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【ブックリスト】「ことばが切り取る現在〜Life詩歌入門」▽選:文月悠光×伊波真人×倉本さおり×宮崎智之×矢野利裕【文化系トークラジオLife】

文化系トークラジオ Life ニュース版

2018年5月28日に紀伊國屋書店新宿本店で行われたイベント
ことばが切り取る現在〜Life詩歌入門」で配布された
詩歌に関する推薦図書のリストです。

文月悠光
詩人。1991年北海道生まれ、東京在住。中学時代から雑誌に詩を投稿しはじめ、16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年生のときに発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少18歳で受賞。早稲田大学教育学部在学中に、第2詩集『屋根よりも深々と』(思潮社)を刊行。2016年、初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、第3詩集『わたしたちの猫』(ナナロク社)を刊行する。近刊に『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩の朗読、詩作の講座など広く活動中。

文月悠光さん

『石原吉郎詩文集』 講談社文芸文庫
シベリア抑留の強制労働の体験と向き合い続けた詩人・石原吉郎の詩文集。汽車に運ばれる抑留兵の姿を描いた詩「葬式列車」には、現代の都会の日常が重なってくる。〈体験とは、一度耐え切って終るものではない。くりかえし耐え直さなければならないものだ〉。私たちが〈耐え直さなければならない〉体験とは。(文月) 

『自選 大岡信詩集』 岩波文庫
大岡信の仕事を追うと、創作と批評は相互に高め合っていく関係として共存できるのだと確信できる。新聞連載『折々のうた』で広く知られるように、古今の詩歌の紹介者・批評家の印象が強いが、初期の詩篇は鮮烈。詩「炎のうた」では、火というものの在りように重ねながら、作者は明らかに人間について語っている。(文月)

井坂洋子 『詩はあなたの隣にいる』 筑摩書房
タイトルからして詩の入門書と思いきや、名詩の読み方のスタンダードを覆すような骨太の批評エッセイ集。石垣りん「シジミ」などお馴染みの名詩の解釈が何度か覆された。詩作者自身も、迷いや揺らぎを抱えながら詩と向き合っているのだ。「する・できる(doing)」より「ある(being)」を重んじたい方へ。(文月)

小池昌代、塚本由晴 『建築と言葉 日常を設計するまなざし』 河出ブックス
詩人と建築家、「かたち」をつくる者同士が織りなす刺激的な対話集。言葉によって形を決めることの可能性、その限界について語られており、心揺さぶられる。詩的体験は、紙の上の言葉だけとは限らない。本書からは、詩作品として囲われる以前の原初の「詩」に立ち帰ろうとする試みが見える。担当編集は当時河出に勤めていた武田砂鉄さん。(文月)

渡邊十絲子 『今を生きるための現代詩』 講談社現代新書
国語の授業で詩が苦手になった人は少なくないはず。本書の著者で、詩人の渡邊十絲子さんもその一人。詩を「解釈する」ことから離れた上で、詩の魅力を自由に語っている。〈詩は謎の種であり、読んだ人はそれをながいあいだこころのなかにしまって発芽をまつ〉。この本さえあれば、現代詩も怖くない!(文月)

谷川俊太郎 『ぼくはこうやって詩を書いてきた』 ナナロク社
「ここまで話して大丈夫?」と突っ込みたくなるほど、日本を代表する国民的詩人が、詩作の背景を赤裸々に語り尽くした一冊。詩と詩人の実人生の結びつきをミーハーな目で覗いてみたい方にイチオシ。(文月)

たかとう匡子 『私の女性詩人ノート』 『私の女性詩人ノートII』 思潮社
大正期から現代までの女性詩人の詩の魅力と、その「闘い」を隈なく伝えるシリーズ。〈戦後における女性詩人の登場が男性詩人より十年も遅れてのスタートとなったのはなぜか〉という疑問から、左川ちか、茨木のり子、白石かずこらを取り上げ、それぞれの作品や逸話、詩作の姿勢を掘り下げる。家父長制や地域社会の目と闘いながら貫いた詩の道。(文月)

『吉原幸子詩集』 思潮社・現代詩文庫
吉原幸子の詩は美しい「対比」と「矛盾」でできている。〈あの人たちにとって/愛とは 満ち足りることなのに/わたしにとって/それは 決して満ち足りないと/気づくことなのだった〉(「塔」)。〈おまへに塩をかけてやる/するとおまへは ゐなくなるくせに そこにゐる〉(「無題(ナンセンス)」)これは晩年の詩「むじゅん」。〈わたしがまもなくしんでゆくのに/せかいがこんなにうつくしくては こまる〉。(文月)

