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「初夏に聴きたい南アフリカの歌姫たち」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる音楽コラム

「初夏に聴きたい南アフリカの歌姫たち」

初夏に聴きたい南アフリカの歌姫たちhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180601123704

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【高橋芳朗】
本日のテーマはこちらです! 「初夏に聴きたい南アフリカの歌姫たち」。今年はネルソン・マンデラ生誕100周年ということもあって南アフリカにちなんだ企画をなにかやりたいと思っていたんですけど、このタイミングでいまの季節にぴったりな南アフリカの女性シンガーの曲を紹介したいと思います。

【ジェーン・スー】
よろしくお願いします。

【高橋芳朗】
ではさっそくいってみましょう。1曲目は「ママ・アフリカ」と呼ばれていた南アフリカの偉大なシンガー、ミリアム・マケバがメンバーだったスカイラークスという女性コーラスグループの「Inkomo Zodwa」を聴いてみたいと思います。1959年の作品。これは南アフリカの「クウェラ」というジャンルの音楽になります。

【ジェーン・スー】
はい。

【高橋芳朗】
ざっと説明しますと、南アフリカのポピュラーミュージックの発展には20世紀のはじめに入ってきたジャズが非常に大きな影響を及ぼしていて。それは南アフリカがイギリスの植民地だったことが関係しているんですけどね。で、そのジャズが南アフリカ独自に進化していった音楽がクウェラになります。イメージとしては南アフリカ版スウィングジャズみたいな感じでしょうか。特徴はティンホイッスルという縦笛が大活躍しているんですけど、これは一説によると貧しくて金管楽器が買えなかったから代わりにティンホイッスルを使うようになったとも言われています。

M1 Inkomo Zodwa / Miriam Makeba & The Skylarks

Inkomo Zodwa [Clean]
【高橋芳朗】
のんびりのどがでいいですなー。

【ジェーン・スー】
天井が高いというか、すごく風通しがいいですね。

【高橋芳朗】
それはアフリカの広大な大地、マザーランドの空気を感じ取ったということなのかもしれないですよ。

【ジェーン・スー】
うん、気持ちいいです。

【高橋芳朗】
続いてはソウェト出身のシンガー、レッタ・ムブールの「Macongo」。1970年の作品です。彼女はクインシー・ジョーンズに気に入られて、クインシーがプロデュースを手掛けたテレビドラマ『ルーツ』や映画『カラー・パープル』のサウンドトラックに参加していたシンガーです。マイケル・ジャクソンの「Liberian Girl」の冒頭のスワヒリ語をしゃべっているのも実はこのレッタ・ムブールなんですよ。

【ジェーン・スー】
おおーっ、そうなんだ!

【高橋芳朗】
そうそう。この「Macongo」は1月に亡くなった南アフリカの伝説的トランペット奏者、ヒュー・マセケラのプロデュース。さっき聴いてもらったクウェラを洗練させた「ンバクァンガ」という音楽をベースにしたような陽気でファンキーな曲です。

M2 Macongo / Letta Mbulu

【高橋芳朗】
続いて3曲目はケープタウン出身のシンガー、サティマ・ビー・ベンジャミンの「Music」。1988年の作品です。彼女は同じく南アフリカのジャズピアニスト、ダラー・ブランドの奥様になります。

【ジェーン・スー】
ふーん。

【高橋芳朗】
この曲はいままでの2曲と違って英語詞なんだけど、曲調的にもぐっと落ち着いた感じになっています。特にアフリカ的なリズムが強調された曲ではなくて、非常に美しくて優雅なジャズワルツ。こういうよく晴れた日に木陰でのんびり聴くには最高の曲だと思います。

M3 Music / Sathima Bae Benjamin


【高橋芳朗】
いやー、素晴らしい!

【ジェーン・スー】
ねー。もう今日は帰りたい!

【高橋芳朗】
では最後にもう1曲、ボーナストラックとして南アフリカについて歌った日本人女性シンガーの曲を紹介したいと思います。八神純子さんの「ジョハナスバーグ」。1985年の作品です。タイトルの「ジョハナスバーグ」は南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルグを英語読みしたものになるんですけど、これがなんとアパルトヘイトについて歌った曲なんですよ。

【ジェーン・スー】
へー!

【高橋芳朗】
1985年というと、アメリカでアパルトヘイトに抗議するアーティストが結集した「Sun City」がリリースされているんですね。その「Sun City」が1985年10月のリリースなのに対して、この八神純子さんの「ジョハナスバーグ」が収録されたアルバム『COMMUNICATION』は1985年2月のリリース。

【ジェーン・スー】
おーっ、早い!

【高橋芳朗】
そうなんですよ。しかも八神さんは1990年2月のネルソン・マンデラ釈放直後、1990年5月リリースのアルバム『MY INVITATION』で「南風(マンデラ氏に捧ぐ)」なんて曲を歌っていたりして。

【ジェーン・スー】
ほー!

【高橋芳朗】
八神純子さんは当時から海外を視野に入れた活動をしていたから、そういう情勢に敏感だったのかもしれないですね。「ジョハナスバーグ」の歌詞からすると現地に行かれたことでインスパイアされたような節もあるんですけど、実際のところはどうなんでしょうか。しかもこれ、曲調的にはレゲエなんですよ。

M4 ジョハナスバーグ / 八神純子

COMMUNICATION
【高橋芳朗】
以上、八神純子さんの曲を含めて4曲聴いていただきました。今日紹介したのは南アフリカの古い曲ばかりですが、南アフリカはいまの音楽もめちゃくちゃ盛り上がってます。現行のジャズだったり、あとはゴムと呼ばれるクラブミュージックだったり。特に南アジャズはいずれ機会があったら取り上げてみたいですね。

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

5/28(月)

(11:05) It’s a Laugh / Daryl Hall & John Oates
(11:22) Love Comes to Everyone / George Harrison
(11:33) Crazy / Valerie Carter
(12:24) Miss Sun / Boz Scaggs
(12:52) W. 4th St. / かまやつひろし

5/29(火)

(11:04) Let’s Get Away From It All / Friends
(11:19) I Can’t Put My Finger On It / The Housemartins
(11:40) Welcome Now / Eyeless In Gaza
(12:13) The Very Thing / The Deacon Blue

5/30(水)

(11:04) We’re Almost There / Michael Jackson
(11:23) You Got To Be The One / Maryann Farra & Satin Soul
(11:36) Ridin’ High / Tavares
(12:10) Lay It On Me / Heatwave
(12:22) Keepin’ It to Myself / Average White Band
(12:50) 流星都市 / 小坂忠

5/31(木)

(11:03) Triste / Elis Regina & Antonio Carlos Jobim
(11:24) Trevo de Quatro Folhas / Nara Leao
(11:41) Festa Imodesta / Chico Buarque
(12:13) Essa Mare / Ivan Lins
(12:50) Lady Pink Panther / 鈴木茂

6/1(金)

(11:06) I’m in Love / Evelyn “Champagne” King
(11:23) Let’s Stand Together / Melba Moore
(11:35) Shake It Up Tonight / Cheryl Lynn
(12:14) We Got Each Other / Chaka Khan