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団地の商店街の空き店舗を利用した、住民が運営主体のコミュニティカフェ▼人権TODAY(2018年9月29日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時20分頃から放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…2018年9月29日放送「団地の商店街の空き店舗を利用した、住民が運営主体のコミュニティカフェ」です。

ベッドタウンだった団地の商店街にあるコミュニティカフェ

千葉県柏市の東部にある大津ヶ丘団地の商店街の中にコミュニティカフェ「クルトコ」があります。この大津ヶ丘団地、国道16号線沿いにあり、1970年代後半に急速にベッドタウン化が進んだ地域でした。しかし、40年が経ち、当時移り住んできた人の高齢化が顕著な地域です。

コミュニティカフェ「クルトコ」

ここに住民主体のコミュニティカフェを作るに至った経緯について、立ち上げを担ってきたNPO法人「ワーカーズ・コレクティブうぃず」理事長の北田惠子(きただ・けいこ)さんに伺いました。

NPO法人「ワーカーズ・コレクティブうぃず」理事長の北田惠子さん
『ワーカーズ・コレクティブうぃず』は立ち上がって15年目になります。ある方が空き家を紹介してくれたんです。持ち主の方なんですけど。その場所で、今で言う「居場所」作りが始まった経緯があります。それは柏市松葉町という場所での事業だったんですけども、ご縁があってこちらの大津ヶ丘団地を紹介していただいた。「空き店舗がたくさんあって、高齢化率が33%もあって大変なところだよ」と。「今度は、居場所作りから助け合い事業へと意識的につくってみませんか?」というお話をいただいてここに来たんです。

「ワーカーズコレクティブ・うぃず」の北田惠子さん

皆が気軽に集える場所「来る処」から「クルトコ」に

北田さんたちは当初、柏市松葉町で古民家を利用し、地域住民が気軽に集う居場所作りを行ってきました。趣味の教室や発表の場として、様々な企画を提案していたのだそうです。地域で活動していく中で、大津ヶ丘団地で、居場所作りだけでなく、介護予防につながる活動も実践してみないかという話になり、2017年1月、「クルトコ」をオープンしました。皆が集える場所「来る処(くるところ)」から「クルトコ」と命名されました。

予定されているイベントの内容

平日の午前中は、そば打ち教室や絵手紙教室のような「趣味や発表の場としての活用」、また、認知症サポーター養成講座、健康体操、口腔ケアといった「介護予防講座」などを常時企画しています。お昼にはランチの提供。午後の時間帯は、地域の会合などに使う喫茶スペースとして飲み物・軽食を提供しています。大き目のキッチンも備えていることから、週末には料理自慢の住民に貸し出し、腕を振るってもらうこともあるそうです。家庭の事情で食事を取れないお子さん向けに「こども食堂」を開くこともあるといいます。

キッチンを使って軽食を提供

私が伺った日は、月に一度企画しているという「いきいきセミナー」というイベントの日でした。利用者には500円程度のお金をいただき、健康マージャン、卓球など、「複数で会話しながらできるゲーム」を楽しんでもらい、サンドイッチや飲み物でお腹を満たしていただくという会でした。利用者の方はこのように話していました。

「クルトコ」を利用している方々の声
≪70代男性≫皆さんと月1回楽しみにしています。住まいは近くです、10分くらい。もう40年住んでますので。認知症予防のために頑張ってやっています。皆でやると何でも楽しいですからね。
≪70代女性≫ピンポンはここで初めてやりました。もっと皆に来てもらいたいなと思って私も友達に声をかけるんですよ。こういうのもあるのも知らないのかも分からない。

健康マージャンを楽しむ利用者

もてなす側も生き生きと

住民主体の運営委員会が、「クルトコ」の経営をしています。町会長、民生委員をはじめ、ボランティアスタッフから運営委員会が構成されています。「クルトコ」の運営委員長・牧田好延(まきた・よしのぶ)さんが、「クルトコ」のスタッフとして活動するある助成のエピソードを紹介してくれました。

「クルトコ」運営委員長の牧田好延さん
その女性は、旦那が2年くらい前に死んじゃったと。1人で家でゴロゴロしてたと。その方は料理上手だったんで、ボランティアの方が「この中で居酒屋でもやってみましょうよ」と提案してみたんです。月1回・土曜日にボランティアと一緒に「居酒屋」をやってるんですよ。そうしたら、その女性がものすごく生き生きとしてきちゃって。自分の作ったものを皆さん食べて買ってくれるから。
もうひとつ、私がありがたいなと思っているのが、こういう場に男の人が来ることが少ないんですよ。でも居酒屋なんかやると、男の人が結構来て、知らない者同士、この狭い場所で20人くらいが飲んで、駄弁って、帰っていく。両方効果ありますよ。次はどんなメニューに挑戦するか、限られた予算の中でどうやりくりするか、ボランティアスタッフとアイディア出しをするのだけど、頭を使うので結構楽しんでやっています。

居場所作りに実績のあったNPO法人「ワーカーズ・コレクティブうぃず」ですが、空き店舗の家賃や経費の一部の助成を受けるにあたって行政側から3つの条件が提示されたそうです。それは…
①1日5時間、週4日以上開くこと
②週に1回30分以上の介護予防講座を開くこと
③「地域」で運営すること
特に「地域で運営すること」というのが難しかったそうです。
北田さんはこのように話します。

NPO法人「ワーカーズ・コレクティブうぃず」の北田惠子さん
今までは「自分がやろう」「自分が立ち上げていこう」という活動をしていました。ただ、分かりにくくて受け入れてもらえなかった部分もあったと思います。地域の中で一緒にやっていきましょうという姿勢を持とうと思うんだったら、自分たちも変わっていかなくては思っています。住民の皆さんをサポートしていくというように転換していかないと。

地域に出番を作り、住民に活躍の場を持ってもらうことが重要だと気づいたそうです。地域の土台となる場所、プラットフォームとなることを目指していきたいと話していました。

特定非営利活動法人「ワーカーズ・コレクティブうぃず」(千葉県連合会)
http://wcochiba.org/
住所:〒277-0872 千葉県柏市十余二380-97
TEL:04-7134-0072

(取材報告:TBSラジオ・ディレクター 瀬尾崇信)