杉本真唯子 『裾花』 思潮社
七三年生まれの詩人、杉本真維子の珠玉の詩集。理屈ではなく、身体から出てきた表現の強度を感じさせてくれる。掬い取る言葉の確かさには、驚異を覚えるほどだ。〈まばらな拍手はぐねぐねと体内をめぐり/私語をやめ/硬い岩となって野原でめざめる〉〈きっと誰にも褒められなくてよい/そのちいさく何よりも華やかな拍手のために、/ひとはふっくらと一人である〉(「拍手」)。(文月)

山田亮太 『オバマグーグル』 思潮社
ウィキペディアの引用による詩(「現代詩ウィキペディアパレード」)、ユリイカの目次テキストによる詩(「日本文化0/10」)、「オバマ」のGoogle検索上位100件の記事の引用によって作られた詩など、ビートニクの詩人にも通じそうな実験性の高さが特徴。情報の集合体から、詩の空間をつかみ出す面白さを体感してほしい。(文月)

マーサ・ナカムラ 『狸の匣』 思潮社
今年度・第23回中原中也賞受賞作。1990年生の作者の第1詩集。日本の古い伝承や、民俗学にも通じる寓話的な世界観を提示している。文字通り柳田國男をモチーフにした作品も。詩の形にしようという意識が顕在化しておらず、散文的な詩句が多い。奇妙で癖になる読後感は、内田百閒や川上弘美の短篇を思わせる。作中で〈私〉についてほぼ言及がない点で、新しさを感じさせてくれる。(文月)

『戦後代表詩選 鮎川信夫から飯島耕一』 『戦後代表詩選続 谷川俊太郎から伊藤比呂美』 思潮社
「好きな詩人」を見つけることよりも、「好きな詩」を見つけることの方が易しい。名詩を集めたアンソロジー詩集は多く出ていますが、硬めのアンソロジーが不足しているような……という不満もあり、このシリーズを挙げました。新書サイズで読みやすく、まず現代詩に触れたい方には申し分ないかと。(文月)

伊波真人
歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学文学部卒業。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。元・歌誌『かばん』編集長。角川『短歌』、『文學界』、『朝日新聞』など雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。短歌ワークショップの講師なども務める。関心領域は音楽、映画、漫画などのカルチャー全般。ブルー・ペパーズ「秋風のリグレット」などポップスの作詞も行う。著書に、歌集『ナイトフライト』(書肆侃侃房)。

伊波真人さん

東直子、佐藤弓生、千葉聡 『短歌タイムカプセル』 書肆侃侃房
短歌界に新たな風を送り込んでいる書肆侃侃房から今年刊行された現代短歌のアンソロジー。前衛短歌から二十代の若手歌人までの作品がコンパクトに収録されています。まずはこの本で現代短歌の世界にはどんな歌人がいるのかを知り、そこから本書で紹介されている以外 にも好みの歌人がいないか探してみるのはいかがでしょう。(伊波)

永田和宏  『現代秀歌』  岩波新書
細胞生物学者でもある歌人の永田和宏さんが現代短歌から選りすぐった一〇〇首を解説付きで味わうことができます。『短歌タイムカプセル』の次は、こちらを。姉妹編の『近代秀歌』もオススメです。(伊波)

俵万智 『考える短歌―作る手ほどき、読む技術』 新潮新書
短歌を読みはじめると自分でも作ってみたくなるもの。そんなときにオススメなのが、この本。短歌を作るのには短歌を読み解く力も大事だと言われていますが、この本は作る方法と読み解く方法が同時に学べます。(伊波)

穂村弘 『短歌という爆弾』 小学館文庫
ニューウェーブ短歌を代表する歌人の一人、穂村弘さん による短歌入門書。この本の画期的な点の一つは、短歌を作りはじめてある程度経ったときに出てくる、短歌結社とはどういうところか、歌集はどうやって作るのかなどの疑問に対して、著者のリアルな経験をもとに解説しているところです。短歌を作りはじめて、すこし経った時期に読むと発見が多いと思います。(伊波)

