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「かかと荒れ」原因と治療法について

森本毅郎 スタンバイ!

夏になると、サンダルやスリッパを履く事も多くなると思いますが、ふとかかとを見ると、 気付かないうちに荒れていたり、ひび割れていた、なんていうことないでしょうか?このかかとあれ、見た目が気になる、というだけではないんです。放っておくと、痛みで歩けなくなったり、そうした痛みが影響して、 高齢者の場合、転倒の原因になり、介護が必要になるという調査結果も出ています。そこで、今回はかかと荒れの原因や、かかと荒れの治療などについて7月30日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★かかと荒れの原因

原因の1つ目は、乾燥です。足の裏は、他の部分に比べて、もともと乾燥しています。「そんなことはない」「歩くと湿っていて、ペタペタする」という人もいるでしょう。確かに足の裏は湿っているように感じますが、それは汗のせいです。汗はかくのですが、ただ、足の裏は、脂を分泌する皮脂腺が存在しないので、脂は不足している状態にあります。この脂の不足が影響して、乾燥しやすい状態になり、かかと荒れにつながってしまします。脂のない状態で、水分が汗としてどんどん出て行く、というわけです。

原因の2つ目は、かかとへの、行きすぎた刺激です。立った状態で足裏にかかる体重は、30%が足先に、70%はかかとにかかっています。これだけでも、かかとが刺激を受けているのはわかると思いますが、ただ、体重を支える刺激だけなら、ある程度は耐えられます。

問題は、それだけの体重を受けながら、摩擦が発生していることです。サイズがあっていない靴を履くことで、前後左右にずれて、これによって、 かかとの周りが影響を受け、かかとの周りが固くなったり、割れやすくなります。 また夏には、素足でサンダルなどを履くことによって、紫外線を浴びたりすます。そうすると、かかとの皮膚の外側の角質が厚く硬くなって、ひび割れの原因にもなります。

かかとが荒れる原因の3つ目は、古い角質がたまる事です。常、皮膚が生まれ変わると、古い角質は剥がれ落ちていきます。順調に剥がれ落ちれば、新陳代謝が進み、新しい皮膚になるので問題ありません。ところが、足の場合、新陳代謝が遅れがちで、そのことで、かかと荒れになりがちです。そもそも、かかとは他の皮膚に比べ、新陳代謝に時間がかかります。 例えば、顔の皮膚は、28日で新陳代謝が終わり、生まれ変わります。ところが足は、120日もかかるので、角質がたまりやすい環境にあります。

★かかとの構造を知る

かかとにはもう1つ、新陳代謝を遅らせがちな問題があります。かかとの構造を見ると、まず骨があり、その下に丈夫な腱があり、そして体重を支えるための分厚い皮下脂肪、そして皮膚という構造になっています。

そして、この分厚い脂肪の中を毛細血管が通って、皮膚に栄養を届けていますが、 かかとは体重のほとんどを受け止める過酷な場所なので、毛細血管も切れやすく、栄養が届かず、古い角質がたまりやすいのです。新陳代謝の周期が長いのと、毛細血管が壊れやすく、栄養が届かないので、 余分な角質がたまり、角質が厚くなり、ひび割れする悪循環になります。

★かかと荒れの問題は、見た目だけに止まらない

ひび割れると、角質を超えて、皮膚も割れるので、歩くのも痛い状態になります。そうして、かかと荒れで痛みが出ると、要介護のリスクにもつながります。これは早稲田大学スポーツ科学学術院の中村好男教授らが行った調査でわかりました。足に何らかの炎症を抱えている人は、ない人に比べ、転倒リスクが高いと指摘しています。中村先生は、指や爪に、いわゆる水虫がある人とない人を比較調査し、ある場合は、 男性で1・37倍、女性では、1・29倍、転倒するリスクが高かったと指摘。その上で、水虫だけでなく、かかと荒れなどの皮膚の炎症や血流障害を持つ人は、 転倒リスクが高く、骨折など、要介護になる原因のひとつだと注意喚起しています。

★どのように予防するのか?

まず、早期発見が大切です。かかとが荒れた、角質がたまった場合は、早めに皮膚科へ。かかと荒れかどうか、皮膚科でチェックを受けて薬を処方してもらいましょう。治療、そして予防では、保湿剤が中心になります。これについては、足育研究会理事の皮膚科医・今井亜希子先生に伺いましたが、保湿剤は、大きくわけると「ビタミン配合タイプ」と「尿素配合タイプ」があります。

「ビタミン配合タイプ」は、ビタミンEが入っていて、血行促進作用がありますので、 保湿だけではなくて皮膚を柔らかくして血行を促進するという働きがあります。

一方の「尿素配合タイプ」には、角質を少し溶かすという作用があるので、これによって角化した皮膚の厚い部分に使いやすいというメリットがあります。ただ「尿素配合タイプ」は、刺激がありますので、割れたかかとには注意が必要です。

問題は、保湿剤の正しい塗り方です。タイミングと量が重要です。塗るタイミングは、入浴後がベストです。角質が水分を含んだ状態だからです。そして量ですが、思っている以上に、ベトベトに塗る必要があります。適切な量は「人差し指の先端から第一関節まで」で、それを、手のひら全体を使って塗り、かかとを手のひらで温めながら塗ります。かなり、かかとはベタベタしますが、この量が、正しい量です。

正しく処置すれば、ひび割れで痛みのあった人も、3日後には痛みがなくなります。 ・ある患者さんの場合、ひび割れの深さが0・7ミリあったものが、 2週間ケアすると、0・3ミリと浅くなっていました。

★靴と靴下でかかとへの刺激を軽減

もう1つ、かかと荒れの原因の「足への刺激」ですが、これは靴と靴下で予防です。正しい靴選びは、足が靴の中でぶれないとうことで、ポイントは5つあります。

  1. 「靴ひもやベルトで調整でき、足の甲を押さえられるもの」
  2. 「足先の形があっており、先端に適度なゆとりがあるもの」
  3. 「かかとをしっかりサポートするもの」
  4. 「靴底が安定し、足指の付け根で曲るもの」
  5. 「ヒールの高さは2~3センチまでのもの」

そして、靴下は「保湿性」「クッション性」のために重要なので、なるべく履くといいでしょう。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180730080000

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