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爆音映画になんでそんなに人が集まるの?

森本毅郎 スタンバイ!

森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

 

忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。4月12日(火)はレポーター近堂かおりが『爆音映画になんでそんなに人が集まるの?』をテーマに取材しました!

現場にアタック(近堂かおり)

現場にアタックレポーターの近堂かおり

今、映画館まで足を運んで映画を観る人がなかなか増えないといわれる中で、東京の郊外・立川の映画館に、驚くぐらい人が集まっているといいます。それは「立川シネマシティ」。大手ではない、立川にひとつだけある独立系の映画館。去年6月に上映した「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を再上映。
「マッドマックス」は全編ほぼアクションとバイオレンス。巨大なタンクローリーと武装したクルマやバイクが、砂漠でひたすらカーチェイス。それを通常よりはるかに大きな音にした「爆音上映」で、ものすごい集客をしている、というのです。では、その「爆音上映」・・・どんなものなのか。立川シネマシティの企画室・遠山武志さんに伺いました。

★6千万円のスピーカーを追加導入!!!

遠山武志さん
この「マッドマックス」は去年6月に公開を始めた時に、この作品の「マッドぶり」に応じようということで、ドームやアリーナクラスの会場に入れるサブ・ウーハーという重低音専門のスピーカーを新しく導入して上映を行ったのがすごく話題になりさらにサウンドのクオリティを上げてお送りしようということでラインアレイ・スピーカーという、いくつかのスピーカーがタテに組み合わさったスピーカーなんですけど、シネマシティで導入しているのは映画用というより、音楽用のスピーカーを入れていますので、こういうタイプを導入したというのはおそらく世界でも初めてかもしれませんね。

ドームで使うようなスピーカーを?映画館に入れた???すごく広いの?と思いますよね?(笑)ところが、決して広くはない劇場(約380席)にスピーカーをこれでもかというくらい積み上げました!まず、去年公開の時に、低音を専門に出すコンサートホール用のサブウーハー、数百万円のものをマッドマックスのために購入。さらに今年に入って再び爆音を強化。6千万円のスピーカーを追加購入。(遠山さんはマッド化の強化、と言ってました!笑)ちょっと映画館のスピーカーという概念ではあり得ない金額だといいますが、これで、合計23個のスピーカーがスクリーンの真裏と左右に積み上げられました。

★MADな爆音をラジオでお伝え・・・できるかな?

その「爆音」、皆さんにもぜひお伝えしようと、きのう立川に行って聞いてきました!音が身体にぶつかってくると感じるほどのとにかくものすごい迫力だが、これをラジオで伝えるのが難しい。そのままの爆音だと、おそらく聞いている皆さんは、ラジオが壊れたと思ってしまう。かといって聞きやすいように調整すると、それはただの映画の音になってしまう・・・。あ!いいものがありました!!劇場の入口の扉。あの分厚くて大きな扉が「爆音」でビリビリ震えているのです!そこで、遠山さんの許可を得て、扉の外に出て録音した音を放送でお聞かせしましたが、本当に人が手でガタガタ動かしているような、揺れなのです。いかに「爆音」がすごい音圧か、お分かりいただけますか?この爆音が評判を呼んで、再上映の今は一日2回上映しているのですが、去年初公開の時に一日5回やっていたときよりお客さんが入っているというのですから、驚きです。
映画館に来ていたお客さんたちの感想を伺いました。

★12回目です。有給です。充分です!

(30代男性)元々「マッドマックス」はDVDで観たんですけど、過激だったり爆発とか、これは大きい音で見たほうが絶対面白かったな、なんで映画館で観な かったんだろうって激しく後悔していたんで、今日は「この日のために」みたいな感じで有給取って来ました。
(20代女性)以前「レ・ミゼラブル」の爆音上映に来たことがあってすごくよかったので、この作品は初めてなんですけどこの映画館で観たいなと思って来ました。
(60代男性)すごかったです。いやいや、驚きました。座席が震えているみたいな感じがしたけど、ここまでしなくてもいいような気がするけど(笑)
(20代女性)12回観てます。関西からここ(立川)まで来て観たんですけど、前も一回「爆音」に来たんですけど、もう一回。スピーカーのすごく高いものが、前は真ん中だけだったんですけど、それが両サイドに増えていて、もうライブ会場みたいな感じで。イスもガタガタ揺れるぐらいだし、世界観に浸る感じで、感無量です。

すでに公開から1年が経って、DVDも出ているのに、まだ人が増えているという・・・。それにしても、音を大きくすることで、そんなにお客さんが来るものなのでしょうか?「爆音」を企画した遠山さんは、爆音がなぜこんなに人を引き付けるのか、こう話します。

遠山武志さん
「マッドマックス」は人間ドラマがなくて、プリミティブな(単純な)ドラマがどんどん続いていて、爆発・アクションという感じなので、割と音楽ライブの体感に近いんじゃないかなと思います。本当に繰り返し見たくなるという方が続出していて、それのお陰でということはかなりあると思います。

派手な爆発シーンがほとんどで難しいストーリーはないから、いわば音楽ライブ?とすると、「爆音」で観るのにいいのは、やはりマッドマックスみたいな映画だけ??と思ってしまいます。ところが、実は「爆音」は普通の映画、むしろ静かな映画の方がいいという人がいました。立川シネマシティよりも早く、もう10年以上前から、『爆音映画祭』を企画して今も全国各地の映画館で上映会を開催している、映画評論家の樋口泰人さんのお話。

★爆音は映画館を救う???

樋口泰人さん
実は爆音にして面白いのはあえて小さな音の映画を選んでみると、小さい音の中にいろんな情報が詰まっているんです。つまり映画って見えるものを観ているんですけど、見えないものも観ている。例えば『プライベート・ライアン』だと、地鳴りのような音が果たして戦車の音なのか・・・。物語として見ていると近づいてくる戦車の音なんですけど、そうじゃない音なんじゃないかということも思う。例えば世界が壊れる音だと感じることもできると思うし。今年の8月に、見えないものの音を聞くための爆音というのを検討中なんです。

樋口さんは、大音量の爆音も楽しいが、普通なら聞こえない、「映画の中にひそんでいる音」を聞く、それこそが爆音の面白さと話します。また、爆音上映会は実は地方の単館の映画館にこそ向いているとおっしゃいます。というのも、スクリーンをいくつも持つ映画館だと、1ヵ所を爆音にするとほかのスクリーンに影響してしまうから、上映スケジュールを変更しなければならないケースも出てくる可能性もありますが、その点、単館なら心置きなく大きな音が出せる。実際「爆音上映」は、地方の映画館で人気が出始めているといいます。
そう考えると、意外と、地方の小さな映画館復活のカギになるかもしれません。

(取材・レポート:近堂かおり)


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