穂村弘 『短歌の友人』 河出文庫
短歌の評論集。近代から現代までの短歌をとりまく様々なテーマについて、著者独自の視点から語られています。短歌の世界には優れた評論集が多いですが、絶版になってしまうものも多いなかで、現在、手に入れやすい点も嬉しいです。(伊波)

笹公人 『ハナモゲラ和歌の誘惑』 小学館
ハナモゲラ(ジャズミュージシャンの山下洋輔さんら の周辺で流行った言葉遊び)を用いた和歌=ハナモゲラ和歌を参照しつつ、和歌に音声の面からアプローチしたユニークな本。現代歌人が作ったハナモゲラ和歌と著者による読解も読むことができます。(伊波)

寺山修司 『寺山修司青春歌集』 角川文庫
寺山修司さんの作品から短歌を読みはじめる方は、とても多いです。幻想的かつキャッチーな作風でファンの多い著者の代表作が詰まっています。文庫なので、持ち運びにも便利です。(伊波)

俵万智 『サラダ記念日』 河出文庫
短歌に興味がない人でも、「サラダ記念日」を詠んだ代表歌は知っているほどのベストセラーとなった歌集。八〇年代の雰囲気をポップな文体で詠っています。まだ読んだことがないという方は、この機会にどうぞ。(伊波)

穂村弘 『ラインマーカーズ』 小学館
著者による自選歌集。音楽アルバムでいうところのベスト盤です。穂村弘さんの歌集を最初に読むなら、こちらが手に取りやすいです。(伊波)

吉川宏志『 吉川宏志集 (セレクション歌人)』 邑書林
短歌結社で活躍する歌人のなかでも、吉川宏志さんの歌は日常に根ざした親しみやすい作風なので、特にオススメです。短歌結社に所属する歌人のなかには様々な作風の面白い歌人がたくさんいるので、この機会にいろんな歌人の歌集に触れてみてください。(伊波)

倉本さおり
1979年東京都生まれ。ライター、書評家。新聞、週刊誌、文芸誌等にて書評、インタビュー、コラムなどを執筆。「週刊読書人」文芸時評担当(2015年)、「週刊金曜日」書評委員、「小説トリッパー」クロスレビュー等を担当のほか、「週刊新潮」にて「ベストセラー街道をゆく!」連載中。共著に『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今』(立東舎)がある。

倉本さおりさん

穂村弘×堀本裕樹 『短歌と俳句の五十番勝負』 新潮社
歌人の穂村弘と俳人の堀本裕樹が同一のお題でそれぞれ短歌と俳句をつくってガチの勝負を繰り広げる、いかにもありそうで意外になかった異種格闘技戦。本人の解説に加え、右ページに短歌、左ページに俳句といった形で見開きに両者がぴったり収まるため、馴染みのない人にもその違いや特徴が感覚的につかみやすいのがいい。(倉本)

穂村弘×山田航 『世界中が夕焼け』 新潮社
現代短歌を代表する歌人・穂村弘の短歌に、気鋭の若手歌人・山田航が先に解釈を施し、それに対して穂村本人が自解で応えるという一風変わった評論集。短歌の「読み」というものがけっして一つに縛られないということ、その自由度を実際に体感できるという点で画期的な書。(倉本)

穂村弘 『短歌という爆弾』 小学館文庫
伊波真人さんもリストに入れていらっしゃいますが、やはりインターネット以降の現代短歌を知るうえで必読の書かと。90年代後半~ゼロ年代以降に短歌を真剣に作り始めた人で穂村弘の評論やエッセイの影響を受けていない人はいないといっても過言ではないと思う(……ですよね伊波さん?)。(倉本)

渡部泰明 『和歌とは何か』 岩波新書
「和歌」と「短歌」の違いってどこかうやむやになっているような気がするけど結局どこがどう違うの?――そんな疑問を持つ人にぜひお薦めしたい入門書。著者曰く「和歌は演技している」。枕詞や序詞など、ややもすれば無用とも思えるレトリックが使われる理由が刺激的な視点から読み解かれていく。(倉本)

長谷川櫂 『俳句の宇宙』 中公文庫
サントリー学芸賞を受賞した名著。俳句は「場」の文芸である、とはよくいったものだが、それが具体的にどんなことを意味するのか明晰な考察を重ねることで、俳句の辿ってきた歴史をドラスティックに振り返る。「俳句なんて結局は17文字の一行詩なんだから季語や切れ字なんて無視してもいいのでは?」とか思っている人は必読。(倉本)

