お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • コラム
  • 放送ログ

【相談】病気と怠けの境目が分かりません(32歳・女性)

ジェーン・スー 生活は踊る

ラジオパーソナリティであり、作詞家・コラムニストでもあるジェーン・スーさんが皆さんの悩みにお答えする人生相談コーナー。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」の中で月曜日から金曜日まで、お相手のアナウンサーと共に毎日一緒に考えたり悩んだりしています。

TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」7月13日(金)放送
ジェーン・スー&堀井美香(TBSアナウンサー)

× × × × × × × × × × × × × ×

【ジェーン・スー 今週の金言】
「「みんなが当たり前にやってることができない」って、誰もがみんな悩んでいること。ご心配なく!」

× × × × × × × × × × × × × ×

【相談】「イネ」さん(32歳・女性)さんからの相談メール

スーさん、堀井さん、初めまして。
32歳専業主婦、1歳の子供がいるイネと申します。

わたしの悩みは、「病気と怠けの境目が分からない」ということです。

わたしは長年、「PMS(生理前症候群)」に悩まされており、ひどい時には月の半分はその不快感でまったく調子が出ません。家事は最低限、育児はなんとかやっていますが、笑顔で楽しむ育児、とは程遠いです。症状のない時は家事も育児もスムーズにいきます。

主人はありがたいことに家事にも育児にも協力的で、休日はわたしが一日寝ていても、問題なく家庭がまわります。先日、わたしのPMSの大波がきたとき(大波の時は、すぐ横になってスマホをいじるか、寝てしまいたくなります。起きるのも食べるのも面倒、着替えたりお風呂に入るといった、生活の最低限の行為でさえ面倒になります)、主人は平日の朝も、仕事の前に子供に朝食をやり、外へ散歩に連れ出してから、通勤していました。

そんな中、わたしは何も言わない主人に甘えて、どんどん堕落していく感覚でした。やってくれるから、まあいいや、の繰り返しで、子供に合わせて、朝起きることもせず、子供が就学したら一体どうなるのかと思ったりもします。

これは「怠け」なのだとも思います。結婚する前、会社勤めをしていた時は仕事の責任感もあり、無遅刻無欠席でした(その分、休日は泥のように寝ていました)。また、どうしてもやらなければならないことや、楽しい予定があると、できるのです。なので、やろうと思えばできるのです。ですが、PMSの大波が来ると、無気力感に負けてしまい、なかなか体を起こすことすらできません。これは一体どこまでが病気なのでしょうか。

スーさんや堀井さんも、毎日体調万全!というわけではないと思います。皆さん、何かしらの不調を抱えながらも、自分をどのように鼓舞して日々がんばってらっしゃるのでしょうか。ちなみに、PMSに関しては、今月から婦人科での治療を開始する予定です。

みんな当たり前にやってることができず、こんな真剣に思い悩んでバカだなーと思いつつメールを書きました。でも、子供もいるし、どうにかこの状態を変えたく、スーさんのアドバイスが欲しいと思い、思い切ってメールしました。よろしくお願いします。

× × × × × × × × × × × × × ×

■ジェーン・スーとTBSアナウンサー堀井美香の回答――

ジェーン・スー:「Premenstrual Syndrome(月経前症候群)」、略して「PMS」。堀井さんはご存じでしたか?

堀井美香:わたしは初めて知りました。

スー:意外! 結構、女性は知ってる方が多いと思ってたんですけどね。

堀井:なんとなく症状としてあるのは知ってたんですけど、「PMS」と言う名前がついてることは知りませんでした。

スー:あー、なるほど。でも、じゃあ意外とPMSを知らない人、多いのかもしれないですね、生理の話ってそんなにオープンに話すことじゃないと思われてますけど、私としては、お天気の話題ぐらいにカジュアルにできたらいいなと思ってます。もちろん強制はしないけどね。

でも、話すとお互いの理解が多少は進むじゃないですか? 男性もそうだし、女性同士でも実は差がすごく大きい問題ですから。「ああ、あなたはそうなんだ」って情報が共有できるといいなと思ってるんですよ。あんまり隠したりするのも、なんだか悪いことしてるみたいじゃない? それはちょっと違うなと思ってるわけですよ。

さて、軽くご説明いたしましょう。PMS、月経前症候群。生理の大体3日〜10日前ぐらいから起こる、心と身体の体調の変化・不調ですね。月経が来ると症状が弱まって、やがて消えていくとされています。ただ、これは本当に人によって千差万別で。症状が非常に重い人から軽い人までさまざまいます。

ただひとつだけ言っておきたいんですけど、昔、マンガとかドラマで女の人がイライラしてると、「おっ、生理かい?」なんていう品のない囃し立てがあったじゃないですか。だけどこっちは、この時点で「わかっとらん!」っていう話で。

もちろん生理中にイライラする人もいるけど、どちらかと言えばPMSの時期にそういうことが起こるのが多いとされているので。なので、その時点で「門外漢!」っていう感じはしてしまいますよね。

ところで堀井さん、PMSの不快な症状って何種類ぐらいあると思います?

堀井:えっ? 20とか、30……?

