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焼いも売りから年商5億円の経営者に~日本初の洗濯代行コインランドリー「WASH & FOLD」山崎美香さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
4月28日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、洗濯代行サービスで急成長しているコインランドリー「WASH & FOLD(ウオッシュ・アンド・フォールド)」を運営する株式会社アピッシュの代表・山崎美香さんをお迎えしました。

山崎美香さん

洗濯代行は日本では珍しいサービスですが、アメリカでは「WASH & FOLD」という呼び方で広く普及しています。これは「洗ってたたむ」という意味。この看板が出ているコインランドリーは、利用者が洗濯物を預けると、あとはお店の人が洗って乾燥し、たたんでくれるのです。クリーニングには出さないような下着やTシャツ、つまり自宅の洗濯機やコインランドリーで自分が洗っているような普段着は、毎日たくさんたたむのが面倒ですよね。向こうではそういう洗い物をまとめてコインランドリーに持っていって、あとはたたむところまでやってもらうというスタイルなんです。

詰め放題のバッグ

山崎さんがこのサービスを知ったのは2004年。当時はカフェを経営していて、ケータリング事業の視察でアメリカを訪れたときにたまたまコインランドリーを利用してびっくり。洗濯物をたたむのが大嫌いという山崎さんは「なにこれ、すごい!」と衝撃を受け、ケータリングのことはもうどこかへいってしまったそうです。すぐにインターネットで調べてみると、日本ではまだどこもやっていないらしいということが分かりました。山崎さんは帰国すると待っていたスタッフに「ケータリングはやめて、洗濯代行をやる!」と告げ、すぐに準備に取りかかりました。「前例がない」と言う役所を説得するのは大変だったそうですが、翌2005年、日本初の洗濯代行コインランドリー「WASH & FOLD」を東京・代々木にオープンしたのです。

ここまでの話を聞くとやり手のエリート経営者と思われるかもしれませんが、山崎さんの人生には様々な紆余曲折がありました。山崎美香さんは1968年、東京都足立区生まれ。中学時代からかなり〝やんちゃ〟だったそうで、全寮制の高校に入ったもののすぐにつまらなくなって、仲間10人と夜中に塀を飛び越え大脱走。1年も経たずに高校へは行かなくなり、アルバイトで日々をしのぐ生活が始まりました。ボウリング場で働いたときは所属プロの手ほどきを受け、プロへの道も考えましたがそれもすぐにやめて仕事を転々。自分には勤め人は無理だと悟った山崎さん、20代になると軽トラックに乗ってひとり気ままな焼きいも売り。するとその筋のプロらしき人から「もっといい仕事があるぞ」と誘いを受け、果物の移動販売に。ただし市場で何種類も買うお金はなかったので、いつも仕入れるのは1種類。あるときは桃だけ。あるときはスイカだけ。そうして少しお金がたまったら仕事をやめて仲間とつるんで遊びまわる。お金がなくなるとまた果物販売。いつも遊ぶことばかり考えていたそうです。そしてとうとう果物を仕入れるお金もなくなるぐらい遊んでしまったのです。

スタジオ風景

「近所のおじさんがスズムシを飼っていたので、それをもらって売ったんです。ペットショップで安い虫かごを買って、土を敷いてキュウリとかナスをかわいらしく置いたら、1カゴが3千円ぐらいで売れたんです。新宿の歌舞伎町とか繁華街で酔っぱらったおじさんたちが自分の子供に買っていくんです。結構、飛ぶように売れました(笑)」(山崎さん)

並外れたたくましさと商売センスです。そこに目を付けられた山崎さん、今度は高級スニーカーの通販事業にスカウトされます。当時はナイキの「エアマックス95」が大ブーム。日本より早く発売される韓国に行って大量に買い付け、それを日本で通信販売すると、1万円で買ったものが5万円ぐらいで売れたそうです。これが大当たりして、年間で2億円も稼いだのです。

「それで仕事を甘く考えてしまったんです。通販でこれだけ儲かるなら、お店を持ったらもっと儲かるんじゃないかって。それで原宿にアパレルショップを出したんですけど、これが苦労しました。当たり前なんです。通販のときは家賃10万円の小さなワンルームでしたけど、原宿のお店は家賃100万円。スタッフの給料を払ったら自分の家賃もぎりぎり。通販を続けていればよかったんですけど、やめてしまったので大変でした」(山崎さん)

