お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

「ひきこもりながら働ける」新しい形の働き方▼人権TODAY(2018年7月21日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・
“ひきこもりの就労支援” です。

人権トゥデイ

人権トゥデイ

★はたらく人全員が「ひきこもり」の会社

内閣府は、学校や仕事に行かず、半年以上自宅にひきこもっている「ひきこもり状態」の人は、全国に推計54万1千人いると発表しています。ただし調査対象が15~39歳に限定されているため、実態は100万人近くいるのではないかという見方も…。そこで今回は、ユニークなIT企業について取材しました。代表取締役の佐藤啓さんに、どんな会社なのか聞きました。

株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 代表取締役 佐藤啓さん
弊社は、2017年12月に設立された、日本で初めての、ひきこもり当事者・経験者主体の株式会社です。「(株)ウチらめっちゃ細かいんで (めちゃこま)」です。一つは、ひきこもり当事者・経験者が講師を行なってプログラミングの講座などを教える教育事業。もう一つは、ひきこもり当事者・経験者がホームページなどの開発を行う制作事業。最大の特徴は、在宅勤務が全員基本であること。なので、ひきこもりの方がひきこもったままでも働くことができるのが、一番の特色となっている。
人権トゥデイ

「株式会社ウチらめっちゃ細かいんで」代表取締役の佐藤啓さんに聞きました

実は佐藤さんの従兄弟も15年間ひきこもり状態で、働きたくても働けない人が多くいることは、実感としてあったそうなんです。一方で、「オンラインPC講座」を手がける会社も経営してきた佐藤さんは、IT業界の人手不足にも悩まされていました。そこで、「ひきこもり」と「IT業界」、2つの相性の良さに目をつけて立ち上げたのが、「株式会社ウチらめっちゃ細かいんで」。社名には、ひきこもりの方の特徴の一つ“こだわりとも言える細かさ”を強みにしたい、という社長の思いが込められています。

★得意分野を活かして在宅勤務

現在、10人のひきこもり当事者・経験者が働いていますが、全員在宅勤務のため、佐藤さんはどなたとも会ったことがありません。実際に東北にお住いの、ひきこもり当事者である高橋明史さんに、仕事内容について電話で聞いてみました。

「めちゃこま」で働く高橋明史さん
働き始めたのは、今年の4月の中ごろだったと思います。きっかけは、元々近所で生活困窮者支援事業を行っている団体があって、そちらにお世話になっていたところご紹介いただいた。
メールのやりとりや、エクセルや、グーグルスレッドシートをいじったり、あとは趣味でパソコンで絵を描いていたので、イラストレーターを使った作業を任されたりしている。ペースは一応、週5日のうち忙しいのは1~3日の間。いま全体としてのペースは、私に合っていると感じています。

高橋さんのように元々持っていたスキルを活かして仕事している人も多く、プログラマーとして活躍している人もいるそう。仕事のやり取りは全て電話やチャットで行われ、勤務時間はだいたいお昼前~夕方ごろまで。給与は月7万円程ということです。

★ひきこもり当事者の「自立したい」という思い

現在30歳の高橋さんに、「ひきこもりながら働く」という選択をした理由を、聞いてみました。

「めちゃこま」で働く高橋明史さん
いままで、仕事自体は学生時代からアルバイトを2個やり、卒業してからも何個か仕事していて、派遣だったり正社員だったり、在宅で受ける仕事など色々やってきたんですが、ちょっとした人間関係のトラブルがあるたびに大きく落ち込んでしまい、会社に行けなくなることが多かった。一応いま実家暮らしなんですけど、親の人生と自分の人生…自分の人生は自分で切り開きたいんです。そんな格好良いこと、堂々と言える立場でもないんですけどね。

高橋さんは元々コミュニケーションが得意な方ではなく、学生時代から人間関係で辛い思いをしてきたそう。お金に困っていたという事情もありますが、「親にこれ以上頼りたくない、自立しなくちゃいけない」とも仰っていました。

★ひきこもりは千人千様。一人一人のケアが必要不可欠

「いまのところ、長く頑張って行ければ良いな」とも話していたが、最後に社長の佐藤さんに、ひきこもりの方が仕事を続けていく上でのポイントを聞きました。

株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 代表取締役 佐藤啓さん
基本的に真面目な方がすごく多い。私がひきこもりの方々と接していて思うのは、普通の方よりも、真面目過ぎるくらい真面目。空気を読み過ぎてしまうがあまり、疲れてしまうという感じ。
逆に言えば、仕事をさせ過ぎないように気をつけなければいけない。ですので、個人個人に対しての細かなケア・マネジメント、ここがどれくらいできるかというのが、一番大事なポイントなんじゃないかなと思っています。これはおそらく就労だけでなく、ひきこもりに関するサポートの全てに共通することだと思いますが、ひきこもりって千人千様と言われているんですね。一人ひとり状況も背景も違うので、そこに対していかに細かく寄り添ってマネジメントしていくか、それをきちんとやっていかなきゃいけないと思っています。

めちゃこまでは、メンタルケアの専門家との面談が、週に一度必ず行われます(遠隔)。また、始業時には毎回、いまの気分を%で知らせるルールがあり、「おはようございます。いまの気分は30%です」などと報告することで、自分の気持ちを伝えやすい雰囲気作りを目指しています。
正社員だけでなく、業務委託やアルバイト、更にはボランティアまで、めちゃこまは色んな段階での仕事の関わり方を提供しているが、生きづらさや働きにくさを感じている人にとっては、社会との新しい繋がり方なのかもしれません。

(担当:TBSラジオキャスター 田中ひとみ)
===================
株式会社ウチらめっちゃ細かいんで
https://mechakoma.com/
===================