スー:200種類だって! たとえばイライラ、怒りっぽくなる、肌が荒れる、ニキビができる、下腹部の痛み、腰の痛み、頭痛、だるさ、乳房が痛い、落ち着かない、憂鬱さ……。人によって、月によって全然違うんですよ。

堀井:精神的なものから肉体的なものまで、たくさんありますよね。

スー:もちろん予防や治療は婦人科に行って相談なり、ひどいものに関しては治療するべきだし、対応する方法はたくさんあるとは思います。

ただ、そもそもこの「いね」さんは、「PMSの大波が来た時にやらなきゃいけないことがあるのにできない」ということに悩んでいて。でも、それって当然のことだと思うんですよね。だって、PMSじゃなければできるのに、PMSの時にはできない。「これって怠けないんじゃないでしょうか?」って、いやいや、そうじゃなくて、それがPMSなんだよ!っていう話で。グルッと回って戻ってくるんですけど。

「月の半分は不快感で全く調子が出ません」ということをすごく自罰的におっしゃってるんですけど、たとえばPMSが10日間ある人は、その後の生理が5日と見積もって、それが重い人だとしたら、もうそれで月の半分はダメじゃないですか。体調が悪いのもしゃあない。

「笑顔で楽しむ育児とは程遠いです。でも、症状のない時は家事も育児もスムーズに行きます」って、これはこれでいいじゃない。ダメなの?

堀井:うんうん。ねえ。旦那様も協力してくださっているし。

スー:そうそう。だから、もしこれで「夫に理解がなく、協力してくれなくて」っていうことならなかなか大変だけど。旦那さんは家事にも育児にも協力的で、休日は寝ていても問題なく家庭が回るなんて、素晴らしいじゃないですか。

美香:素晴らしいと思います。ただ、それでも怠けている気がしてイヤなのであれば、たとえば「ひとつだけ頑張ろう」みたいなことを設けるとかね。

たとえば、お子さんが学校に行くようになったら、朝だけはちょっと頑張って、子供を見送る時だけ30分とか1時間早く起きる。その後はまた寝てもいい、みたいな。どこかでちょっとだけやれることを見つけてみるのもありかもしれない。

スー:ねえ。あとは手伝ってくれる旦那さんに、「本当にいつもありがとう」って、残りの15日で労うようなことをしてみるとかさ。それで回っていくんじゃないのかな?


スー:メールには、「これは怠けなのだと思います。結婚する前、会社勤めをしていた時は無遅刻無欠勤でした。しかし休日は泥のように寝ていました」って書いてあるけど、それってつまり、「無理してた」以外の何物でもないじゃん。

美香:頑張ってたんだよね。

スー:そう。無理というよりも、「頑張ってた」んですよ。で、「頑張ってない」ことは怠けでもなんでもなくて、そもそもそれが自分のキャパであり能力だとしたら、もうそこを拡張しようとしなくたっていいじゃないですか。

いや、でも、わかるよ。誰だってさ、男女問わず「みんなが当たり前にやってることがどうしても自分だけできないんだろう?」って悩むこと、ひとつぐらいはあるじゃないですか。

美香:ありますよ、みんな。スーちゃんもあるしさ。

PC

スー:わたしだって、書き物の仕事をしたり、しゃべる仕事をしたりしてる時、たとえば下調べ。「みんなはもっとちゃんとやってるんじゃないのかな」とかさ。書く仕事も「ああ、もう集中力がなくなっちゃって全然書けない。私よりたくさんの連載をやってる人だっているのに!」とかさ。それは他人の才能に対する焦りとか嫉妬とは、また別のものなんですよ。ちゃんと「数が多いものをきちんと納期に納めてる」人を目の当たりにして、「なんてわたしは怠け者なんだ!」って思ってしまう。上を見りゃキリがない話なんですけどね。

相談者さんはちょっと疲れてるんですよ。だって、お子さんもまだ1歳でしょう? メールに書いてらっしゃらないけど、夜中にお子さんが目を覚ますことだってあるわけじゃないですか。食事はまだおっぱいなのかな。ミルクなのかな。わかんないけど、2時間おきに寝たり起きたり泣いたりして、そりゃあ疲れるよ。

美香:そう。で、そこはご主人もわかっていてお手伝いして下さってると思います。そのかわり、「症状が出ていない時はフォローするからね」って、そういう共有ができるといいですね。

スー:わたしも過去にお付き合いしてる男性には、毎月の体調の変化を隠してたんですよ。そういうのを言うのがイヤで。「みっともない」とか「恥ずかしい」って思ってたんだけど、でもやっぱりある時、ちょっと無理が来て。

一緒に出かける予定を立てて、向こうは悪気なく外をガンガン歩き回ったりするんだけど、こっちはもう顔面蒼白でぶっ倒れそう、みたいな。で、あるタイミングでちゃんと話をするようになったら、意外とそこを冷静に共有した方が関係はうまく回るな、と思ったんですよね。それからはそういうふうにしてます。

美香:うん。だから相談者さんもカレンダーごと送ってあげて(笑)。

スー:今はいろいろアプリとかもありますからね。いろいろ試してみて。

でもとにかく、「こんなことに真剣に悩んでいていいのかな。どうにかしてこの状態を変えたい」って言うけど、この状態を変えるんじゃなくて、マインドセットを変えてください。月に15日、体調が悪くなるのはもう仕方がない。自分はそういう人なんだから。もちろんPMSの治療は、それはそれで行く。だけど、自分を責めないで、手伝ってくれる人に感謝して、残りの15日エンジョイする方向にマインドセットを変えた方がいいと思います。

「みんなが当たり前にやってることができない」っていう悩みは男女問わずみんな持ってるんで、ご心配なく!
—————————————————
TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」毎週月~金 11:00~13:00
※「相談は踊る」コーナーは、毎週月~金 12:00頃から放送中。
https://www.tbsradio.jp/so/

7月30日からスペシャルウィーク!
みんなの「買ってよかったもの」が集まります。
「とにかく言いたい! すすめたい!スーさん、これ買ってよかったよ!」
詳しくは、番組HPにて!