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「AI時代の犯罪予防」に好奇心!

AI時代のラジオ 好奇心プラス

今回で14回目の好奇心プラスは13日の金曜日!
テーマは「AI時代の犯罪予防」。
東洋大学で犯罪心理学を教えている桐生正幸さんと、
AIを使った犯罪予測システムを開発されている
「株式会社シンギュラー・パーターベーションズ」代表の
梶田真実さんをお迎えしました。

***

東洋大学で犯罪心理学を教えていらっしゃる、桐生正幸さんのご登場!

Q,犯罪心理学ってそもそも何?

「なかなか一言でいうのは難しいが、犯罪者だけに焦点を当てるではなく、犯罪者を取り巻く、例えば被害者、目撃者、などの<人的な要因>と、いつ、どこで、という<空間要因>が入り混じった状況で犯罪が発生するというような前提で、様々な行動分析・データ分析をしていくもの。」

「例えば、万引きや自転車盗難など精神異常とは言えない、私たちと同じ人間行動を行っている人がたまたま犯罪を行ったんだ、という前提で研究をしていくもの」

 

Q,学んだ学生はどこに就職する?

「犯罪というデータを用いて思考する分析するプレゼンする、これらは別に犯罪関連でなくても、マーケティング等にも使える。企業にいく人や、漫才師、落語家など。いろいろ。」

 

Q,近年、犯罪は減っている?

「例えば殺人事件は、戦後間もない時期には年間3千4千だったのが、今や1千件前後。非常に減ってる。先進国の中でも犯罪の発生率が極めて低くて安心・安全な国と言える。ただ、データをよく見ると<性的は被害にあう犯罪>は横ばいか、増えている。特に小さなお子さんが被害に合うものが増えている。全体の減少と、個々の犯罪の増減に注目している。

強盗事件は検挙率が非常に高く罪も重い。リスクとベネフィットを天秤にかけて、特殊詐欺・振り込め詐欺にシフトしていった」

 

Q,「誰でも良かった」そんな無差別で動機がハッキリしない犯罪が増えている印象があるが?

「データを見ていくと日本国内で起きた凶悪事件というのは、同じように系列があって、昔はネット等が発達しておらず表に出ていなかったというのもある。ただ、どうしても最近の犯罪は、犯罪心理学者にしてみても動機がつかみにくい犯罪が増えている。なので生物学的なDNAレベルの話や、社会学的な観点からなど総合的にみるようになっている。

例えば、男性ホルモンの一種「テストステロン」の数値が高いと性的にアグレッシブだと言われている。この、数値の高い人が、例えば制に性に対する認知が歪んでいた場合…相乗効果で犯罪に陥ってしまう。意識レベルではなく、それぞれの悪い影響の相互作用があって起こっている。」

 

Q,その他にも、どんな要因が考えられる?

「サイコパスというもの。サイコパスを測る尺度としてロバート・ヘアという方が開発したテストがある。この尺度を専門の精神科医が診断する事で、サイコパスの得点が高いか低いかを見ることが出来る。しかし、サイコパス得点が高い人物=犯罪者(予備軍)であるかというとそうではない(!)。社会的に活躍している人もサイコパス得点が高いと言われている。社会に対して<積極的に働きかける人>、それが良いベクトルか、悪いベクトルか、その方向性が、例えば生物学的であったり、今の環境であったりが相互作用として出てくる。

サイコパスは感情的な共感性がない、というのが一つある。有名なトロッコ問題という思考実験があって、「トロッコに乗っていて、1人落とせば全員が助かる」「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」というもの。サイコパスの得点が高い人は、有無を言わさず落とせる。すなわち、目の前にいる人への共感性が無いと考えられている。」

 

Q,今後どんな問題がある?

「悪しき環境を取り除き、個人に責任を負わせない。犯罪をしそうだ、というのはその人個人の原因ではなくそこを取り囲む環境を含めて、という発想が必要になってくる。」

 

***

 

AIを使った犯罪予測システムを開発されている(株)シンギュラー・パーターベーションズの代表、梶田真実さんのご登場です!

 

Q,「シンギュラー・パーターベーションズ」とは?

「<パーターベーションズ>とは<小さなゆらぎ>。<シンギュラー・パーターベーションズ>とは<複雑な事象を解析するための理論物理の手法の名前>。元々私は物理を研究していて、その時に専門にしていた手法で、日本語で<特異摂動法>という。例えば方程式があった時に、そこに小さなゆらぎを加えると、そのゆらぎのうち、世界を大きく変えるようなゆらぎの方向がある。それを検出するもの。なぜ社名にしたかというと、小さな変化が大きく世の中に影響を当たるようなものであってほしい、そういう変化を起こしたいという思いがあった。」

 

Q, 犯罪予測できるAIとは?

「物理からアイディアを得ている。そもそも犯罪がどのように起きているのかというと、一回犯罪者が犯罪を犯した場所に複数回訪れるというもの。ラクガキがある場所は、ラクガキが増えていく傾向にある。厳密にいうとそれとは違うが、犯罪者が一度犯罪に成功すると経験値として得て、学習した知識を利用して同じパターンを繰り返しがちである。これを犯罪学の名前で<近接反復被害>という。それをなんらかの数式で表す。犯罪が連鎖している、<=カスケード(雪崩)>のパターンをAIで学習する。そうすると、例えば【住居侵入】だと、【1日後、5日後、9日後】に犯罪者が成功した場所に戻ってくるという。(※2011年シカゴでのデータ ※日本では違う可能性がある)

数式を仮定して、AIで数値を決める。リアルタイムにデータを反映していく。

Twitterのデータを使うと精度があがるという研究結果が出ているが、高額な費用がかかるため自身では活用できていないが、研究をアメリカの警察では実装しているところもある」

 

Q,結果はどのように出る?

「いつ・どこで犯罪が起きそうか分かる。明日、どの場所で、どの時間で、どんな犯罪が起こりそうか。精度が高いもの低いものがあって、高いものはターゲットがその土地に紐づいているもの。そこに住んでいるなど。」

 

Q,<犯罪予測データ>は日本でも活用されている?

「京都府警が導入している。今年度、神奈川県警も。これを入れるだけでパトロールの効率も上がると期待している。日本でも前向きに検討されている。アメリカやブラジルなど世界では非常に活用されている。犯罪発生数が20%減ったという発表もある。」

 

Q,梶田さんの開発された犯罪予測システムのAIの精度はどれくらい?

「シカゴのオープンデータの例で実験してみたところ、アメリカの手法よりも良い精度を出すことに成功した!現在日本でオープンされているデータは、警視庁が1ヶ月ごとの犯罪データを公開している。1日ごとのものを出してほしいと、警察庁の方にお願いをする機会に伝えたところ。」

 

Q,今後どんな問題がある?

「プライバシーの問題と社会の利益のバランスのとり方は考えていく課題。どうバランスを取るべきか。決め方のプロセスをオープンにしていくべき」