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100人に1人が悩む白斑。見た目のケアがポイント

森本毅郎 スタンバイ!

白斑とは、皮膚が一部白くなる病気です。例えば動物の乳牛のように、白い部分と黒い部分があるようなまだらな状態です。

白斑は大きく「先天性白斑」と「後天性白斑」に分けられ、後天性白斑の中には、人口の1%程度、つまり100人に1人がかかる白斑もあって、決して少なくありません。男性でも女性でも白斑の症状が出る人がいます。性別は関係ありません。

白斑については、見た目で悩んでいらっしゃる方が多くいます。そうした患者さんのために、白斑を目立たなくする方法が日々、進化しています。そこで、白斑の治療法やケアの方法などについて、5月7 日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★白斑とは?

まず白斑についてですが、その中で、もっとも頻度の高いのが「尋常性白斑」と呼ばれるものです。100人に1人の割合で発症するといわれるくらい患者さんを目にすることの多い病気です。患者数はおよそ100万人とも言われています。遺伝とは言えないものの、家族性発生が20%から30%あると言われています。白斑が発生する部分によっては他の人の目が気になるほど生活上の問題が生じて、社会活動のさまたげになります。

★原因は?

尋常性白斑の原因については、まだわかっていないことが多くあります 。有力な説としては、自己免疫疾患が挙げられます。肌は、メラニン色素によって紫外線から守られています。そのメラニン色素は、 メラノサイトという色素細胞から作られています。しかし、何らかの異常で、自分のメラノサイトに対して攻撃をしてしまうことがあります。するとメラニン色素が作れなくなって、その結果、肌の色が白く抜けてしまうのです。

★治療方法は?

日本皮膚科学会が、尋常性白斑のガイドラインを作成しています。それによりますと、症状が進行している「進行期」と、白斑の動きが1年間ない「固定期」に分けられ、それぞれ治療方法が違ってきます。

症状が進行している「進行期」では、主に3つの治療法があります。

1つは、患部に軟膏などの外用薬を塗ってケアする「外用療法」です。ステロイドや、免疫を調整する軟膏などを塗る方法になります。治療効果は数ヶ月後に出て来ます。

2つ目は、紫外線などを当て治療する「光線療法」 です。効果は高いですが、過剰な照射は皮膚癌などの発がんリスクも高まると考えられているので、治療の際は医師への確認を行う必要があります。

3つ目がステロイド剤を飲用する「ステロイド内服療法」です。すぐには効果は出ないのですが、うまくいけば、白斑の症状=つまり肌の色がもとに戻る可能性があります。

東京医大病院の白斑外来では治療内容の多くは外用療法なんです。つまり、ステロイド外用薬などを塗る治療だということです。治療で色素が再生した患者さんは50%、なかった人は38%、悪化した人は12%でした。治療がなかなか難しいことがわかります。

★症状が止まっている時の治療方法は?

1年以上、新たな白斑ができていない場合には、「手術療法」、もしくは、「脱色素療法」になります。

「手術療法」には、皮膚の表皮とその内側の真皮の一部を移植する手術や、表皮のみを移植する手術などがあります。また、白斑ができている部分に小さな穴をあけて、そこに正常な皮膚から採取した皮膚を移植する手術などがあります。

そして「脱色素療法」ですが、マイケル・ジャクソンさんが治療したことで有名です。これは、すべて白斑にしてしまうという治療です。メラノサイトを破壊させる薬剤を使います。なので、色の残っている部分にメラノサイトを破壊する薬剤を塗ります。色素は復活させることはできません。また白斑にしてしまうという方法は紫外線に弱くなり将来皮膚がんになりやすくなるので、光を遮光する必要があります。

★治療以外での方法は?

白斑の根本的治療ではありませんが、白斑部分をメイクでカバーするカモフラージュメイク療法というものがあります。特別に作られた化粧品を使って自然に隠すというものです。メイクというと、女性がするという顔のお化粧というイメージですが、白斑は、手の甲や、腕、顔などにも出てきますが、男性も女性も両方あります。

ほかの化粧品と比べて、特に耐水性があり、仕上がりを1日キープできるといった特徴を持つ化粧品を使用します。実際の肌の色よりも「暗い色」のファンデーションなどで白斑を隠す事がポイントです。メーカーによっては18色のファンデーションの種類があって、それを組み合わせてそれぞれの肌の色にすることができます。

★見た目がケアできることは大きい

男性でも女性でも、見た目で困ってらっしゃる方は多くいます。今年3月にNPO法人のメディカルメイクアップアソシエーションというところが白斑の患者さんに行った調査によりますと、日常生活で困難を感じるという方は9割にも上りました。

白斑があることで困るのはどんな時ですか、という問いに一番多かった回答が「からだが見える服を着るようになるとき」。次いで「温泉や旅行などレジャーの時」となります。また、3番目には「名刺交換や対面営業など、近い距離で人と話すとき」という回答が入って来ます。

実際に「名刺交換で手を出すのがいや」とか「白斑がうつるのでは」と嫌がられたりするケースもあるそうです。

白斑については、男性の方が女性の2倍、白斑について悩んでいるというデータもあります。それが、カモフラージュメイクをして隠すことで社会生活が問題なく行えるようになったという声が多いそうです。

ところが実際にはこのメイクアップはあまり認知されていません。もっとカモフラージュメイクを知ることでQOLは良くなるのです。大学病院などでは、カモフラージュメイクを行っているところを紹介しているところも。自信を取り戻して生活するためにもカモフラージュメイクをもっと知ってもらう必要がある。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180507080000

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