お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


  • 放送ログ

新・文化庁宣言! 文化庁長官:宮田亮平さん

コシノジュンコ MASACA

2018年9月30日(日)放送

宮田亮平さん(part 2)
1945年、新潟県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。金工作家として活躍し、代表作にはイルカをモチーフにした「シュプリンゲン」シリーズとして、日本橋三越のエンブレム、東京駅の待ち合わせスポット「銀の鈴」などがあります。東京藝術大学の教授を経て、2005年から10年間東京藝術大学学長を務め、2016年に文化庁長官に就任。

出水:今年は文化庁創立50周年、10月1日には「新・文化庁」のスタートが発表されています。

JK:「新・文化庁」ってどういう構想?

宮田:文化庁が創立して50年、そしてこれからの50年という節目に、文化庁の京都移転ということも含めて、「文化庁ができること」「文化庁でなければできないこと」をみんなで一丸となって探し求めていく。いまも探しています。そこが大事なこと。私は大学に50年いたわけですが、霞が関に行ったときに思ったのは、行政は守っていくという姿勢。それはそれで必要です、1億何千という人間を抱えているわけですから。でも、それだけではない。時代が変われば、人間はもっと多様性も出てくる。多様性が出てくればいろんなことに対して適応していかなくてはならない。その辺を含めて、新・文化庁の意味ということになってくる。

JK:それが本当の文化ですよね。年々日に日に変わるわけですから。伝統的なものはもちろん守らなければならないんですけど、いままでは守ることが90%だった。それは大変なんだけれども、前へ行くということが一番大事。でも前へ行くことを提案しても、「過去にやったことがないから」って言われてしまう。私はここが間違いだと思うんですよ。

宮田:その通り!

JK:とくにやったことないからこそ、いいんじゃないですか? 新・文化庁長官、ぜひ!毎年毎年新しいことはやってくるんですよ。世界は動いているから。それを受け止めて、守りながら。

宮田:口では「活用」っていうじゃない? だけど「活用」っていう意識がまるで弱い。

JK:長官はすごく頭が柔らかいけど、周りの人はどうなの?

宮田:カタい。面白くない。だってそれが行政だから。

JK:それをね、なんとか今のうちに変えてください!

宮田:大丈夫! 変わってきてるから。変わってきている理由が、東京だけでなく地方全国、それぞれのなかにある面白さをみんなが認識してきている。僕が最初に感じたのは、日本人が一番日本の微を知らない。

JK:日本人って島国だから、外に憧れるんですよ。外に憧れて、足元を見ない。で、外から日本を見て改めて、「あら、日本っていいじゃない」って気が付く。

宮田:僕自身もそうなんですけどね。海外に行って帰ってくると、「いやぁ~日本ってすごい!」って。それがやっぱり大きいね。コシノさんのファッションも、すごく斬新だけど、底辺はきちんと日本があるのよね。それと同じこと。

JK:結果的には日本です。世界で見ても、日本の感性が一番素晴らしいと思うんです。それをぜひ、今こそ世界で見直すチャンスなんです! だから文化庁の役目は大きいですね。

宮田:大きいです。もちろん僕一人の力でどうにかできることではないですが、仲間がすごく意識してくれています。それを肌で感じているんですよ。

出水:宮田さんが職員の皆さんに投げかけた言葉はあるんですか?

宮田:のっけに全員集めて言いました。「あなた方は暗い」って!

出水:えーっ!・・・どんな反応でしたか?

宮田:ん・・・まぁ、ねぇ(^^;)変な奴に来られたな、と思ったんじゃないかな?

JK:長官だから、愛嬌のあるチャーミングな方だから、キツいことを言っても聞くんですよ!

宮田:本来やってる仕事は素晴らしいことをやってる!その素晴らしさをどう伝えていくかという、伝道者の仕事が僕の仕事かな、と。

JK:日本には文化大臣っていないでしょ? だから文化大臣もやってくださいよ! みんなアーティストなんですよ、外国の文化大臣って。だからアーティストが大臣になるのが当たり前。

宮田:そんなにいっぱい仕事をのせないでくださいよ(^^;)まず自分が楽しい、というのが原点で、それがあるから人もときめく。ときめきが最初にないと。自分の判断をきちんと持ってないと、人には強制できないなあっていうのを、庁内の皆さんの中に飢えて言ったら全然変わってきますよ! いまちょっと待ちだと思うんです。

JK:いまはいい待ちだと思いますよ。文化庁が京都に移転するっていうのはいつ頃から? どうなるの?

宮田:今の予定では2021年、オリンピックが終わってから。

JK:オリンピックって大きなビジョンですが、すぐ目の前にありますよね。その次のビジョンとして文化庁が京都に。いいタイミングですね!

宮田:世界と日本の結びつきを作れば、新たな日本の文化が継続していける。レガシーが継続していけるチャンス、それが2021年以降なんです。

JK:いい年になりますね。京都も守るだけではなく、保守派と革新派があるんですよね。その革新派のほうにビシッと文化が動きますよね。

宮田:文化庁が京都に行くっていうことは、霞が関だけが中心となってやるんじゃなく、もっと広く、北海道だったり東北だったり、九州だったり沖縄だったり・・・いくつも拠点を作っていく、そのサテライトのひとつを京都に作るということなんです。北海道といえば、今度アイヌの博物館ができるんですよ! あのデザイン力!

JK:今年、北海道開拓150周年ですものね。

宮田:たとえば東北の復興も、人命の問題から次は生活の問題の中で、豊かな関係づくりをするとか。その中で、絶対必要なのが「日本遺産」 というキーワードなんですね。「日本遺産」は目標を100か所に設定しているんですが、それぞれの街にある素晴らしいものを、地元では当たり前だと思っているんですよ。そういうところの再発見をしたい。

JK:地方にはいい文化がたくさん残っていますよね。

宮田:それをベースにして、そこから拾い上げる新たなこと。そうすると、文化があるから人が行く。そうすると観光になる。観光があれば経済が生まれる。「三輪車構造」って僕は呼んでるんですけどね。一輪車乗れますか? 二輪車は漕がなきゃだめでしょ? 三輪車は安定してるんです!

JK:じゃあ、今度から三輪車乗らないとね(笑) 長官にとってマサカは?

宮田:つねにマサカです。まずは佐渡から出てきた時に、イルカに出会ったのがマサカ。
藝大に二浪で入れたマサカ。金工をやって、そのまま卒業しないでずーっと作家になってるのもマサカ。学長になるなんてマサカ! 最後は長官ですよ!

JK:この経験とキャリアと、皆さんを和ませる役目っておおきいじゃないですか。

出水:マサカが重なってお忙しくなってくると、アーティストとしてのご自身の活動も短くなってしまいますが、作品作りはどうしているんですか?

宮田:やってます! それがないと。行政も面白いことができないし。つねに創作者でありたい。

JK:でも、特徴のある長官はそうそういませんよね。でも楽しみ! 何があるか分からないっていうのがね。

宮田:そうそう。何か分からないけど、明日は楽しみ。期待に応えられるかどうか分からないですが、頑張ります!

=OA楽曲=
M1. La Japonaise /  Freddie Mercury, Montserrat Caballé