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紀元前から変わっていない測量システムが大進化

森本毅郎 スタンバイ!

高さなどを測る「測量」が、大きく変わるかもしれません。それがなんと数千年ぶり!ということで、どういうことなのか?4月23日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

道路などでよく見かける測量。今まで測量士の方は、80メートルごとに土地の高低差を測っており、「水準測量」という仕組みを長年使って、日本中の標高を決めていました。その「水準測量」という方式に変化が出てきているそうなんです。国土地理院・物理測地課長の矢萩智裕さんのお話です。

★ピラミッドにも採用された伝統の測量方法が変わる!?

国土地理院・物理測地課長 矢萩智裕さん
これまで日本の高さを水準測量で決めていたものを、GPSとか衛生測位で決めれるような仕組みに変えていこうと考えています。実は水準測量の歴史は古くて、エジプトでピラミッドが作られた時代に水準測量の機械が見つかっていて、その頃から水準測量という技術自体は確立されていた。日本でももちろん使われていたが、これまでそれに匹敵するような他の技術がなかった。
森本毅郎スタンバイ!

紀元前3000年前、ピラミッドの測量も「水準測量」だったそうです

森本毅郎スタンバイ!

水準測量のやり方(国土地理院ホームページより)

実は、ピラミットが作られた紀元前3000年前から高さを測る仕組みは変わっていないんです。

理由は、水準測量は高さの差を求める精度が非常に高いという特徴があるから。ピラミッドは、1センチほどのズレしかなく水平を保っていると言われるほど正確で、そこからさらに測定器が進歩していき今ではミリ単位の精度で高さを求めることができるそうです。日本では135年前、1883年から国土地理院で水準測量を実施していて、日本全国の正しい高さの基準を作ってきましたが、今後はGPSを使った測定方法に変えていこうとしています。

★GPS測量で、日本中の標高を瞬時に測定

では、GPS測量になるとなにがどう良くなるのか。再び、国土地理院の矢萩さんのお話です。

国土地理院・物理測地課長 矢萩智裕さん
水準測量の課題は、短い距離では非常に正確だが、例えば日本全国の高さを決めようとすると多くの時間とお金がかかってしまう。これまでだと全国を計測するには10年くらいかかってしまっていて、その間に起きた変動をうまく反映できないという課題がありました。そして今度、GPS(衛生を使った計測)に変わると、すぐその場の高さ・標高を決めることができる仕組みに変わる。なので10年かかっていたものが、その日のうちにわかるような形になってくる。

水準測量の課題は、時間がかかること…。日本全国を計測するのに10年かかるので、例えば大きな地震の後に1メートルの変動があったとすると、正確な標高データを取り直すのに数ヶ月以上かかってしまうそうなんです。それがGPSを使うことによって1日で終わる。画期的な方法なんです。

★測量士歴15年の職人も感動!

実は、GPS測量は10年ほど前からアメリカの衛星を使って測量するというやり方が始まり、2011年からはロシア・EUの衛星も使えるようになり、さらに広まりました(アメリカの衛星を「GPS」と呼ぶので、正確には各国の衛星は「GNSS」という名称)。一瞬で測量することができるので、これはものすごい変化です。実際に測量されている測量会社さんも喜んでいるだろうと思いまして、聞いてみました。ビッグ測量設計株式会社の測量士 古川裕司さんのお話です。

ビッグ測量設計株式会社・測量士 古川裕司さん
私が初めてGPS測量をやったときは、すごいなこれ!と思いました。実際に郊外の現場では、GPSの測量器は非常に活用されていまして、ただ都心部では、ビルが多いので衛星が遮られてしまって、精度的なものなど、これから検証しなければいけなくて、都心部では不向きという事情があります。

古川さんは測量士歴15年!5年目で初めてGPS測量を使った時は、「革命だ!!」と驚いたそうですが、現状、都心部だとビルなどの影響で電波がとれないんです。携帯のように圏外の場所が多く、いつでもどこでもできるというわけではないんです。電波がとれない場所では今まで通りのやり方で測量していて一日仕事…。

★GPSの弱点を補うのは、「準天頂衛星」

電波がとれれば一瞬で終わるそうなので、せっかくの革命が都心では使えないのは非常に残念!なんですが、実は今年の11月に、さらなる革命が起きるかもしれないんです。国土地理院の矢萩さんのお話です。

国土地理院・物理測地課長 矢萩智裕さん
日本版のGPSである『準天頂衛星』がいま打ち上げられておりまして、今年の11月からサービスが始まると言われております。この衛星を使うことによって、ビルの間とか衛星が見えなくなって精度が落ちていたところを、天頂に衛星があることによって精度をあげていきましょうというのが『準天頂衛星』の目的のひとつです。

現在、日本の衛星「準天頂衛星」が4機飛ばされていて、今年の11月からその衛星が測定で使えるようになる予定。さらに衛星3機の追加も発表されていて、それを利用すれば高い建物の影響を

森本毅郎スタンバイ!

「準天頂衛星」みちびきの軌道(内閣府・宇宙開発戦略推進事務局ホームページより)

受けにくく、都心部でもGPS測量が可能になります。しかもこの衛星、日本の上にいるときはゆっくり動き、日本から外れると速く動いてまた日本の上に戻ってくる優れモノ。いつでも我々の頭上に衛星が飛んでいることになると期待されています。

紀元前3000年から使われていた仕組みが、この20年ほどで驚くほど変わろうとしている、今年は大転換期だったんです。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!