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MASACAのコンペ連敗記録更新中?! ~チームラボ代表:猪子寿之さん

コシノジュンコ MASACA

2018年9月2日(日)放送

猪子寿之さん(part 2)
1977年徳島県生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業。2001年に、アーティスト・プログラマー・CGアニメーター・数学者・建築家など、様々な分野のスペシャリストからなる集団「チームラボ:を創設。2012年、欧州最大のバーチャルリアリティ博覧会「Laval Virtual 2012」で建築・芸術・文化賞を受賞。台湾国立美術館にて、外国の企業では初めて古典を開催。以降国内外で活躍し、2017年には第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞も受賞。今年6月には東京お台場に「森ビル デジタルアートミュージアム EPSONチームラボ・ボーダレス」がオープンし、話題を集めていいます。

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出水:徳島市のご出身ですが、どのような子供だったんですか?

JK:きっとヤンチャよねえ?

猪子:ヤンチャじゃないですよ、普通(笑) ただ、小学校の裏に城山といって、もともと徳島城があった小さな原生林の山があるんです。森っていうと人の手が加わっている植林がほとんどなので、町中に原生林があるのは珍しくて。原生林の山でよく遊んでたんですよね。そういうのが良かったなと思います。

出水:その当時はどんな夢を抱いていたんですか? なりたい職業とか。

猪子:いや、夢とかはないんですけど・・・夢とか人に聞くのは失礼だと思うんです。世の中の真実はころころ変わっていくわけです。よく言われていますけれども、今あるほぼすべての職業が20~30年後にはないんです。ないことが予測されているのにも関わらず、子供に夢はなんですかって現状にあるものから決めさせるわけですよ。言葉によって。

出水:た、たしかに! 取って代わられる職業がたくさんあるのにね。

猪子:なくなる職業の中から選択させるっていうのはヒドイ行為だと思うんですよね。夢を捨てるみたい。

JK:子供のころからボーダレス授業をしないとダメね。どんどん変わっていくから。言葉も、日本語から英語にするだけでも世界が広がるでしょ? 私だって昔は「服飾家」って言われて(笑)それがファッションデザイナーになって、今はデザイナー。でももう肩書はいらない。デザイナーって言ったばっかりに、デザインばっかりやってることになる。言葉は縛りますものね。

猪子:でも、本当に夢はなかったんです。困ってたんです、大人がすぐそうやって聞いてくるから。

出水:猪子さんの場合、パソコンとの出会いが大きかったんですか?

猪子:大学に入る前ぐらいにちょうどインターネットが出てきて、新しい時代が入って行くのかなと思って。それが何なのか分からないけれど、新しい時代で生きていけたらいいなと思ったんですよね。とにかく新しい社会で、新しい社会に合った生き方をしたいと思ったんです。

出水:東京大学工学部計数工学科に入ったのも、これからの時代を作る新しい研究をしたい!という思いからですか?

猪子:まぁ田舎の子だったんで、東京に行きたいなぁって(^^)

JK:それでなんてったって東大(笑) でも、こういう仕事って芸大の人がやるのかしらって思ったら、それが東大の工学部!

猪子:今の全ての時代はテクノロジーと切っても切り離せなくなってきているんですよね。そういう意味で、背景にサイエンスやテクノロジーの知識があったのが強みだったかもしれないですね。

JK:いい時代に若くして出会ったというか・・・時代のタイミングがいいですよね。過去にそんなこと想像つかなかったものね。過去になかった体験が蓄積されて、ようやくその時がきた。世界が求めていたのはこれだ! みたいな。

猪子:とにかく、デジタルとかネットワークが中心になっていく時代に、デジタルテクノロジーで何かを作ろうと決めたんです。自分はアート、サイエンスが好きだった。サイエンスは何かを作り出すというよりは自然現象の中から発見することだったので、アートを作ろうと思ったんですけれども、お金になるとは思わなかったし、出口があるとも思わなかった。「何やってるの?」って聞かれて、説明するのも面倒くさかった。どうせ他の人は興味ないだろうと思っていましたからね。自分が興味あることに他の人は興味ないだろうけど、まあいいやと思って、あまり人にも言わなかった。でもそれでは生きていけないので、テクノロジーとクリエイティブを使ったふつうの仕事をやりつつ、ずっとデジタルでアートを作っていたんです。でも出口があるとは想像もつかなかったですね。

JK:でも、誰もやったことがないから出口がないわけでしょう? 最初に道を切り開いた人には道はないわけでしょ。その道を、細い道がだんだん広がって、大通りになってきちゃった。

猪子:まさにそうですね。

JK:観たことのないものって感動するじゃない? だから、ラスベガスの染五郎さんの恋踊りもすごく好きだったし。ふつうに噴水が音楽と合うだけで面白いのに、そこに立体的に映像と本物の踊りが一緒になって・・・どれをとってもやったことのないことがひとつひと積み重なって、成功する。今回のボーダレスも、いろんな積み重ねが成功した例ですよね。

猪子:本当に積み重ねですね。

JK:だけど、そのためには猪子さん1人じゃできない。建築家がレイアウトをやらないといけないし、いろんな専門家と組んで・・・それがチームでしょ? だから「社長」じゃなくて「代表」だもんね。

出水:かたくなに「チームラボ」という集団名でやっているのも、そういう思いなんですね。

猪子:初めのほうは、会社名で発表するとアートにならないよって会う大人たちに言われてたんですけど・・・知ったこっちゃねぇ、と思って(笑)

JK:どんどん同じ気持ちを持った人が集まってきたってことですよね。みんな同じこと思ってて、自分がやりたいこと1人ではできないけども、チームワークでならできる可能性がある。

JK:猪子さん、今日はMASACAこの番組にきてくれたけど、猪子さんのマサカって言うと?

