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障害のある人が活躍する農場「ごきげんファーム」▼人権TODAY(2018年8月11日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時20分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…2018年8月11日放送「障害のある人が活躍する農場」です。

障害のある人が生き生きと働く農場を目指して

茨城県つくば市に、様々な障害を抱える人たちが働き、たくさんの種類の野菜を作っている「ごきげんファーム」という農場があります。農場を運営するNPO法人「つくばアグリチャレンジ」代表の伊藤文弥(いとう・ふみや)さんに活動のきっかけを伺いました。

「ごきげんファーム」農場長で、NPO法人「つくばアグリチャレンジ」代表の伊藤文弥さん
大学2年生の時に議員インターンシップに参加して、その時に一緒に活動していた市議会議員の方が関心があったのが「発達障害」と「農業」の地産地消でした。政策調査の手伝いをしていく中で、つくば市の農業の現状だけでなく、つくば市の学校で発達障害のある人がどんな現状にあるのかを目の当たりにしました。そして、発達障害の人が身近に感じられたんです。理解されずに苦しんでいる人がいると。それで関心を持つようになったんです。

「ごきげんファーム」工場長で、NPO法人「つくばアグリチャレンジ」代表の伊藤文弥さん


社会の中で孤立しがちな障害のある人たちが「自分も社会の一員なんだ」と実感を持ってもらえるような、そんな場所を作りたい。福祉の問題を農業という手段をもって解決したい。その思いから「ごきげんファーム」ができました。

「地域と接する」を農業で実現

障害のある人は社会でも孤立しがちです。働ける場所も限られてしまいます。そこで伊藤さんは、「障害のある人でも生き生きと活躍できる場所」と「地域の人に日常的に食べてもらえる野菜を作ること」を目指しました。
地域の人から土地を借り、知恵を借り、農家の人から技術を教えてもらい、障害のある人と一緒に野菜を育てる。育てた野菜は、近隣の住民に販売して、地域に還元する。「地域と接点を持つ」ことに関しては、農業という仕事は優秀だと伊藤さんは言います。

最初こそ少ない種類から始めましたが、現在は、ネギ、落花生、ピーマン、ナス、ニンジン、サトイモ、タマネギ、トウモロコシ、トマト、ジャガイモ、オクラ、シシトウ、空芯菜、枝豆…など100種類ほどの野菜を作っています。農場を耕すところから、種をまき、雑草を刈り、手入れをし、収穫をする。すべて障害のある人たちがやっています。
「ごきげんファーム」で働いているのは、精神障害・知的障害を抱えている人、そして身体障害を抱えている人もいます。いろいろな方が働いていることについて伊藤さんはこのように話します。

「ごきげんファーム」代表の伊藤さん
精神障害の中でも鬱病、双極性障害、統合失調症、発達障害の方がいます。知的障害でも程度もあるし、自閉症もいるし、多様な方がいます。良いことも悪いこともありまして、悪いことは喧嘩が起きること。全然違う障害なので分かり合えない部分があります。でも助け合いができるので、そこがすごく良いところだなと。農業やっていても力仕事、体力仕事が得意な方。そういうのは得意ではないけども、機械の操作が得意、運転できる方とか。力を合わせていいこと、いいものが生みやすいなと。

耕作から出荷まで

2011年に農場で野菜を作ることからスタートした「ごきげんファーム」。
当初は、個人営業店や飲食店に野菜を降ろしていたそうですが、現在は野菜セットにして宅配するのがメインとなっています。もちろん、野菜の仕分け、袋詰め、シール貼り、配送のための箱詰め、そして、配送作業自体も障害のある人たちがやっています。ですから、配送先は主につくば市近辺に限られます。しかし、それは、地域で育てられたものを地域に還元したいという思いの表れでもあります。
仕分け作業をしていたお二人の方にお話を伺いました。

野菜セットにして地域の購入者宅まで配送

「ごきげんファーム」で働く男性
出荷場でジャガイモの選別をしたり、袋詰めしたり、シール貼りをしています。午前中から夕方まで仕事しています。先に車の免許証を取ってから、この「ごきげんファーム」に入りました。竹を切断する作業のために「ごきげんガーデン」に移ったりとか、大雨ですと出荷場で頑張ったりとかしています。平成24年の5月にここに入ってきまして、6年目になります。

仕分け場・出荷場の周りには地元の農家の方々から借りた農場が点在していて、そこで、多くの障害のある人たちが農作業をしています。現在は100人ほどの人が登録していて、それぞれの持ち場で働いているそうです。
現在は、運営するレストランで、収穫した野菜を使って食事を提供したり、最近はお米の栽培や養鶏場も始めたそうです。自分たちの団体の農場の他に、地域の働き手不足の農家さんのサポートも行っており、毎日数名が農家にお手伝いに行っています。
一般向けの体験型農園も運営し、週末は多くの人が「ごきげんファーム」に農業を楽しみにやって来ます。レストランのお手伝いや体験農園の管理も障害のある人たちが行っています。

仕分け場で袋詰めされた野菜

「ごきげんファーム」農場長の伊藤文弥さん
野菜セットにして、定期的に購入してくれている方に自分たちで届けていますが、どういう活動をしているのかを伝えないといけないと思うので、野菜と一緒に活動報告を必ず入れています。どんなことが今月あったのか、こんなスタッフが働いていますとか、こんなイベントやりますというようなこと。農業を通じて障害のある人たちが暮らしやすい地域をどのように作っていくかということになると、地域の人とどのようなことができるかが大事。農業イベント、餅つきなんかをみんなでやったりします。

お正月には餅つき、夏には流しそうめん、秋には収穫祭を企画し、障害のある人たちが地域の中で輝ける社会を目指しています。

取材では、点在する農場、養鶏場、仕分けをする場所、レストランを見せていただいたのですが、それぞれの現場で一人ひとりの名前を呼んで声をかける伊藤さんと、突然やってきた私にも大きな声であいさつしてくれた障害のある方々の姿が印象的でした。

ごきげんファーム(NPO法人「つくばアグリチャレンジ」)
https://gokigenfarm.com/
住所:〒305-0043 茨城県つくば市大角豆2168-1
TEL:029-875-5660

(取材報告:TBSラジオ・ディレクター 瀬尾崇信)