(11:06) Take It Easy My Brother Charles / Jorge Ben
(11:22) Que Pena / Gal Costa & Caetano Veloso
(11:33) O Cravo Brigou Com a Rosa / Claudette Soares
(12:09) Zazueira / Wilson Simonal
(12:20) Carolina, Carol Bela / Os Brazoes
(12:48) Cade Tereza / Os Originais do Samba

4/6(金)

(11:04) Hit and Run / Loleatta Holloway
(11:24) Dr. Love / First Choice
(11:35) My Love Is Free / Double Exposure
(12:11) So Much for Love / Moment of Truth