猪子:2001年にチームラボを始めて、そのころから今みたいなものを作っていたんですけれど、自分でもこれがどういうものになるのか想像がつかなかったし、お金になるとも思わなかった。それが海外でやるようになって、急激にすごい扱いを受けるようになって。2014年にトップギャラリーのうちのひとつが扱ってくれて・・・。

JK:やっぱり、出るところに出ると途端に価値が上がる。ゼロがいっぱい増えますよね(^^)

猪子:そうですね。それで、自分のペースというか、自分のやりたいことをやっていいんだって思えた。

JK:楽になっていいですよね。頑張ってやるんじゃなくて、自分が自信のあることをたんたんとやれるっていう。

出水:海外からオファーがあるときは制約はないんですか? もうおまかせ?

猪子:基本的にはそうですね。

JK:建築家の場合はコンペがあって勝ち得るのも大変だけど、おたくには競争相手はいないわね。

猪子:いや! いちおうコンペはありますよ!! ちなみにコンペは必ず負けるんです。ほぼ勝ったことがない。

JK:そうなの? なんで負けるの?

猪子:僕が知りたいです! 負けたくないから。

JK:お金の単位が多すぎるとか?

猪子:いやいや、予算は決まってますから。

JK:ええ? じゃあなんで負けるの?

猪子:なんででしょうねぇ?? ちなみに、国内も海外も負けます。国内はほぼ勝ったことないです。

JK:えっ? 勝ったことない? それが自慢?

猪子:いやいや、自慢じゃないです! 悩みです、本当に(笑) 指名でいただく仕事はうまくいくんですけど、コンペの仕事はほとんど上手くいかない。・・・上手くいくもなにも負けるんで(^^;)

出水:いまの話がマサカじゃないですか?!

JK:安藤忠雄さんも言ってたわよね、99%落ちるって。

猪子:あっそうなんですか?! 僕らは99%どころか・・・去年は何度か自分でもプレゼンに行ったんですけど、全部負けました(^^;)でも海外では勝つんですよ、って言えたらカッコいいんですけど、海外でも負けるんで(笑)

JK:でもそれでだんだん積み重なって、知恵とかついてくるじゃない?

猪子:全然学習しないし、負け率どんどん上がっている(笑) 若いころは7割負けて3割は取る、みたいな感じですけど、去年はほぼ100%負けました!!

出水:(爆笑)

JK:違った目でみられるんじゃない?

猪子:どうでしょう。でも海外は指名が多いのでね。コンペばっかりが仕事じゃない。

JK:でも、指名のコンペとかもありますよね? 3人指名のコンペとか。

猪子:そう! 今はそういうが多くて、それで負けちゃうんです!! 2人指名、1対1の指名でも負けちゃう。

JK:・・・何がまずいんだろうねぇ?? でも、こういうのってやってみないと分からないし。実績がすごく大きいと思う。

猪子:実績あると勝ちそうじゃないですか?・・・でも、実績がつけばつくほど負ける(^^)

出水:でも、ヘルシンキの美術館のリニューアルとか・・・

猪子:あれは指名なんで(笑)

出水:あと中国の街づくりも・・・

猪子:それも指名です。ぜーんぶ指名(笑)

JK:でも中国の街づくり、偉いわね。猪子さんを選んだなんて。

猪子:深圳っていう未来都市なんですけどね。

JK:深圳ね。あそこって本当になんにもなくて、閑散としてて、企業ばっかりあって工業的で、人間性がないんですよ。造られた町だから、気持ちがないっていうか。もっと人間性を取り返さなきゃいけない。

猪子:産業都市というか、シリコンバレーみたいなところですよね。観光都市ではないので、産業として急にできた都市なので、これからだと思います。

JK:ぜひ人間的な、子供が楽しめるような、無邪気な・・・そういう場所になれば成功すると思う。香港からも近いし。何やってもいいような場所だから。

出水:ビルから作るってことですか?

猪子:いえ、全体のコンセプトですよね。都市設計のプロではないので、コンセプトを作るんです。実際の設計は、トップの設計事務所が。

JK:でもコンセプト作りが一番大事よね。それが日本ではできない。全体を見る都市計画があればもっと変わっていくのに、付け足し付け足しだから。そういう意味で中国は、トップがいいっていえばできちゃうから。チャンスですよね。思い切ったことができるといいと思う。

=OA楽曲=

M1. The City Of Light / HASYMO