小川軽舟 『俳句と暮らす』 中公新書
俳人にして当時、単身赴任中のサラリーマンでもあった著者が、「飯を作る」「会社で働く」「妻に会う」「病気で死ぬ」などの場面から俳句の面白さを物語る。俳句のみならず、詩をつくる人たちにとって詩情というものが日常生活の中にどんなふうに溶け込んでいるのか知るうえでも有益な書。(倉本)

大岡信×谷川俊太郎 『対談 現代詩入門―ことば・日本語・詩』 思潮社
元版は1985年発行の『対談 現代詩入門』だが、今なお新しいと感じさせる内容。とりわけ「ことば・日本語・詩」の章は、古事記や万葉集の時代から戦争を経て80年代当時までの現代詩の流れを捉えるダイナミックな考察が展開されていて非常にスリリング。(倉本)

吉本隆明 『定本 言語にとって美とはなにか』 角川ソフィア文庫
詩とは何か? 散文とはどこが違うのか? そもそも「文学」とはどんな言葉のつらなりなのか?――この手の疑問に囚われたらとりあえず一度は読んでみてほしい。そして難解さに挫折してなおその疑問に食らいつける人には、宇田亮一『吉本隆明 「言語にとって美とはなにか」の読み方』という超親切な解説本をお薦めします。(倉本)

西脇順三郎 『Ambarvalia/旅人かへらず』 講談社文芸文庫
近代の詩的思考や方法論に衝撃を与えた詩人・西脇順三郎(ノーベル文学賞の候補にも挙がっています)の代表作二篇をコンパクトに収録。並べられた言葉同士が醸し出す鮮烈なイメージの迸りを無邪気に楽しんでほしい。彼の詩論をざっくりまとめれば、詩作とは「詩と感情の新しい関係を発見する」ことに当たる。名言。(倉本)

須賀敦子 『須賀敦子全集〈第5巻〉イタリアの詩人たち、ウンベルト・サバ詩集ほか』 河出文庫
〈きみの、ぼくをなじるきみの声は、
 ぼくのこころの寸法にあってる、と思う。〉(「リーナに捧げる新しい歌」)
今なお多くの人びとの心を惹きつけてやまない名イタリア文学者にして名エッセイストの金字塔的な訳詩集。まじで言葉が沁み込んでいきます。(倉本)

清家雪子 『月に吠えらんねえ』1 講談社
萩原朔太郎をはじめ近代文学を代表する詩人の「作品からイメージされたキャラクター」たちが躍動するダークファンタジー。グロやホラーが苦手な方にはあまりお薦めできないが、巻末の膨大な参考文献リストにも表れているとおり綿密な下調べのうえで構成されていることが非常によくわかる超良質のマンガ。昨今の文豪ブームの先駆け的存在。(倉本)

宮崎智之
1982年3月生まれ、東京都出身。フリーライター。書籍の編集や構成を多く手がける。2016年は『広報の仕掛け人たち PRのプロフェッショナルはどう動いたか』(宣伝会議)、『民主主義は止まらない』(SEALDs、河出書房新社)『総力取材! トランプ政権と日本』(NHK出版新書)など。2018年6月にコラム、エッセイ集『モヤモヤするあの人』(幻冬舎文庫)を出版。

宮崎智之さん

深沢レナ 『痛くないかもしれません』 七月堂
1990年生まれの著者による詩集。堀江敏幸さんが寄せた「その傷つきやすい横腹の皮膚をみずからまとって、複数の自分を強烈な日差しと鋭い爪を持つ海鳥たちにさらしていた」というコメントが、本書を正確に言い表していると思う。まずは「膨らむ」という詩から読んでもらいたい。(宮崎)

中原中也 『中原中也全詩集』 角川ソフィア文庫
中原中也といえば、『山羊の歌』と『在りし日の歌』だが、未収録詩にもたくさん素晴らしい作品があるので、ぜひこの「全詩集」を押ししたい(大岡昇平、小林秀雄の評論、エッセイも収録されている)。ちなみに、未収録詩では「夏の夜の博覧会はかなしからずや」が好きです。(宮崎)

長谷川泰子 『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』 角川ソフィア文庫
文学史史上、最も有名な三角関係(だと僕は思っている)を、中原中也、小林秀雄と共に演じた長谷川泰子の手記。僕は国語便覧を眺めて、文豪たちの人間関係を頭に入れることから文学に親しみ始めたので、少々邪道ではあるけど、作家の人物像や周辺の情報から詩の世界に興味を持つのもありだと思う。『文豪たちの友情』(石井千湖、立東舎)という本も今年4月に発売され、話題になっている。(宮崎)

