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車いす生活を公表したアイドル▼人権TODAY(2018年5月26日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

風の強い日、まさかの事故に

仮面をつけてステージパフォーマンスをするアイドルグループ「仮面女子」。そのメンバーの1人が先日、車いす生活になったことを明かしてニュースになりました。

事故に遭った猪狩ともかさん

事故があったのは4月11日。東京・文京区内の歩道で「仮面女子」のメンバー・猪狩ともかさん(26)が、強風で倒れてきた巨大な木製の看板の下敷きになり、脊髄を損傷。「両下肢まひ」となって、腰から下が動かなくなってしまいました。
猪狩さんは他にも複数か所けがをしていて、そちらは快方に向かっていますが、足の方は歩くことも動かすこともできず、治る見込みは極めて低いということです。退院までは3か月ほどかかるとみられていて、今は治療とリハビリを続けています。

リハビリ生活をブログで発信

猪狩さんは足が動かなくなったという状況を受け入れるのに相当な時間が掛かり、当初は「こんな私はいったい何ができるのか」と絶望したそうです。しかし、その後は「超えられない試練はない」という前向きな思いに変わり、現在はリハビリの様子を日々ブログやツイッターにあげています。

猪狩ともかさん

リハビリは手術の翌日から始まったんですけど、自分で動かすことは全くできなかったので、作業療法士さんや医学療法士さんに足をストレッチしてもらう、まずは足を動かすことをやって、ハンドグリッパーを使って握力を鍛えたり、重りを持って腕の筋トレをしたりというところから始まりました。そこからだんだん車いすに乗るようになって、車いすからリハビリ台に移る練習もした。最初は一人じゃ無理なので、滑りやすくするボードを使ってスリスリ下りていく。おしりを浮かすことが最初は難しかったので介助してもらいました。ベッドの上に足を伸ばして座っている状態の「長座位」は、上半身でバランスをとって座る感じで、片手ずつ放す練習をしてだんだん両手も放せるようになった。足が使えなくなってしまった分、上半身で全部を支えなければならないので、上半身の強化が大事になってくる。リハビリの時間だけでなく、自主トレで鍛えていかないと体がついてこない。移動も腕で「よいしょ」と体を持ち上げたりするので。腕の力は大事ですね。

リハビリに励む猪狩さん(猪狩ともかオフィシャルブログより)

寝ている状態から上半身を起こす、ベッドの端まで移動して足を下ろす、車いすに乗り降りする、すべて体を支えるのは自分の腕なので、上半身を鍛えるトレーニングをしているそうです。「チューブトレーニング」は、スポーツ選手が使っているのを見たことある方もいるかもしれませんが、ゴム製の長いチューブを引っ張る筋トレも始めたということです。

セラバンドでトレーニング(猪狩ともかオフィシャルブログより)

車いすには乗ったけど・・・

そして、移動は車いすですが、実はこんな問題もあるということです。

猪狩ともかさん

寝ている状態が多かったので、座ったり立ち上がることで血圧が下がって貧血を起こしてしまうんですね。普通の車いすは、背もたれが直角なのですぐにクラクラしちゃうんです。なのでリクライニング式の車いすに乗って、背もたれを倒して血圧が下がらないようにするという感じですね。

車いすの猪狩さん(猪狩ともかオフィシャルブログより)

普通の車いすは20分も乗るとギブアップという感じだそうです。そして猪狩さん、今までリハビリ室への移動は誰かしらに付き添ってもらっていたそうですが、最近自分で車いすを漕いで一人で病室に戻れたということです。そして、介助なしで一人で車いすに乗れるよう練習中だそうです。

Q.車いすに乗る当事者になって気付いたことは?

これまで車いすに乗っている人を見た時は、大変そうだなとか苦労してるんだなとか思っていましたけど、自分が同じ立場になって、その人の背景を考えるようになったというか、この人も私みたいにリハビリの期間があったんだろうなとか、考えるようになりました。

Q.退院後、外に出る時に不安なことはありますか?

いろんな街でバリアフリー化が進んでいると思うんですけど、まだ追いついていないところもたくさんあると思うので、エレベーターがなかったらどうしようとか、突然、段差にはまっちゃったらどうしようとか、そういう不安はありますね。

事務所もサポート体制を整える

猪狩さんの所属事務所もサポートを表明しています。スタッフ全員が障害者のケアを学ぶほか、車いすを乗せられる車を購入するなど猪狩さんの活動を支えていくということです。

猪狩ともかさん

事務所の方には、今までこういうことがなかったと思うから、大変な思いをさせてしまっていると思うんですけど、本当にありがたいですね。メンバーのみんなも毎日ではないけど、お見舞いに来てくれて「いつまでも待ってるね。ステージ盛り上げて、いつでも帰ってこれるように居場所を守っておくからね」って言ってくれてるので、安心していられます。

そして「今後やりたいこと」として、こんなことを挙げています。
・退院後は、まずファンの皆さんに元気な姿を見せたい。
・ゆくゆくはライブに参加したい。
・作詞をしたい。
・手記を出したい。
・ハンディキャップのある世界中の人の希望になれるようになりたい。
・バリアフリーの大切さを訴えたい。
・西武ファンなので車いすで始球式がしたい。

足が動かなくなっても、これだけやりたいことがあふれている猪狩さんの前向きな姿勢に驚きました。リハビリは長く続くと思いますが、バリアフリー問題など当事者でしか気づかないことをたくさん発信していってほしいと思います。

(担当:進藤誠人)

■猪狩ともか オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/igari-tomoka/

■仮面女子ホームページ
http://www.alice-project.biz/kamenjoshi/jp