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世界初!静岡が、柿・梨・キウイの皮がつるんとむける『湯むき』を開発!

森本毅郎 スタンバイ!

若者の果物離れが指摘されているなか、静岡県が果物の新しい『むき方』を開発したというのです。どんなむき方なのでしょう??「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!

4月24日(火)は、レポーター近堂かおりが『世界初!静岡が、柿・梨・キウイの皮がつるんとむける”湯むき”を開発!』をテーマに取材してきました。

 

★世界初!エチレン処理をして湯むき!!

どんなむき方なのかお聞きしました。静岡県の農業技術研究所・果樹研究センターの村上覚さん のお話です。

村上覚さん
「これまでにトマトなどでよくやられている「湯むき」の技術があるんですけども、それを今まで湯むきができていなかったフルーツに応用してみたら、できたと。前処理として植物ホルモンのひとつのエチレンで処理してやると、そのあとに95℃で30秒の熱処理、それですぐに冷却したあとに手でむく。キウイフルーツはこの方法でできますし、むいたものはゆで卵のようにきれいなんです。あとは柿も問題なくむけます。日本梨もこれまで簡単にむく方法がなかったんですけど、これもできるということで、とりあえずこの3品目については期待をしております。」

果物の皮を手で簡単にむく方法としては、化学薬剤を使う方法や酵素を使う方法があるんですが、果物の種類によってはできないものがあったそうです。

そこで静岡県では『湯むき』に注目。トマトを熱湯にある程度つけて冷たい水の中に入れるとどうして皮がつるんと簡単にむけるのかを調べてみたら、どうもエチレンが作用していることが分かったそうです。

エチレンというのは植物が自分でつくり出している植物ホルモンの一種(化学薬品ではないので安心)。自分自身が成長するときに出る成分で、栽培農家などでは、成長促進に使われるものです。そのエチレンガスをある一定の濃度にしたところにキウイを一定の時間置いて、そのあとで湯むきしてみたら、みごとにキウイの皮が、手でむけたのです!!

日本梨、洋ナシ、桃でも成功。そして、柿も、酵素を使った方法では皮がむけなかった種類の柿(富有柿や次郎柿)が湯むきできるようになりました。

エチレン加工をして、湯むきしている様子!するすると剥けています。

手で剥いた柿!!こんな風に剥けます。みかんみたい!!

★きっかけは若い人の果物離れ!!

静岡県がこんなに一生懸命取り組んだのは、果物の皮むきや果物を食べること自体が、若い人たちに敬遠されるようになったからです。

●「なんか皮をむくのってちょっと面倒くさいじゃないですか、グレープフルーツとか。時間とか手間がかかっちゃうし、皮むいたら捨てるのが大変なので。」
●「果物? リアルに分かんない。でも、一人暮らしで果物を買って、いちごを一人で食べようとか、りんごを買って一人で食べようとか、ならなくないですか? 多いから。」
●「あれば食べるのに買いはしない。なんか面倒くさいですね。洗うじゃないですか。庖丁を使うとかが果てしなく面倒くさいです。」

街でお聞きしてみると、皮がついた状態の果物は最近食べていない方が圧倒的多数。果物がきらいなの?と聞くとみなさん『好きです』とおっしゃります。でも若い方は食べない。『フルーツって、ハードル高いッスよね』と言う人もいました。また、一人暮らしだと果物丸ごと1個は食べないという答えも多かったです。

確かに量の問題はありますよね。最近、カットフルーツがよく売られているのはこういう事情。であれば、皮を簡単にむく方法があればカット加工しやすくなって、たくさん食べられるのでは・・・つまり、消費を増やす力になるのではないか、と静岡県は考えた、というこのなのです。

★干し柿つくり業者さんの反応は!?

果樹研究センターの村上さんは、静岡の柿農家の方から『干し柿をつくるときの皮むきが大変』という声も聞いていたので、柿の湯むきも成功させました。

干し柿の加工は、生柿の収穫と同時に行うため、手が足りずに干し柿の生産量が抑えられてしまう現状もあるそうなのです。

そこでちょっと気が早いのですが、干し柿をつくっている業者さんに、この湯むきの技術について聞いてみました。

干し柿業者さん
「皮がそういうかたちでむけるというのは素晴らしい技術だと思うし、1個だけ、2個だけをみたときに『ああ、こうやってむければいいな』って思えるんですけど、かなりの量をやることになりますのでね。もう何百個、何万個、何十万個となってきますので、手むきではちょっと厳しいですね。あと、『むく』ということだけじゃなくて、その後の『干しあがり』ということ。そういう処理をしたことによって今までのやり方と違うところが出ないかなとかを考えたときに、まだやってみないと分からないなという部分は正直ありますよね。」

実は、干し柿をつくっているところは大小いろいろあって、いまお聞きいただいたのは、1シーズンに百トン、何万個もつくっているような大きなところ。そういうところは自動の皮むき機を導入しているので、簡単に手でむけるようになっても必要ないかもしれません。しかし、高額な自動皮むき機を導入できずに手作業でやっている小規模な農家の場合は、便利になるかもしれないというお話でした。

人手を抑えて、干し柿が作れれば、農家さんたちの収入アップにつながるかもしれませんよね。ただ、一方で、干し柿は皮をむいたあと、すぐ食べるのではなく天日干しする工程もあります。その工程で、味ができていくのです。そういう意味では、エチレン処理の影響で味に変化か出ないか、そこも見極めたいという話でした。

★剥皮技術の利用は、これからの課題です!

その影響など、今後の利用法について、静岡県・果樹研究センターの村上さんに伺ってみました。

村上覚さん
「(皮を)むくのに今までちょっと精いっぱいでして、利用法についてはこれからの課題かなと思っています。まあ、果物を家庭よりちょっとだけ多く取り扱っていただける料理店とかケーキ屋さんとかそういったところが実際は多いかもしれないですね。発表して数日しか経っていないのでなんとも言えませんけども、早速、ご興味のある業者さん数社から連絡がありましたのでぜひ使っていただきたいと、これから頑張って売り込んでいきたいと思います。」

まだひとつのステップを踏んだ段階なので、これからどうやって利用するのか。生産者、加工業者、消費者などと話をしながら進めていくようです。皮むきが面倒というだけでなく、一緒にたくさん食べる人がいないという核家族化や高齢化という背景もあるとは思いますが、エチレン処理は済んだ果物を、自宅で湯むきしてさっと食べる、というのは手軽でいいな~と思いました。

今後が楽しみです!

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。