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AV女優の人権問題に取り組む「AV人権倫理機構」が発足▼人権TODAY(2018年4月07日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

AV人権倫理機構

社会問題にもなっている「出演強要」問題

数年前からAV、アダルトビデオへの「出演強要」が問題になっています。本人が望んでいないのにAVに出演させられたり、拒否をして法外な違約金を請求された女性の被害が報告され、警察や政府が対策会議を開いたり大きな社会問題になりました。

こうした問題に対処しようと昨年、AV業界が新しい団体「AV人権倫理機構」を設立しました。今回はその機構の取組みを紹介します。
「AV人権倫理機構」は憲法学者や法社会学者、弁護士などが理事となり、人権侵害や労働被害のない環境でAV製作ができるよう新しいルールを決め機構の会員の200社以上のメーカー、20社以上のモデルプロダクションと、出演者などが共有する仕組みを作っています。

AV人権倫理機構の代表理事で憲法学者の志田陽子さん

「AV出演強要問題が社会で広く話題となって憂慮されるところとなったことから業界自身が襟を正してきちんと人権を守ったルールを共有してやっていかないと社会的に許されないということで、昨年の10月から「AV人権倫理機構」という名前になり、ルール策定とその共有のための仕組み作りをやって来たんですね」

そもそも「出演強要問題」とは、具体的にどんな問題なのか

「強要」という言葉からは、脅されて出演させられる、あるいは辞めさせないイメージが浮かびますが、機構の調べによると、そうしたケースばかりではなく、出演するAVの内容をきちんと説明されないままサインした、これは嫌という条件を出演者がはっきり言えなかったなど相談の内容は多岐にわたっていて、警察では対応できないようなケースも少なくありませんでした。また出演したAVが発売やネット配信されたあとで、事情が変わったため作品を削除して欲しいとの訴えもあり窓口になっている人権団体は、相談件数は100件を超えたとしています。

そこで「AV人権倫理機構」は、最初の取組みとして「出演強要」に限らず、結婚や就職、家族や彼氏に知られたなど、過去のAV出演歴で困っている場合出演した本人が作品の配信停止、販売停止の申請ができる仕組みを作りました。この申請は、「AV人権倫理機構」のホームページに専用のページがあり、そこから申請書をダウンロードして手続きができます。すでに申請受付は始まっていて、20件を超す申請が届いているそうです。実際に配信・販売停止になるまでに機構の理事らによる審査がありますが、出演者本人が申請して、発売からある程度時間が経っている作品は基本的に受け付ける方針ということです。

機構は、ほかにも様々な新ルールをこの4月から、会員として参加するメーカー、プロダクションに義務づけました。たとえば出演者がプロダクションと契約する際の重要事項の説明義務や、機構が用意した共通契約書の採用、報酬など金銭面の開示などがあります。また、AVの撮影から5年6ヶ月で、申し出があった作品の使用停止を行うそうです。こうしたルールはこれまでAV業界にはなく、かなり思い切ったものと思います。

AV人権倫理機構の代表理事で憲法学者の志田陽子さん

「女優さんの人権をまず守ろうと。出演強要問題から入りましたけれども、女優さんの名前や顔、パブリシティの権利とか、そのルールやプロセスを守って作成したAVのことを「適正AV」と呼ぼうと。「適正AV」と呼ばれたものについては社会的な信頼を得られるようにしてゆく、業界関係の方々はその「適正AV」のルールの枠組みの中に入っていただくということです」

「適正AV」という新しい枠組み

機構の理事の方たちはこうした「適正AV」の枠組みを広めて、AVであっても出演者に強要や金銭的な搾取のような人権侵害がないことを担保していきたいとしていました。AVなどポルノ作品の存在そのものについて、リスナーの皆さんの意見も賛否が分かれると思いますが、現在、合法的に流通しているAV作品については、業界が結束して適正化に取組んでいます。

ただ、こうした「適正」をめざす業界とは別に、女性を騙して個人でポルノ動画を撮影して販売したり、コピー動画など非合法な映像を配信しようとする勢力もなくなっていません。そうしたブラックな勢力の映像には
「適正AV」のルールは及ばないので今回レポートしたようなAV業界の取組みがあると過信せずネット上の募集や路上スカウトなどには注意が必要です。

この4月からひとり暮らしを始める方も多いと思います。声をかけてくる中に、悪質な誘いもあると思いますから、充分注意して欲しいですね。そしてこれは「AV倫理人権機構」の取組みとは離れますが、機構の理事で、カルト問題や消費者問題などにも詳しい山口貴士弁護士から、「適正AV」ではない、怪しいスカウトや募集を見分ける方法を聞きました。

山口貴士理事

「騙す側の立場になって考えると、まず相手に考える時間を与えない。即断即決を迫るところは要注意だと思います。もうひとつ言えるのは、ほかの人に相談したいって言って、拒むところはおかしいです。AVのモデルになるという話にしても、セミナー受けないかという勧誘でも教材売りつけようとする話にしても、このふたつの点を押さえておけば、かなり騙されにくくなると思います」

山口さんは「即断即決を迫る話、ほかの人への相談を拒む話は怪しいと思ったほうがいい」とも話していました。AV出演や作品の配信、販売に関して相談のある方は、「AV人権倫理機構」のHPに問い合わせのメールフォームがありますのでお問い合わせください。

AV人権倫理機構ホームページ https://www.avjinken.jp/

(担当:藤木TDC)