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大阪北部地震から学ぶ、ブロック塀に潜む問題点とは?

森本毅郎 スタンバイ!

6月18日、大阪で震度6弱の地震が発生し、甚大な被害がでました。中でも、高槻市にある小学校では地震で倒壊したブロック塀の下敷きになり、小学4年生の女の子が亡くなるという痛ましい事故が起きました。そこで今日はこのブロック塀について、6月21日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

まずは、全国建築コンクリートブロック工業組合連合会・専務理事の藤井秋男さんに、大阪のブロック塀について伺いました。

★高槻市で倒壊のブロック塀、建築基準法不適合

全国建築コンクリートブロック工業組合連合会・専務理事 藤井秋男さん
大阪のブロック塀の場合は、まず高さ制限に引っかかってくるということですね。地盤面から2.2メートルを限度としていますから、この高さのものはありえない。3.5メーターっていうのは。
そして元々はブロック塀ではなくてフェンスだったものを撤去して、ブロック塀を積んでるんですが、積み方も問題。ブロック塀を作る場合は基礎に対して鉄筋を入れなきゃいけないんですよ。9ミリ鉄筋ですね。大阪の現場を見てないのではっきりしたことは言えないですが、深さはそんなにないはずです。鉄筋は一番上まで出さないといけないんですが、上までないですよね。
もうひとつ、3.4メートルおきに『控え壁』を置かなきゃいけないんです。見た状況では控え壁は全く入ってないですよね。地震があれば倒れますよね、補強がないですから。それがまず大きな原因だろうと思います。非常に危ない塀だったなと思いましたね。基準通り全然補強されてないですから。なんでこんな積み方したんだろうと思いますよね。
森本毅郎スタンバイ!

安全なブロック塀を作るための注意点(全国建築コンクリートブロック工業組合連合会ホームページより)

現在の建築基準法の施行令ではブロック塀の高さは2.2メートル以下、直径9ミリ以上の鉄筋を入れること、補強材(控え壁)を設置することなど、基準が定められていますが、高槻市のブロック塀はその基準を満たしていませんでした。昭和53年(1978年)の宮城沖地震で倒れたブロック塀により18人が犠牲になったことをきっかけに、現在の基準に改正されたそうです。

★ブロック塀の撤去に補助金を出す自治体

現在、この事故を受けて各地でブロック塀の検査が行われていますが、以前から積極的にこの問題に取り組んでいる自治体がありました。国分寺市建築指導課の担当係長・樋口淳さんのお話です。

国分寺市建築指導課・担当係長 樋口淳さん
国分寺市ではブロックの撤去に関して助成をしております。平成26年より開始していますが、経緯としては平成24年に東京都が発表した地震被害想定で、人的被害が他市に比べて多いことからこの助成制度を設けました。
高さ1メートル以上で道路に面しているブロック塀に対して助成をしております。制度が始まって4年半あまりですが、38件の申請を頂いています。主に通学路に面した御宅の方が多くて、子供たちの安全のために除却をしたいという方も多くいらっしゃいます。
森本毅郎スタンバイ!

国分寺市の助成額算定例(国分寺市ホームページより)

国分寺市では地震発生時のブロック塀の倒壊リスクに備えて、それを撤去するための助成金を出しているそうです。職員が1件ずつ家を回って地道に周知しているとのことでした。実際に助成を受ける場合、塀の長さ1メートルあたり6000円、上限が12万円までとなります。その他にも、小平市や武蔵野市など数年前から、続々とこういった取り組みを始めています。

★法律はあるものの、検査の義務がない

このように、安全なまちづくりのために自治体は地道に取り組んでいるようですが、基準に満たないブロック塀が見過ごされてしまうのは何故なのか、防災アドバイザーの三舩康道さんが教えてくれました。

防災アドバイザー 三舩康道さん
ブロック塀の根本的な問題は、誰にもチェックの義務付けがないこと。『建築基準法』でブロック塀を作るときはこうしなくちゃいけないというのは決まっていて、それに合ってないと違法になります。
でも、ブロック塀を単独で作るときに審査する機関がないんです。家を作るときは役所に確認申請を出してそこで安全性をチェックするんですけど、ブロック塀の場合はチェック機関がなく、個人で自由に作れるんですよね。したがって法律を守るのは自主的にということになる。
そこで問題なのは、誰もチェックしないのでコストダウンの対象になりやすい。控え柱がないとか鉄筋を入れないとか、そういうことがやりやすいんです。出来てしまえば見た目にはわからないわけです。

ブロック塀について、検査の義務はないそうなんです。現状では建設会社や工務店の良心にお任せという状態。もちろん確りと基準を守っている建築会社もありますが、場合によっては知らないうちに基準違反のブロック塀ができていることもあるとか…。もちろん、塀を積み増すときも検査はないそうです。

★気になる方は、コンクリートブロック診断士の検査があります

最後に、今回の事故を受けて、今後ブロック塀の需要は落ちていくものなのか、再び防災アドバイザーの三舩さんに聞いてみました。

防災アドバイザー 三舩康道さん
この間の熊本地震でもあったんですけど、熊本地震では結構ブロック塀が倒れたんですね。それでブロック塀が需要なくなると思ったんですけど、結構変わらなかったそうです。つまり一回壊れても作りやすいんですよ。あとはコストが安く、メンテナンスが簡単。
ブロックの場合、綺麗な塀よりも多少汚れてもいいんじゃないかという思いがあるんじゃないですかね。あとは植物と違って水をやったりする必要もない。ほったらかしにして良いというのが一番あるんじゃないですかね。
森本毅郎スタンバイ!

お宅のブロック塀、安全ですか?

ブロック塀にはやはり利点も多いとのことで、実際に熊本地震では、基準を満たしたブロック塀が倒壊した建物が道路に崩れるのを防いでくれた実績もあるそうです。ご自宅のブロック塀が不安な場合は、コンクリートブロックの診断士に検査してもらうのが良いということでした。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!