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10人に1人が骨粗鬆症。注意が必要な「圧迫骨折」とは?

森本毅郎 スタンバイ!

骨粗鬆症というのは、骨が弱ってスカスカになってしまう病気です。日本人の10人に1人が骨粗鬆症と言われていますが、きちんとした治療を受けられている方は、まだ少ないのが現状です。

骨粗鬆症なのに治療を受けないでいるとスカスカの骨が潰されて骨折してします。背骨は、1つ1つの骨が積み重なるようになっていますが、その1つ1つの骨を椎体と言います。その背骨の1つ1つの椎体が、押しつぶされた、ぺしゃんこになるように骨折します。これが、圧迫骨折と呼ばれるものです。きちんと治療がされないと、歩けなくなってしまう恐れすらあるので怖いです。

そこで、10月15日(月)、松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で、骨粗鬆症の圧迫骨折について注目しました。

★骨粗鬆症とは

骨は堅くて変化しないように見えますが、毎日古い骨が少しずつ壊され、新しい骨が作られて、新陳代謝しています。「骨粗鬆症」はそうした骨の新陳代謝のバランスが崩れて、壊される骨の方が、作られる骨より多くなってしまい、骨がもろく壊れやすくなってしまう疾患です。

★骨粗鬆症を引き起こす原因は?

加齢、運動不足、生活習慣病、喫煙、これに加えて女性の場合には閉経後のホルモンバランスの変化などがあります。現在、日本では1000万人以上の骨粗鬆症の患者さんがいるといわれていて、男女の比率では、女性の方が多いと見られていますが、男性の患者さんも少なくありません。こうしたことが原因で引き起こされる骨粗鬆症です。その骨粗鬆症が原因となって起こるのが骨粗鬆症性錐体骨折=つまり圧迫骨折です。

★圧迫骨折はどのように起こるのか?

骨粗鬆症のある人は、骨の強度が低下してもろくなっています。もろくなった骨のうち骨折しやすいのが、背骨の椎体という骨です。この背骨の椎体が、潰れたように折れることを圧迫骨折といいます。

そんな圧迫骨折は、比較的弱い力が加わるだけでも起こります。転んで尻餅をついた時や、転倒などによる衝撃がなくても、自分の体の重さに耐えきれずに骨が潰れてしまうことで、圧迫骨折が起こることもあります。さらに、重いものを持つなどといった日常動作も圧迫骨折に繋がることもあります。

こうした圧迫骨折は、寝たきりの原因にもなるため、放置しないで適切に治療を受けることが大切なのですが、日常生活の中で徐々に骨が潰れて骨折に至るため、多くの場合は痛みが現れないちょっとした腰痛程度というケースも少なくありません。

★圧迫骨折の危険性がわかるセルフチェック

早期の段階で気付くためには、セルフチェックを行うことがおすすめです。チェック項目は主に4つです。
◇背中や腰が曲がった
◇身長が縮んだ
◇動作がぎこちない
◇寝返りや立ち上がる時に、背中や腰が痛む

こうしたチェックで1つでも当てはまる場合には圧迫骨折の可能性があります。放っておくと歩行が困難になったり、いつまでたっても腰痛や背部痛が残ることがあります。また、骨がつぶれたり変形したりして、脊髄や神経を圧迫すると、難治性のしびれ、痛みや下肢麻痺などの神経症状が残ることがありますので、この程度、と思わずに、早期に整形外科などを受診するようにしましょう。

★どんな検査を受けるのか?

通常はレントゲン検査で診断可能です。レントゲン写真では椎骨がつぶれて、楔状に変形して見えます。この場合はさらに精密なMRI検査を行います。診断当初に骨に変形は無くても、後になって徐々に骨がつぶれてくることがありますので、間隔を開けて何度かレントゲンを撮る必要があります。

このような画像検査によって、圧迫骨折と診断された場合は、麻痺などの神経症状がなければまず、保存療法が行われます。保存療法は、安静と痛みのコントロールです。無理をせず、できるだけ安静を保つように心がけてください。多くの患者さんは保存療法で症状の改善がみられます。

またコルセットの着用は必須です。コルセットは市販されていますが、患者さんの体型に合わせて背骨のカーブを維持するのが難しい場合があります。また、市販の腰痛用のベルトは骨折した部分を十分に固定できないことがあります。ですので、自分の体に合わせた医療用コルセットを作成してもらった方が良いでしょう。保存療法で痛みが軽くなってきたら、リハビリを開始します。多くの場合、保存療法を2〜3ヶ月間行えば、折れた骨がくっつき、痛みも軽くなっていきます。

★痛みが取れない場合は手術

十分な保存治療を行っても痛みが取れない場合には、経皮的椎体形成術という手術となります。

この手術は、アメリカで開発された新しい治療法で、日本でも2011年1月より公的保険が適用されています。まず、患者さんにうつぶせになってもらい、全身麻酔をかけたあとに、X線などで患部を観察しながら、骨折した椎体に特殊な風船を挿入します。

風船を膨らませることでつぶれた骨を元に戻し、バルーンを抜きます。そして、再び骨折しないように、その空間に医療用の骨セメントを注入します。手術は30分ほどで終了し、安全性も高く、圧迫骨折には極めて有効な治療法です。ただ、つぶれた骨が神経を圧迫し、神経症状が出現すると、治療は極めて難しくなります。金属を入れて背骨を固定したりする必要が出てきますが、骨が弱いために必ずしもうまくいくとは限りません。だからこそ、「骨折かも」と思った場合には、早めに専門の医療機関を受診して下さい。

★早期発見が重要になる

早期発見が重要になるとともに、骨折しないように予防することも重要です。骨折しない丈夫な骨を維持するためには、骨粗鬆症の予防が最も重要です。骨粗鬆症予防の基本は「食事」「運動」、そして「薬の服用」です。

「骨にはカルシウム」と思いがちですが、タンパク質、ビタミンD、ビタミンKなど、骨を作る栄養素を十分に取る必要があります。またスクワットや定期的な散歩など,日々の生活に体を動かす習慣をつけて下さい。

「薬の服用」ですが、骨が壊れないようにする薬、骨の形成を助ける薬、骨の新陳代謝のバランスを整える薬の3つのタイプがあります。自分の病態や生活スタイルに合った薬を処方してもらいましょう。

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181015080130

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