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受刑者専用の求人誌▼人権TODAY(2018年7月28日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で、8:20頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

難しい出所者の就職を支援

今回は「チャンス」という受刑者専用の求人誌を紹介します。刑務所や少年院から出た人の社会復帰を支援するもので、今年3月に創刊されました。

受刑者専用求人誌「Chance!!」

制作したのは、犯罪歴のある人を支援している「ヒューマン・コメディ」という会社の代表・三宅晶子さんです。出所者が働く難しさについて、三宅さんはこう話します。

三宅晶子さん

刑務所を出た人はやり直しが難しい。家族からも絶縁されていたりして家がない。住所が持てないので仕事どころではない。漫画喫茶やネットカフェを泊まり歩いて、お金が尽きると些細な事件を起こして刑務所に戻っていく人が多い。今は大抵ネットで名前をチェックされるので、ニュースになった人は難しい。

なぜ、受刑者専用の求人誌が必要だと考えたのか。三宅さんに、受刑者の求人の状況を聞きました。

三宅晶子さん

ハローワークって、一般の求人の他に「受刑者等専用求人」という枠があるんです。それに登録していれば、刑務所内でも就職活動できる。でもハローワークの求人を見ただけでは何も見えない。結局、入ってみたら最低賃金以下の給料だったり、寮完備と書いてあったけど狭い部屋に5~6人押し込められたりするケースもあるんです。

普通の求人誌にはない特色

この求人誌「チャンス」の特徴としては「代表者のメッセージ」がかなりの紙面を割いて載っています。

例えば「非行歴や犯罪歴があっても思いやりを持って取り組めば人に喜ばれる」「過去のことは一切関係ない。自分がこれからどう生きるかだ」「本気で人生を変えたい覚悟があるなら、あなたの人生を預かって全力で応援する」こんなことが書かれて、ただの求人広告よりも、その会社のイメージがより膨らみます。

もう1つ、特徴として「採用できない罪状(犯罪歴)」という項目があります。例えば、ある会社では「性犯罪をした人は採用しません」ということだったり、また、ある会社では「殺人や強盗」などの犯罪歴がある人はダメだったり、刺青が隠せないとダメだったり・・・というところもある一方で、別のある会社は「特になし!どんな犯罪歴でも受け入れます」というところもあるんです。その他、すべての漢字にルビを振る配慮もされています。

そんな求人誌「チャンス」の現在出ている夏号に掲載されている会社は建設業や飲食店など16社ですが、今後、増やしていく予定だということです。

「チャンス」に掲載の福祉施設の代表

父が捕まってたので。何かこの業界で出来ないかと。依存症の当事者だった人を結構求めてますね。お酒、ギャンブル、このあたりが多いんですけど。うちの福祉施設の利用者が精神障害者、その中でも特に依存症なんですよね。なので元々依存症だった人をスタッフに欲しいなと。

一方、「チャンス」を通じて仕事が決まった人にも話を聞きました。

近く鹿児島県内の飲食店で働く50代男性

3度服役しているんですが、2回目、3回目は自分から刑務所に行きたいという形だったんです。2回目は人間関係を本当に切りたかったのと、3回目はもう死にきれなくて。逃げ込む形ですね。自分で刑務所に行きたいと思ってました。今回、ご縁をいただいた三宅さんに感謝して、出会えた社長とも。ワクワク、楽しみしかないです、今。

ヒューマン・コメディでは、仕事が決まった後のケアもきちんとしていて、、受け入れ先の会社と人材との連絡を定期的にとって、仕事が長く続くようフォローをしています。ただ、中にはすぐに辞めてしまったり、行方不明になった挙句、また刑務所のお世話になったりと、難しい面もあるようです。

代表の三宅さんは「過去があったから今がある。すべての人は過去を価値に変えることができる。犯罪を許すのは難しくても、出所後にやり直しがきく社会であってほしい」と話しています。

なお、この求人誌「チャンス」は年4回発行で、次は秋号が9月に出る予定です。全国の刑務所や少年院、更生施設などに配布されるということです。
また、ヒューマン・コメディのホームページでは最新号が見られますので興味のある方はご覧になってください。

(担当:進藤誠人)

■ヒューマン・コメディ ホームページ
http://www.human-comedy.com/