お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ
  • 音声あり

「旅するおむすび屋さん」菅本香菜さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
9月22日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、クラウドファンディングの運営会社で働くかたわら、休日になると全国各地を回って集まった人たちとおむすびを食べる「旅するおむすび屋さん」という活動を行っている菅本香菜(すがもと・かな)さんをお迎えしました。1991年、福岡県生まれの27歳。各地で開く「おむすび会」が好評で、ボブスタイルの髪型も最近では「おむすびヘア」と言われるようになったそうです。

菅本香菜さん

「『旅するおむすび屋さん』って、初めて聞く人は何だかさっぱり分からないでしょう」(久米さん)

「分からないと思います(笑)。おむすび屋っていうとお店があるようなイメージだと思うんですど、私たちは店舗は持っていなくて、全国各地をめぐりながら、その地域の食材をつかっておむすびを作るということをやっています。私がむすんで食べていただくということもあれば、その地域の方々と一緒におむすびをむすぶワークショップをやらせてもらうこともあります」(菅本さん)

「とにかくお忙しいそうで」(久米さん)

「きのうとおとといは長野に行ってました。この放送が終わったらすぐに高知に行って、明日は土佐山という山の中でみんなでワークショップをやります」(菅本さん)

「おむすび食べませんか?って呼びかけると、意外と人が集まるんですってね」(久米さん)

「そうなんです。おむすびって誰でも作れて、誰でも食べられるので、があるのでお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで来てくれます」(菅本さん)

「地方で何か集まりがあるから行くんですか? それとも、菅本さんが行くから集まりができるんですか?」(久米さん)

「私たちを地方に呼びたいというふうに思ってくださる方が結構いろんな地域にいらっしゃっるんです。地域の方々が集まりを主催してくださって、そこに私たちがゲストとしてお招きいただいておむすび会を開くというのが多いですね。例えば、お米農家さんの魅力を伝えたいからイベントを一緒にやってほしいと言ってくださったり。それでお米農家の方にも来ていただいて、その地域の魅力を改めて地元の人たちに知っていただくということを一緒に企画させていただいたりしています」(菅本さん)。

おむすび

生産者と私たち消費者が顔を合わせる機会がほとんどなくなった今、農村・漁村の人たちはもっと地元の食材を知ってもらいたいのだけれど、交流のきっかけがなかなか作れない。そんなとき「地元の食材で作ったおむすびを一緒に食べませんか」と呼びかけると、不思議とたくさん人が集まるのだそうです。おむすびは「人と人」「地域と人」を結びつけるいいきっかけになるということで、菅本さんのところには「うちにも来てほしい!」というオファーが各地からたくさん寄せられています。

スタジオ風景

「おむすびを人と人との真ん中に置くことによって、自分が住んでいる地域の魅力を改めて知ることができますよね」(菅本さん)。

お米

スタジオでも地方の魅力あふれるおむすびを作っていただきました。おいしいおむすびを作るために「お米・海苔・塩」にはこだわるという菅本さん。この日、持ってきていただいたお米は、新潟産のお米をおむすび用に特別にブレンドした「おむすび米」。「旅するおむすび屋さん」で菅本さんと一緒に活動している新潟のお米屋さん「つながる米屋コメタク」の吉野さくらさんがブレンドしました。

海苔と塩

海苔は熊本の有明海苔が2種類。浦山幹弥さんという若い海苔漁師が作ったもので、同じ海で採れたのに味も食感も全然違うんです。「たそがれ」はパリッとした食感。だから食べる直前に巻くと最高。軽く炙ってあるのでうまみが引き出された海苔です。日中、太陽の光をたくさん受けて光合成を行い栄養分をたっぷり含んだ海苔を夕暮れどきに摘んで作ります(だから「たそがれ」と命名されたのです)。

一方、「かぎろい」は乾海苔(かんのり)といって乾かしただけの海苔で、しっかりとした歯ごたえがあります。磯の香りは「たそがれ」より軽め。「かぎろい」というのは日が昇り始めたときの明るさ、朝焼けのこと。その時間帯に摘んだ海苔は細胞が引き締まっているので、歯ごたえがいいんです。

さらにもう1つ、宮城県・東松島の海苔。こちらは相澤太さんという海苔漁師が作った逸品。味・香り・食感は熊本の海苔と全然違います。

堀井美香AN

「これはたまらないですね! 海苔が分厚いから、口の中が贅沢の極み!」(久米さん)

「有明海苔はひと口目にうま味がくるのが特徴なんですけど、宮城の相澤さんは5回かんだときにいちばんうま味が出てくるように作っているんです。だから香りが後からくるんですよ」(菅本さん)

そして、こだわりの塩も登場! 具は入れずに塩むすびだけで食べてもらいます。

久米宏さん

「山口県長門市の百姓庵という会社のお塩。向津具(むかつく)半島の汽水域で作っているんです。山からミネラルがたくさん流れ込む一方で、雨水も下りてきて、その水がちょうど混ざり合う場所から海水を汲んでお塩を焚いているんです。ミネラル分がすごく多いお塩です」(菅本さん)

