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「AOR界のレジェンド、マイケル・フランクスが日本のシティポップに与えた影響を聴いてみよう」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる音楽コラム

「ニューアルバム発売記念! AOR界のレジェンド、マイケル・フランクスが日本のシティポップに与えた影響を聴いてみよう」

THE MUSIC IN MY HEAD

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお送りしましょう。「ニューアルバム発売記念! AOR界のレジェンド、マイケル・フランクスが日本のシティポップに与えた影響を聴いてみよう」。聴いてみよう聴いてみよう!

【ジェーン・スー】
聴いてみよう!

【高橋芳朗】
7年ぶりのニューアルバム『The Music In My Head』をリリースしたばかりのマイケル・フランクスの特集です。マイケル・フランクスは現在73歳。

【堀井美香】
はー!

【ジェーン・スー】
もうおじいちゃんってだけで堀井さんがうっとりしてるよ。

【高橋芳朗】
もう堀井さん好みのシルバー要素にあふれてますからね。そんなマイケル・フランクスはカリフォルニア出身のシンガーソングライター。1970年代半ばにデビューして以降AORのレジェンドとして、おしゃれなアーバンライフを送る大人のBGMとして、日本でも根強い人気を誇っています。

【ジェーン・スー】
うんうん。

【高橋芳朗】
そのマイケル・フランクス、ここ最近再評価が著しい日本のシティポップにも絶大な影響を及ぼしているんですよ。マイケル・フランクスの音楽的な特徴としては、ジャズフュージョンやボサノバを取り入れたスタイリッシュなサウンド、そして甘く優しいウィスパーボーカルが挙げられると思うんですけど、今日はマイケル・フランクスのこのトレードマークといえるふたつの要素が日本のシティポップにどれだけ影響を与えているのか、実際に聴いていきたいと思います。

【ジェーン・スー】
よろしくお願いします!

【高橋芳朗】
まずは本家マイケル・フランクスの代表曲を聴いてみましょうか。1976年リリースのアルバム『The Art of Tea』収録の「Eggplant」。これが典型的なマイケル・フランクスのスタイルといっていいでしょう。あとで紹介する日本のシティポップをより楽しむうえでも、この曲を通じてマイケル・フランクスの魅力とするところをばっちり頭に叩き込んでください。

【ジェーン・スー】
かしこまりました!

M1 Eggplant / Michael Franks

Art of Tea

【高橋芳朗】
ちなみにタイトルの「Eggplant」は茄子のことで、この曲は茄子を使った料理を19種類もつくれる女性について歌っています。では、ここからはマイケル・フランクスの影響を受けた日本のシティポップの名作を3曲紹介していきたいと思います。まず最初は加藤和彦さんのアルバム『ガーディニア』収録の「Spicy Girl」。1978年の作品です。これはもうアルバム自体がまるごとマイケル・フランクスにインスパイアされてつくられたような節があるんですけど、特にこの曲は曲調/ボーカルともにマイケル・フランクスの影響がわかりやすく聴き取れると思います。安井かずみさんによる歌詞にも注目して聴いてみてください。

M2 Spicy Girl / 加藤和彦

Spicy girl

【高橋芳朗】
曲調もボーカルスタイルも非常にマイケル・フランクス的なんですけど、お聴きいただいた通り、ここでは歌詞も料理をする女性について歌っているんですよ。

【ジェーン・スー】
へー、なににインスパイアされてなにに対してオマージュしているのか、ここまではっきりわかる曲もめずらしいね。

【高橋芳朗】
うんうん。アルバム通して聴いみるとまたいろいろと発見があると思いますよ。ちなみにこの曲、ストリングスとホーンアレンジ、そしてキーボードが坂本龍一さん。以下、ドラムが高橋幸宏さん。ギターが渡辺香津美さん、ベースが後藤次利さんと、錚々たるメンバーが参加しております。それでは次、2曲目はジャズギタリストの秋山一将さんが1978年にリリースしたソロアルバム『Dig My Syle』から「Got That Feeling」を。これは全編英語詞になります。こちらもボサノバ風の曲調、おそらくマイケル・フランクスにインスパイアされたであろうボーカルに注意して聴いてみてください。