吉増剛造 『我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ!』 講談社現代新書
現在もなお、旺盛な活動を続けている吉増剛造氏。語り下ろしのスタイルで書かれているため、詩人の生の声が勢いよく迫ってくるような読書体験を得られる。「詩的自伝」と銘打っているとおり、まさにこの一冊自体が一編の長編詩のよう。(宮崎)

T.S.エリオット 『荒地』 岩波文庫
「四月は最も残酷な月」というフレーズが、あまりに有名な『荒地』。大学生の時から愛読していて、はじめて翻訳詩が好きになった詩集。著者のT.S.エリオットは、ミュージカル『キャッツ』の原作者としても知られていて、『伝統と個人の才能』などの評論も何度も読み返しました。(宮崎)

塚本邦雄 『歌集 日本人霊歌』 短歌新聞社文庫
二十代前半から愛読、愛誦。高円寺にある日本短歌新聞社まで、わざわざ買いに行った記憶があります。塚本氏が詠う言葉のカッコよさに、今でも魅了し続けられている。(宮崎)

吉田健一 『訳詩集 葡萄酒の色』 岩波文庫
ボオドレエル、ラフォルグ、ヴァレリイ、エリオットなどの訳詩が収録されている。英文学者・吉田健一の翻訳がとにかく素晴らしい。特に、シェイクスピアの十四行詩は、この吉田の翻訳以外では読めない体に、僕はなっています。まるで原文で暗唱してるような錯覚すら覚える。(宮崎)

佐藤伸治 『ロングシーズン―佐藤伸治詩集』 河出書房新社
フィッシュマンズのボーカル、故・佐藤伸治による詩集。ぼろぼろになるまで読みました。ロックバンドの曲の歌詞ですが、十分に詩集としてのクオリティを備えている。絶版になったのが悲しいので、ぜひ復刻してほしいところ。 (宮崎)

都築響一 『夜露死苦現代詩』 ちくま文庫
痴呆の人の言葉、暴走族の特攻服、エロ勧誘メール、ヒップホップ、湯飲みに書かれた説教詩など、従来の枠組みでは決して現代詩とは呼ばれないが、ストリートに溢れているむき出しの言葉たちに焦点を当てた労作。この本を読むと、街や生活の中に存在している、何気ない言葉たちが、生命力を持って浮かび上がってくるようになる。巻末に収録された谷川俊太郎さんと著者の対談も面白い。(宮崎)

中西進 『万葉集 全訳注原文付』 講談社文庫
「一家に一冊、万葉集」をオススメしたい。と言いつつ、僕もいまだに通読して読んだことがない。たとえば、街で綺麗な朝顔を見た際に、「朝顔の歌は万葉集に入っているかな」と調べてみたりします(たいてい入ってるからすごい)。それくらいの感じで読むのがいいと思う。(宮崎)

矢野利裕
1983年生まれ。杉並区育ち。批評家/DJ。14年「自分ならざる者を精一杯に生きる 町田康論」で、群像新人文学賞評論部門優秀作。著書に『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)、『SMAPは終わらない』(垣内出版)、共著に、宇佐美毅・千田洋幸編『村上春樹と二十一世紀』(おうふう)など。

矢野利裕さん

笹公人 『念力家族』 朝日文庫 (矢野)

笹公人 『念力図鑑』 幻冬舎 (矢野)

枡野浩一 『ハッピーロンリーウォーリーソング』 角川文庫 (矢野)

千葉聡 『飛び跳ねる教室』 亜紀書房 (矢野)

山田航[編] 『桜前線開架宣言』 左右社 (矢野)

山川藍 『いらっしゃい』 角川書店 (矢野)

染野太朗  『人魚』  角川書店 (矢野)

土岐友浩 『BOOTLEG』 書肆侃々房 (矢野)

天野慶 『つぎの物語がはじまるまで』 六花書林 (矢野)

佐藤通雅・東直子[選] 『また巡り来る花の季節は 震災を詠む』 講談社

【番外】
窪塚洋介 『放尿』 NORTH VILLAGE (矢野)

NORIKIYO 『路傍に添える』 ele-king books (矢野)