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栃木県宇都宮市でLRTの起工式▼人権TODAY(2018年6月16日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時15分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…2018年6月16日放送「栃木県宇都宮市でLRTの起工式」

担当:崎山敏也

 

2018年5月28日、栃木県宇都宮市のJR宇都宮駅の東口で午前11時から「芳賀・宇都宮LRT起工式」が行なわれました。はじめに宇都宮市の佐藤栄一市長は「子供から高齢者まで、誰もが快適に移動ができ、人や企業の活動を活性化させる交通未来都市宇都宮のまちづくりを進めています。LRTについては、このようなまちづくりを支える、総合的な公共交通ネットワークの要として、必要不可欠な都市の装置であります」とあいさつしました。

LRTとは何でしょうか。「ライト・レール・トランジット」の略称で、普通の電車よりは小さいですが、最新の機能を備えた路面電車を使った交通システムのことを指します。従来の路面電車よりスピードは速く、乗り心地もよく、音は静か。マイカーやバスより輸送量が大きく、渋滞に巻き込まれません。車両の床は低いバリアフリー仕様で、気軽に乗り降りできるので、世界中の都市で普及が進んでいます。日本では、元々あった路面電車を改良したLRTが富山市などで走り出していますが、いちから新しく建設するのは、宇都宮市が始めてです。

 

JR宇都宮駅の東の方には大きなショッピングセンター「ベルモール」や大学、高校、ニュータウン、隣の芳賀町にかけて工業団地などがあり、朝夕の通勤、通学ラッシュ時間帯は激しい渋滞が生じています。また、少子高齢化が進んでいますが、車が運転できない人の公共交通は十分ではありません。渋滞を減らし、車だけに依存せずに移動できる交通機関として期待されているんです。宇都宮駅を起点にした全長およそ15キロの路線で、少しはずれたところに住む人はマイカーや自転車、バスから、LRTに乗り継ぐのですが、中継点の停留場で簡単に乗り継げるようになる予定です。国と自治体が建設費を負担し、第三セクターによる運営で、4年後の開業を目指しています。ただ、この日の起工式の会場のすぐそばでは、「税金の投入に見合った効果は得られない」と反対の声をあげる人たちの姿もありました。

駅の東口で聞いてみると、「大賛成なんです。ベルモールの近くに住んでいるので、それができると、ずいぶん交通の便がよくなります。時間も確実になります。朝、晩、交通渋滞で、バスの時間が読めないときがあるんですよね」「あってもいいかなと思うんですけど、タイミングを考えるとか、路線の見直しが必要かもしれませんね。何が何でも反対、反対のための反対はとなえるつもりはないんですけど、ありき、で進めていくので、反対運動も一部過熱してますよね」と賛否両論のようです。市民に対し、LRTのことが説明尽くされていないような印象も受けました。LRTと言ってみても、怪訝な顔をしていた中学生に「ベルモールに買い物に行くの?」と聞くと、「あっ、わかったかも。路線走る的な。看板とかで見たことあるかもしれない」となんとなく思い出した感じです。「ベルモール行くのに、車と電車どっちが便利?」と聞くと、「子供だけだったら電車のほうが便利かな。車だと親が必要なんで。運転できないし、免許もっていないんで」という答えでした。

宇都宮市は、ただ、新しい電車の路線を一つ増やすということだけでなく、今後も住みたくなるような「まちを作る」一環だと説明しています。起工式のあと、佐藤市長に聞くと、「LTRを含めた公共交通のモデルということと、少子、超高齢化社会においても、持続ができて、次の若い世代が支えやすいという社会を作るモデルにもなると思っていますので、好きとか嫌いとかで事業を進めているわけではなくて、社会にとって必要な装置として進めてきましたので、より責任感をもって慎重に丁寧に進めて行きたいと思います」と話していました。

 

ヨーロッパなどではLRTのような公共交通機関は「全ての市民が自由に移動できて、自立した生活を送るために必要なインフラ」とされています。インフラの確保のため、いまのような「移動権」「交通権」といった考え方が法律に盛り込まれている国もあります。宇都宮ではまだ説明不足、浸透していないような印象も受けましたが、「誰もが、移動する時に、車も含め、適切な交通機関を選べる社会」について考えるきっかけになってほしいとも感じました。