M3 Got That Feeling / 秋山一将

ディグ・マイ・スタイル

【高橋芳朗】
エレピの音色が心地よいですねー。

【ジェーン・スー】
うん、素晴らしい。

【高橋芳朗】
ボーカルスタイルはマイケル・フランクスに加えてチェット・ベイカーのエッセンスも入ってる感じですかね。それでは最後、3曲目はシンガーソングライターの桐ヶ谷仁さんが1979年にリリースしたデビューアルバム『My Love for You』から「帰郷」を。こちらもバッキングはYMOのお三方が担当。編曲も坂本龍一さんが務めています。このアルバムの制作にあたってはマイケル・フランクスのあの雰囲気になんとか近づけたいということで、当時のマイケル・フランクスのプロデューサーのトミー・リピューマ、そしてエンジニアのアル・シュミットに直接アドバイスをもらったそうです。

【ジェーン・スー】
へー!

【高橋芳朗】
ちょうどレコーディングのタイミングで来日していたみたいですね。アル・シュミットに関しては、実際にレコーディング作業にも関与しているそうです。で、これまで聴いてもらった2曲、加藤和彦さんと秋山一将さんの楽曲をマイケル・フランクスのオマージュとするならば、この桐ヶ谷仁さんの曲は「マイケル・フランクス歌謡」といった感じでしょうか。マイケル・フランクスの影響を見事日本の情緒に落とし込むことに成功しています。

M4 帰郷 / 桐ヶ谷仁

My Love for You +1

【高橋芳朗】
ええ曲……。

【ジェーン・スー】
ええ曲……。

【堀井美香】
ええ曲や……。

【高橋芳朗】
ちょっとKIRINJIを彷彿とさせるところがありますよね。

【ジェーン・スー】
桐ヶ谷仁さん、桐ヶ谷仁さん、桐ヶ谷仁さん……KIRINJIじゃん!

【高橋芳朗】
フフフフフ……桐ヶ谷仁さん=KIRINJIさん!

【ジェーン・スー】
桐ヶ谷仁さんのお名前の「きりがやじん」に「きりんじ」が内包されているもんね。

【高橋芳朗】
というわけでマイケル・フランクスの影響を受けたシティポップを3曲紹介しました。そのほかマイケル・フランクスが日本のポップスに与えた影響としては1977年のこれも代表曲、「Antonio’s Song」が世代を超えてたくさんのアーティストにカバーされているんですよ。ざっと挙げてみても、南佳孝さん、高中正義さん、石川セリさん、南沙織さん、杏里さん、UAさんなど。このへんをオリジナルと聴き比べてみるのも楽しいと思います。ニューアルバムの『The Music In My Head』ともども、ぜひチェックしてみください!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

6/18(月)

(11:03)  Sun Song /  Stuff
(11:33)  Oh No, Margarita / Patti Austin
(12:10)  Another Day Won’t Matter /  Billy Ocean
(12:20)  Something On Your Mind / Melba Moore
(12:48)  ムーヴィング /サーカス

6/19(火)

(11:05) All Over The World / Electric Light Orchestra
(11:21) All Those Years Ago / George Harrison
(11:39) Set Me Free / Utopia
(12:13) Haven’t We Come a Long Way / Eric Carmen
(12:23) How Can This Be Love / Andrew Gold

6/20(水)

(11:05) Time of the Season〜二人のシーズン〜 / The Zombies
(11:23) No Milk Today / Graham Gouldman
(11:36) Step Inside / The Hollies
(12:14) Picture Book / The Kinks
(12:24) The Legend of Xanadu / Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich
(12:50) All Our Yesterdays / Small Faces

6/21(木)

(11:07) Marcha Dos Gafanhotos / Nara Leao
(11:23) O Mestre Sala Dos Mares / Joao Bosco
(11:34) Pra Nao Padecer / Doris Monteiro
(12:13) E Melhor Dizer Adeus / Alcione
(12:51) Marie, Come Back / 南佳孝