その頃よく通っていた近所の喫茶店で愚痴をこぼしていると、お店のご夫婦から「自分たちはもう年だからそろそろこの店をやめようと思うんだけど、美香ちゃんやらない?」と話をもちかけられました。1990年代の後半、ちょうどカフェブームと言われ出したこともあり、山崎さんはお店を引き継いでカフェを始めました。ところがこれも思うように軌道に乗りません。若さと勢いでここまでやってきた山崎さんも、気がつけば30歳になっていました。

苦しい状況はさらに数年間続くのですが、もう山崎さんは仕事を投げ出すわけにはいかなくなっていました。カフェを始めたときに社会保険に入りたいという社員のために会社を立ち上げていたからです(それがアピッシュです)。なんとか打開策はないかと考え、新規事業として目を付けたのがケータリングでした。そのために海外の事情を視察しようとアメリカに渡ったのが洗濯代行サービスとの出会いにつながるのです。

ウォッシュ&フォールド

2005年に東京・代々木に「WASH & FOLD」1号店をオープンし、いまでは直営店とフランチャイズ合わせて22店舗に拡大しました(2018年4月現在)。年商は前期が5億円。今期はさらに伸びる見込みだそうです。

コインランドリー

「おしゃれな方やアンテナの高い方に使っていただこうと思って、お店はカフェみたいにしました。昔のコインランドリーはぼろぼろのマンガ雑誌が置いてあったり、切れかけの蛍光灯がチカチカしているような感じでした。だから使っている人がだらしなく見えちゃうんです。それじゃだめだと思ったんです。使っている人がおしゃれに見えて、誰かに教えたくなるようにしようって。でも、おしゃれにしすぎて敷居が高くなってもだめ。今では小さいお子さんがいる若いご夫婦の利用が増えています」(山崎さん)。

いまコインランドリーはしゃれたカフェを併設したものや、ネイルやヨガなどユニークなサービスを提供するところも出てきています。コンビニも参入するなど、その数は全国で急増しています。でも山崎さんは「うちがメインにしている洗濯代行というサービス自体はまだ浸透していないので、そこは差別化できると思います」と自信をのぞかせます。目標としては、まずは東京都内に50店舗。そうすれば全国区の展開も見えてくると考えています。

スタジオ風景

「いまこれだけ仕事が広がって、10代の頃の自分を振り返ってどうですか? コンビニの駐車場に仲間とたむろしてしゃがんでいた自分に何て言ってあげますか」(久米さん)

「その頃は不安でいっぱいでしたし、ちゃんと働けないことがすごくダメなことだと思っていました。あんまり長生きしないほうがいいと思ったこともありました。でも、年とともに良くなってくるとか、50歳ぐらいになると楽しくなるよと思えるぐらい、いま楽しくやっています」(山崎さん)

スタジオ風景

「また7、8年後にこの番組にお呼びしたときに、『あの頃は飛ぶ鳥を落とす勢いだったんですけど、いまはまた石焼きいもを売ってるんですよ』って話をしてくれたら、面白いんですけどね(笑)」(久米さん)

「私としてはまだ洗濯をたたんでいたいです(笑)」(山崎さん)

山崎美香さんのご感想

山崎美香さん

久米さんは憧れの方だったので、お会いできたことはすごく最高でした。『ザ・ベストテン』世代ですから。ただ私自身、思ってもなかった暴露話をしてしまって、少し心配しているんですけど(笑)。過去のことは社員には話したことがないですから、社員が聞いていたらびっくりしているかもしれません。ありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:山崎美香さん(コインランドリー「WASH & FOLD」経営者)を聴く

次回のゲストは、色彩心理学者・坂田勝亮さん

5月5日の「今週のスポットライト」には、女子美術大学教授で色彩心理学者の坂田勝亮(さかた・かつあき)さんをお迎えします。「色」が人間の心理にどのような影響を与えるかを研究していて、そのお話は文化、歴史、文学、貿易など様々なものとつながってきます。

2018年5月5日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180505140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)