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「十五夜に聴きたい『月』の名曲、ラー・バンド『Clouds Across The Moon』特集」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「十五夜に聴きたい『月』の名曲、ラー・バンド『Clouds Across The Moon』特集」

十五夜に聴きたい『月』の名曲、ラー・バンド『Clouds Across The Moon』特集http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180921123131

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

【高橋芳朗】
今年は9月24日が中秋の名月ということで、本日はこんなテーマでお送りします! 「十五夜に聴きたい『月』の名曲、ラー・バンド『Clouds Across The Moon』特集」。いまだったら「十五夜に聴きたい」というか「ZOZOTOWN前澤社長と聴きたい」という感じかもしれませんね。

【ジェーン・スー】
月、行っちゃう? 「Fly Me to the Moon」しちゃう?

【高橋芳朗】
そうそう、月の名曲というと一般的には「Fly Me to the Moon」や「Moon River」が有名ですが、いまの時代の気分でいけば1985年にヒットしたラー・バンドの「Clouds Across The Moon」で決まりだろうということです。まずラー・バンドの説明をしておきましょうかね。ラー・バンドは、ビートルズなどのオーケストラアレンジを手掛けていたイギリス人プロデューサーのリチャード・アンソニー・ヒューソン(Richard Anthony Hewson)のソロプロジェクト。彼の名前の頭文字を取ってラー・バンド(The RAH Band)と名付けられたという経緯があります。

【ジェーン・スー】
そうなんだー、知らなかった!

【高橋芳朗】
そんなラー・バンドの代表曲が、1985年にヒットした「Clouds Across The Moon」というわけです。この「Clouds Across The Moon」がどんな曲かというと、ちょっとSFチックなラブソングなんですね。宇宙船に乗って火星に旅立った夫に、地球からオペレーターを介して愛のメッセージを届けようとする妻、という設定の切ないラブソング。それで妻が空を見上げて「Clouds Across The Moon」、つまり雲がかかった月を眺めながら夫の無事を祈る、そういう歌になります。その妻とオペレーターとのやり取りなどを含めた、チープなコズミック感がとっても愛おしい曲です。

M1 Clouds Across The Moon / The RAH Band

Clouds Across the Moon
【高橋芳朗】
この「Clouds Across The Moon」、日本でめちゃくちゃよく知られている曲というわけではないんですけど、その割には日本のJ-POPや歌謡曲に結構な影響を与えていて。ここからはそんな「Clouds Across The Moon」のオマージュソングを紹介していこうと思います。まずは原田真二さん。70年代後半に「てぃーんず ぶるーす」や「キャンディ」のヒットを放った、あの原田真二さんが1987年にリリースした「LOVE OPERATOR」。もうタイトルからわかると思うんですけど、これは「Clouds Across The Moon」のオペレーターとのやり取りから着想を得たような曲になります。ラー・バンドに加えてスクリッティ・ポリッティあたりの成分も入った、80’sポップのおいしいところが詰め込まれたような曲ですね。

M2 LOVE OPERATOR / 原田真二

LOVE OPERATOR
【ジェーン・スー】
軽快でおしゃれ! ペパーミント色の袋を持って80年代の表参道を歩いちゃうよ!みたいな感じだね。

【高橋芳朗】
そういう80年代感ありますよね。でもそれでいてあまり古さを感じさせないという。

【ジェーン・スー】
メロディーがすごくいいよね。

【高橋芳朗】
続いても「Clouds Across The Moon」のオマージュソングを紹介したいと思います。こちらは最近の曲、元AKB48の星野みちるさんが2013年にリリースした「私はシェディー」。これはもう名曲ですね。言ってみれば「Clouds Across The Moon」のガワというか入れ物を使ってまた別の魅力を持った曲をつくり上げたという感じでしょうか。まずなんといっても星野みちるさんの透き通るような歌声がめちゃくちゃ美しい。そして、先ほど説明した「Clouds Across The Moon」の歌詞の設定がありますよね。宇宙船で火星に向かう夫と、その夫を遠く離れた地球から思う妻という設定。この「私はシェディー」は、それを七夕の物語に置き換えているんですよ。その歌詞がまた本当にお見事で。こと座のベガ(織姫)に恋するわし座のアルタイル(彦星)、そのアルタイルに遠くから思いを寄せるカシオペア座のシェダル(シェディー)、という切ないラブストーリーに落とし込んであるんです。そんな歌詞にも注目して聴いてみてください。

M3 私はシェディー / 星野みちる


【高橋芳朗】
いやー、何度聴いても素晴らしい。個人的には山口百恵さんの「乙女座宮」などと共に「星座物」の名曲として語り継いでいきたいと思っています。

【ジェーン・スー】
フフフフフ、語り継いでいきたいか。

【高橋芳朗】
それでは最後の曲にいってみましょう。これは「Clouds Across The Moon」オマージュの応用編というか自分が勝手にオマージュソングと思っているだけなんですけど、新潟のアイドルグループ、RYUTistが5月にリリースした「無重力ファンタジア」。まだ出たばかりですけど、すでにもう名曲感がありますね。この「無重力ファンタジア」、正確には「Clouds Across The Moon」よりもブロウ・モンキーズの「Diggin Your Scene」あたりの成分のほうが強い曲だと思うんです。ただ、シンセベースの感じや宇宙を舞台にした歌詞なども含めて「Clouds Across The Moon」からインスパイアされた部分もあるんじゃないかなと。

M4 無重力ファンタジア / RYUTist


【ジェーン・スー】
このリバーブのかかった声が可愛らしいね。

【高橋芳朗】
素敵だよねー。そんなわけでラー・バンドの「Clouds Across The Moon」に影響を受けたと思われる曲を紹介してきましたが、ほかでは元電気グルーヴの砂原良徳さんによるカバーバージョンもあったりするので聴き比べてみるとおもしろいんじゃないかと思います!

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

9/17(月)

(11:05) Peg / Steely Dan
(11:24) Zanzibar / Billy Joel
(11:37) Here to Love You / The Doobie Brothers
(11:45) Reminiscing / Little River Band
(12:11) Genevieve / Andrew Gold
(12:21) Marina Del Rey / Marc Jordan
(12:50) Gardenia / 加藤和彦

9/18(火)

(11:04) This Charming Man / The Smith
(11:19) Pillar to Post / Aztec Camera
(11:33) Sunkissed / Friends Again
(11:39) Sugar Bridge / The Bluebells
(12:11) One in a Million / JoBoxers
(12:22) Don’t Break the Silence / The Blades
(12:51) Here’s One That Got Away / The Style Council

9/19(水)

(11:04) Jolie / Al Kooper
(11:21) Directions / Carole King
(11:35) Car On a Hill〜丘の上の車〜 / Joni Mitchell
(12:14) Bird of Beauty 〜美の鳥〜 / Stevie Wonder
(12:50) ピンク・シャドウ / ブレッド&バター

9/20(木)

(11:05) Wave / Sergio Mendes & Brasil ’66
(11:21) Photograph / Antonio Carlos Jobim
(11:31) Stay / Astrud Gilberto
(11:40) Who Knows / Wanda Sa
(12:16) Surfin’ in Rio / Sylvia Telles

9/21(金)

(11:03) It Must Be Love / Alton McClain & Destiny
(11:21) It’s OK / Evelyn”Champagne” King
(12:07) Hustlin’ / Black Ivory