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境界のない世界をアートで再現 ~チームラボ代表:猪子寿之さん

コシノジュンコ MASACA

2018年8月26日(日)放送

猪子寿之さん(part 1)
1977年徳島県生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業。2001年に、アーティスト・プログラマー・CGアニメーター・数学者・建築家など、様々な分野のスペシャリストからなる集団「チームラボ:を創設。2012年、欧州最大のバーチャルリアリティ博覧会「Laval Virtual 2012」で建築・芸術・文化賞を受賞。台湾国立美術館にて、外国の企業では初めて古典を開催。以降国内外で活躍し、2017年には第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞も受賞。今年6月には東京お台場に「森ビル デジタルアートミュージアム EPSONチームラボ・ボーダレス」がオープンし、話題を集めていいます。

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JK:もうやったわね! ノリにノッてるでしょ、今。

猪子:いえいえ。

出水:私とジュンコさんも早速行ってきました。楽しかったですね~!!

JK:全部見るのに2時間かかっちゃいました! 何時間でもいたいんだけど、とにかく人がすごいし、人の合間を縫って体験するってすごい。

猪子:7時間ぐらいいらっしゃる方もいます(^^)

JK:7時間! 半日がかりね、もう暮らす」って感じ。

出水:黒い部屋の中で波が絶えず打ち寄せては返していく。その波も、粒子レベルで解析したという非常に凝っているそうですね。

猪子:そうですね。その話は長くなるんで(笑)難しい話は止めましょう。

JK:私はやっぱり動くってことにものすごく興味があって。ボーダレスって境界線がないわけでしょう? それを人間にたとえたり、自然にたとえたり、地球にたとえたり・・・そこが好きですね。

猪子:本当は世界って境界がないはずなんだけど、人間が作り上げた都市は境界だらけになっていて、境界があることが前提になっている。でも、本当は地球と宇宙には境界はなくて、連続的な関係だし、お互いに影響を受け合っている。そういう世界を都市の中に作りたかったんです。ぼくらがいままで作ってきたアートは1つ1つコンセプトも作った時代も違うんだけど、それを境界のない形に作り直した。たとえば花の作品と滝の作品を並べて、滝の水が少なくなると花がばーっと滝の部屋まで浸食していって、逆に滝の勢いが強くなると、花は散るようにいなくなる。もしくは、1つの部屋で作品が終わると、作品自体が通路を通って部屋を出ていくとか。

JK:私の場合、繊維でたとえると、人間の肌って最高だと思うんです。縫い目がない。「天衣無縫」。境界線がないもの、空気や水は最高だと思うんです。今回のミュージアムにもそれを最終的に集約してあって、花とか葵鳥とか人間的なものが織り込んであって・・・それがいいなと思いました。

猪子:そうですか。ありがとうございます。


JK:やっぱりボーダレスって、大きなテーマよね。これがどんどん広がっていく。猪子さんの仕事もどんどんボーダレスに世界に広がっていくし。ミュージアムでも、みんなが自由にそれぞれ違った体験をしてるでしょう。ダイナミックだと思いました。

出水:今回の展示でも、あえて説明をいれてないですね。あれはあえて?

猪子:いえいえ、インターネットには作品ごとに、誰が読むんだって思うぐらい小難しい説明がいーっぱい載ってます(笑) 会場ではとにかく境界のない作品群のつながりを表現したくて、説明を置くような場所を作るのが難しかった。さまよいながら、いろんなレイヤーで発見してもらいたいなと思ってたので、説明は一切なし。自分自身で自分の好きなものを発見したり、自分の価値観が広がっていくことを発見してほしいなと思います。

出水:総面積が1万平米、5つの部屋で構成されていて、設置した特注のコンピュータが520台。ここまでの規模の展覧会って、世界でもあまりないんじゃないですか? 初期投資もかなり・・・?

猪子:作品が境界のないアート群なので、部屋から移動したり、場合によっては作品同士が影響を受け合ったりしている。だから、作品同士がコンピュータでリアルタイムにずっとコミュニケーションしているんです。蝶がたくさん飛んでいたでしょう? あれは、入口の蝶が部屋を出てからずーっと会場の中を舞っているんです。 ある部屋に蝶が1万匹いたら、1万匹がそれぞれ他の部屋と通信し合っている。上のフロアでトカゲとかワニを描く場所があるんですが、そこで描いた蝶が、階段を下りて下のフロアに降りていって、他の蝶と互いに通信している。自分が描いた蝶が1万匹の中にいるかもしれない。誰も気づかないんですけどね(^^;)誰も気づかないことだらけなんです(笑)

出水:アスレチックのエリアでは、体全身でアートを楽しめるようになってますよね。


JK:私も7歳の子どもと行って、まぁ楽しんでましたよ! トランポリンでアートを全身で体験してるって感じ。一緒になって、っていうのが今までなかったわよね。

猪子:あれもトランポリンではないんです。トランポリンって構造上1人でしか遊べないんですけど、あそこは何人でも乗れるんです。でも、ぶつかりすぎて怪我をするといけないので、いまは人数制限しています。

出水:「運動の森」では、星の一生がテーマになっているんですよね。

猪子:いまなんとなくわかっている宇宙の仕組み、星がどうやってできたのかとか、そういうのをテーマにしています。自分が飛ぶことで自分の重さがわかって、重さが時空をゆがめて、時空のゆがみが重力になり、重力で宇宙の塵が集まって星が出来ていく、という。

JK:その発想はすべて猪子さんから? チームだからいろんな人がいると思うんだけど、それぞれが自由に意見を出すの?

猪子:うーん、自由にも意見を出すんですけど、基本的なテーマは自分が決めます。自分が全部一貫してみていくんですけど、造りながら考えていくし、考えながら作ってい来ます。

JK:猪子さんの作品って、やっぱり日本よね。それは意識しているの? それは、そうなっちゃう?

猪子:ちょっとマニアックな話になるんですけど・・・たとえば写真は空間をレンズで平面化しているんですが、僕らは近代以前の日本の空間認識で平面化している。そういう意味で、すごく古典的な日本を感じるのかもしれないですね。

JK:もともと日本って平面的ですよね?

猪子:それを僕らは平面的だと思ってなくて、写真とは違った論理構造があると思っていて。それを使っているんです。・・・ね、マニアックな話でしょ(^^;)

=OA楽曲=

M1. Birdland / 高木正勝