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東京五輪のボランティアに街の本音と識者の苦言!

森本毅郎 スタンバイ!

9月26日から、東京オリンピック・パラリンピックのボランティアの募集が開始されました。ノーギャラ、そして地方から東京までの交通費、宿泊費は自腹など、厳しい条件から、一部では「やりがい搾取」とも揶揄されているこのボランティアについて、9月27日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

東京五輪のボランティアに街の本音と識者の苦言!http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180927073142

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

★ボランティアに興味がある人多数

募集開始前から「やりがい搾取」や「動員だ」などといった批判がネット上を中心に根強く続いていましたが、実際のところはどうなのか。「東京五輪のボランティア、やってみたいですか?」と、街の人に聞いてみました。

●「機会があったらやりたいです、栄養の勉強とかしてるんで、食堂の手伝いとかできたらいいなと思います。もともとスポーツやってて、オリンピックとか見るのも好きなのでやってみたいです。
●「大学院生です。道案内とかやってみたいです。なかなか遭遇することないイベントだし。
●「まあ時間が許せば、そんなに大変じゃなかったらやってみたいかな。でもボランティアって結構大変だよね。私まだ仕事があるから、仕事に差し支えあるから、暇な人ならいいけど。
●「僕は地方から出てきてるので、長い間こっちに出てこれるお金と時間の都合がつかないかなと、今の所は参加しようと考えてないです。そこらへんが解決されるのであれば興味はあります。
森本毅郎スタンバイ!

東京2020大会ボランティア概要ページ(大会公式ウェブサイト)

ボランティアは大きく分けて2種類あり、競技会場や選手村などで運営に関わる「大会ボランティア」と、都内の空港や駅などで交通や観光の案内を行う「都市ボランティア」。これらを合わせて11万人を昨日から募集しています。駅でボランティアを募集するためのビラ配りなども行われていたようですが、既に募集が始まったことを知っている人はほとんどいませんでした。

★「1日8時間・10日間以上」の条件は会社員に厳しい

そして報酬に関しては、大会ボランティアには一日当たり、プリペイドカード1,000円分を支給することが決定しましたが、1日8時間・10日間以上働くことが応募条件なので、地方から参加する場合の交通費や宿泊費が自費になってしまい、この部分でのハードルは高い印象です。街で聞いてみると、やはりこの応募条件には不満の声も出ていました。

●「機会があればと思いますけど、日程が合うかどうかですよね。やっぱり10日間というのが我々サラリーマンには都合が。もうちょっと短ければいいですけど。(何日くらいだったら融通ききますか)3日とか一週間以内、会社がオッケーなら絶対行きますよね。大イベントですからね日本の。
●「ちょっとでも関われる機会があるなら手助けになればと思いますよね選手の。10日みっちり絶対って言われたらちょっと悩むかもしれないですね。5日だったらなんか想像しやすいですけど、10日だったら結構な日数かなと思っちゃいますね。10日の休みだとちょっと厳しいかもしれないですね。夏休みと年休も消化ってことになりそうです、私だと。

働く方にお話を伺ったのですが、参加はしてみたいけども、10日間の休みを取るのは無理だよという声が圧倒的でした。逆に会社が強制でボランティアの参加を要請してくれれば、行きやすくなって良いリフレッシュになるのにといった声もちらほらと。

★大学側からはすでに募集がかかる

一方、今回のボランティアでは組織委員会や東京都が学生への積極的な参加を促していましたが、実際はどうなのでしょうか。大学生にもお話を聞いてみました。

●「自分はちょうどオリンピックの時は就活なのでちょっと厳しいかなと思います。大学2年生です。総会みたいなときに協定を結んでるから、オリンピックとか積極的に参加してみてくださいというのは言われました。オリンピックです。
●「私は特に思いません。大学3年で、授業を担当している教授から女性の何歳から募集していてちょうど適用範囲だからどうって勧められます。自分は観戦するだけでいいかなって思います。お父さんとかお母さんはめっちゃ言う。本当に携わりたくて、だから英語の勉強とかしてる、英会話とか通ってる(笑)

きのうは大学生が多くいたのでお話を聞いてみたのですが、大学側からの要請が来ているという方が多かったです。実際にボランティアに参加することで単位を認定する大学も出てきているほか、ボランティアの参加がしやすいように講義のスケジュール変更などもあるそうです。

★単位認定するなら正式に「教育プログラム」とすべき

ですが、こういった措置には課題もあるようで、ボランティアについて詳しい、東京大学准教授の仁平典宏さんにお話を伺いました。

東京大学准教授 仁平典宏さん
「個人としてはボランティアを通じて学ぶことはあると思います。もしそういった学ぶ効果があるのなら大学教育にふさわしいプログラムとして、大学が責任を持って単位を認定すれば良いとおもうんですが、それをボランティアをやれば単位認定とするのは一種の大学側の責任放棄だし、学生側にとってはこれをやらないと単位が認定されないからイヤイヤやるのなら本末転倒だと思います。」
「本来大学の教育プログラムであるものをボランティアと呼ぶことであたかも自発的に見せかけるのが筋として違うし、そのカラクリが多くの人に見えて来てしまっていると思うんです。それが今回おもてなしとか感動とか言いながらなんか嘘くさいよねというフェイクっぽさが出てしまう最大の要因になっていると思いますので。ちょっと今困った状況になってしまっていると思います。

本来は大学の教育プログラムであるものを、ボランティアと呼ぶことへの違和感。自発的に参加するはずが、単位認定のためイヤイヤ参加するものになる可能性・・・。

★大事なのは“物語”の醸成

最後に、東京大学の仁平さんになぜ、現在のボランティア募集がなぜこれほど批判されているのかについて伺いました。

東京大学准教授 仁平典宏さん
「東日本大震災の時にも多くのボランティアが被災地に駆けつけましたが、あの時やりがい搾取だと言葉が出てきたかというとないと思うんですね。重要なのは同じような活動をしていてもボランティアと見えたり、やりがい搾取と見えてしまう。それの何が違うかというと、その活動に対する意味付けだと思うんです。震災の時は被災者のためになんとかしたいという“物語”があるので、ボランティアとみなされるのです。」
「一方、今回の五輪はなんで五輪をするのかさえわからない状態。よくわからないけどやらないといけない状態になっている。そもそもこの五輪はなぜ今東京でやるのか、その理念を再確認して、人々の中で共有されない限りはやりがい搾取とか動員といった批判は今後も続いていくと思います。

今改めてオリンピックをする意義というのを見直す必要性があるとのことでした。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!