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グーグル、ヤフー、マイクロソフト…いつも見ているその情報、集めているのは全国5万8千人の主婦調査員

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
4月7日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、駅のホームでよく見る「のりかえ便利マップ」の発明者・福井泰代さんをお迎えしました。趣味的に発明を始めた福井さんですが、今や様々な企業や自治体が頼りにしているデータ調査会社の社長です。

福井泰代さん

神奈川県箱根町の旅館の娘として生まれた福井さんは大学卒業後、キャノン販売(現・キャノンマーケティング)に就職。91年に結婚・出産を機に退職し、専業主婦になりました。2人目の子がまだ赤ちゃんだったとき、すぐにおしゃぶりを落としてしまうので、ヒモを通して耳にかけるようにしてみました。「それ、面白いから特許を取ってみたら」と言われた福井さんは、発明に興味を持ち、発明学会のセミナーを受けます。そこから「のりかえ便利マップ」の考案につながるのです。

福井さんのノート

小さい2人の子供を連れてJR西日暮里の駅に行ったときに、当時はまだエスカレーターやエレベーターがなく、とても困った経験をした福井さんの頭に、発明学会で教えられた言葉がよぎりました。「不便だと感じたら、そこにビジネスチャンスがあると思え」。駅の構内はどこに何があるのか、電車の何両目に乗ると階段や出口に近いのか、ということが一目でわかる「のりかえ便利マップ」のアイデアを思いついた福井さんは、東京都内の地下鉄256駅をひとりで5ヵ月かけて調べ上げ、のりかえマップの原型をついに完成させたのです。

乗り換え便利マップ

マップを発明した当時は25歳の専業主婦。その1年後に会社を作って売り込みをかけ、1998年に東京の地下鉄で初めて採用されました。2001年、35歳で「株式会社ナビット」を設立し、便利マップの事業を拡大。駅や空港の建物内のマップも開発し、今では全国70%以上のシェアを誇ります。マップは鉄道会社や空港が作っているものだと思っていませんでしたか? しかも驚くのは、マップを作るための綿密な調査は専門のスタッフなどではなく普通の主婦たちなんです。ナビットでは5万8千人の主婦たちのネットワークを作って、「地域特派員」として全国各地の駅や空港を調査してもらっているのです。スマホやパソコンで検索すると駅構内の様子が詳しく出てきますよね。あれは全国の主婦パワーを結集させたものだったのです。

5万8千人もの地域特派員の90%以上が、小さい子供を持った主婦。特に子供がまだ小学3年生以下だと留守番もできないので、なかなかパートにも出られません。でも、近所の駅を調べることならできるという主婦は多いのです。そこに目を付けた福井さんは「調査の仕事でひと月3万円のお小遣い。1年頑張って家族でグァム旅行へ行こう!」というキャッチフレーズで地域特派員を募集すると、これが大成功。全国の主婦たちがどっと集まったそうです。

スタジオ風景

この主婦パワーを駆使して、ナビットではあらゆる生活情報を調査し、データベースにしています。ナビットが収集する情報は様々な企業が買って、利用されています。例えばグーグルで会社や建物を地図検索すると、住所や電話番号も一緒に出てきます。あの基礎データを作っているのはナビットの地域特派員、つまり主婦たちなんです。グーグルはナビットのデータをずっと利用しているんだそうです。

それから、スマートフォンや雑誌などでよく見るお花見情報なども、実はナビットに登録した主婦たちが足を使って調べたデータが使われているんです。ほかにも、紅葉の色づき情報、積雪情報、海水浴情報、果物狩り情報、イルミネーション情報、お祭りカレンダー、花火大会情報、夜景スポットなどなど。どれもあったら便利な情報だけれど、調べるのは面倒で、しかも頻繁に調査する必要があるもの。こうした調査にこそ、全国の主婦パワーが発揮されるのだそうです。

ほかにも、全国のガソリンスタンド情報(最近どんどん減っているのでドライバーたちは探すのが大変)とか、全国の学校データや病院データなどは、カーナビのソフト会社がナビットから購入して利用しています。

スタジオ風景

最近、エレベーターやバスの中などにある小さなモニターで「簡単料理レシピ(写真付き)」、「今日の知恵袋」「今日は何の日」「今日の節約術」「家事の雑学」「人に話したくなる雑学」「健康ひとことアドバイス」「今日の花言葉」「今日の難読漢字」といったちょっとした生活情報が流れているのを見たことはありませんか。実はあれも、全国の主婦たちが作っているのだそうです。

さらに、インターネットの分譲マンション物件検索サイトで使われているマンションの写真。あれもなんと主婦たちが新しい物件ができると撮影してナビットに送っているもの。それを不動産業者やサイト運営会社が利用していたんです。おそるべし主婦パワー、おそるべしナビット。

久米宏さん

こうしたナビットのデータは、グーグル、ヤフー、マイクロソフト…あげればキリがないほど様々な企業が利用しています。つまり、私たちは毎日どこかで、ナビットのデータベースにお世話になっていたんです。しかも、そのことにほとんどの人が気づいていません。こんなすごい企業に成長したナビットの代表を務める福井さんですが、お話してみるととても朗らかで、どこにでもいる主婦といった感じの方でした。

福井泰代さんのご感想

福井泰代さん

久米さんから想定外の質問がたくさんあって楽しかったです。うちのことをすごく調べていただいたみたいで、びっくりしました、とてもよくご存知で。堀井さんも「Sohos-Style」(ナビットの在宅ワーク検索サイト「ソーホースタイル」)のことまでご存じで、本当にありがたいです。

TBSに同行したうちの顧問や広報のことも放送で触れたり、主人の話まで出てきて、汗びっしょりです。主人がいちばんびっくりしてるんじゃないですかね。実家の旅館の名前も出していただいて、きっと大喜びしていると思います。久米さんは本当に予測不可能でした。ありがとうございました。

今週のスポットライト「(株)ナビット代表・福井泰代さん」を聴く

次回のゲストは、写真家・高杉記子さん

4月14日の「今週のスポットライト」には、写真家の高杉記子(たかすぎ・のりこ)さん。東日本大震災、福島第一原発事故のあとも南相馬市で伝統行事「相馬野馬追」を守り続ける人たちを8年間、撮り続けています。

2018年4月14日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180414140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)