「これ、小さいこんぺいとうみたい!」(堀井さん)

「あのね、ぼくが言おうとしたことを先に言わないで(笑)」(久米さん)

「ただしょっぱいだけじゃなくて、うまみとか甘みも感じられるような。これをなめながらお酒とか飲めますよね」(堀井さん)

「本当に、おつまみになるぐらいおいしいお塩です」(菅本さん)

「この塩、志ん生になめさせてやりたかったなあ(笑)」(久米さん)

お米、塩、海苔がおいしいだけで、こんなごちそうになるんですね。食材について菅本さんのお話を聞きながら食べると、おにぎりひとつでこんなに盛り上がるんですね。「旅するおむすび屋さん」が各地からお呼びがかかるのも納得です。

おむすびを通じて食べることの大切さやみんなで食卓を囲む楽しさを伝えている菅本さんは、中学・高校時代に拒食症で大変苦しんだ経験をお持ちです。身長160センチで体重は23キロまで落ちたそうです。医者には「いつ死んでもおかしくない」と言われ、中学時代は半年間入院。高校時代は1年間休学するほどでした。

スタジオ風景

「最初は父から、最近ちょっと太ったねと言われたことがダイエットのきっかけでした。でもそれが拒食症の原因だったわけではなくて、その前から友だちとなかなかうまくいかなくてコンプレックスを感じていて、ずっと自信がなかったんです。それがダイエットを始めたら体重計の数字がどんどん減っていくので、そういうことで自分に自信を持とうとしていました」(菅本さん)

「中学2年生から高校まで休学を含めて6年間、大変でしたね」(久米さん)

「お母さんが作ったご飯も食べられない状態だったので、家族と食卓を囲むのも嫌だし、辛かったですね」(菅本さん)

「どうやって治ったんですか?」

「いちばん初めのきっかけは、2度目の高校2年をやったときに仲良くなった女の子だったんです。それまでみんなと食卓にいると、私はガリガリなのに食べられないので周りからは嫌な目で見られてしまって、それがプレッシャーになってまたさらに食べられなくなっていたんですね。でもその子は、私が食べられなくても一緒に食卓にいるのを楽しんでくれる子だったんです。それで、自分が食卓にいてもいいんだなって久しぶりに思えるようになったのがすごく大きかったと思います」(菅本さん)

それから徐々に回復していった菅本さんは、大学に進学した頃に拒食症が完治。そして、拒食症を経験したことで食に興味を持つようになり、食に携わる仕事をしたいと考えるようになりました。「くまもと食べる通信」の立ち上げから関わって生産者を取材する仕事をするようになり、そのときに海苔漁師さんと出会って、現在の活動につながっていきます。

久米宏さん

「今は『CAMPFIRE』というクラウドファンディングの運営会社で働いていますね」(久米さん)

「インターネットを通じて不特定多数の方々から資金を集めて、自分がやりたいことを実現するのがクラウドファンディングなんですが、そのための支援するサービスです。私は拒食症だったとき、自分の中で何かやりたいなと思っても『どうせ自分にはムリ』というのを言い訳にしてやらなかったんです。でも、大学に入って拒食症も治っていろんなことに挑戦できるようになってきて、意外と自分にもできるんだなということを実感したという経緯があったので、誰かが何かに挑戦したいと思ったときに『どうせムリ』という発想ではなくて、どうやったら実現できるかというふうに考えられるきっかけを作るお手伝いがしたいと思っています」(菅本さん)

「どうせムリだから」と諦めてしまう人を1人でも減らしたいという思いは、「旅するおむすび屋さん」の活動にも通じています。「この地方には特別な食材はないから…」「地域の人に声をかけてもきっと集まらないから…」と諦めてしまうのではなく、小さな一歩から始めてみましょう。そんな思いが、ひとつのおにぎりに込められています。そしてその思いは人と人をつないで、その輪がSNSを通じて各地に広がっているのです。

菅本香菜さんのご感想

菅本香菜さん

本当に楽しかったです! やっぱり、おむすびが真ん中にあると話が盛り上がりますね。

久米さんには、海苔漁師さん、お塩やお米を作っている方、そういう生産に関わっている方たちの思いをお伝えして、それを受け止めていただいてとても嬉しかったです。

東京でもおむすび会をやることがありますので、ラジオをお聴きの方もどうぞいらしてください! ありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:菅本香菜さん(旅するおむすび屋さん)を聴く

次回のゲストは、G.G.佐藤さん(元プロ野球選手。地盤調査会社勤務)

9月8日の「今週のスポットライト」には、かつて埼玉西武ライオンズの主砲として活躍し、北京オリンピックに日本代表として出場した「G.G.佐藤」こと、佐藤隆彦さんをお迎えします。現在は、地盤調査・地盤改良を行っている「株式会社トラバース」に勤務しています。

2018年9月29日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180929140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)