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作られた服の半分が捨てられている!衣服ロスの現状

森本毅郎 スタンバイ!

以前、「食品ロス」の問題を現場にアタックのコーナーで取り上げましたが、「ロス」は食品だけではありません。洋服の余剰在庫「衣服ロス」について、10月25日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

作られた服の半分が捨てられている!衣服ロスの現状http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181025073130

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

先日、高級ブランドのバーバリーが、売れ残った商品を全て焼却処分していたことがニュースになりましたが、アパレル業界では余剰在庫の処分が大きな問題になっています。まずは、日本ではどんな状況なのか。ファッションビジネスコンサルタントの小島健輔さんのお話です。

★廃棄率53%!「衣服ロス」の実態

ファッションビジネスコンサルタント 小島健輔さん
アパレル業界が供給している量の半分強=53%ぐらいが、バーゲンしても、アウトレットで叩き売っても残って処分されています。過去に遡っても間違いない事実だということがわかります。というのは90年ごろは今に比べると供給量は半分以下だったんですが、そこから二十数年の間に2.4倍くらいに供給量は増えたんですが、消費は16%しか増えなかった。当然、余っちゃうわけですね。90年ごろは需給がバランスしていたので、バーゲンすると業界で残るのは3.4%しか残ってなかったんですよ。おんなじ計算で今53.4%が残っている計算になります。本当に残っているんです…
森本毅郎スタンバイ!

「衣服ロス」、かなり深刻なようです

小島さんの分析によると、現在の日本での供給量は、年間約29億点。それに対し消費者が購入しているのは年間約14億点ということで、その差15億点が処分されているということです。バブル崩壊後の90年代以降、製品の単価を安くするため生産拠点を海外へ移転。業界は大量生産することでコストを抑える方向にシフトしました。

また、工場は常に稼働させなければならず、小売店は店頭に在庫がないと機会損失が出てしまうというアパレル業界の構造自体に問題があるようです。中間の流通業者はそれを見越して〝多めに”商品を作るので、常に在庫がダブついた状態になってしまっています。また、近年トレンドの移り変わりが激しいことも、在庫管理を難しくしている一因と言います。

★企業間のフリマサイト「スマセル」

このアパレル業界の現状をなんとかするため、衣服ロス削減に取り組んでいる企業があります。ウィファブリック株式会社・代表取締役CEOの福屋剛さんのお話です。

ウィファブリック株式会社・代表取締役CEO 福屋剛さん
弊社の「スマセル」というサービスなんですが、企業・法人間で在庫を売買する、繊維・ファッション業界のフリマサイトです。簡単にいうと、在庫を処分したい企業さんと、特価商品を必要としているバイヤーさんを、オンライン上でマッチングしていくプラットフォームになっています。
アパレル商品からテキスタイル関係(生地)、あとは糸や、細かいものだとボタンや古着、ハイブランド商品などいろんな商材が扱われており、今だいたい3000社弱ぐらいの企業様に登録いただいています。商品に関しては一つの基準にはなりますが、基本的には定価の80%オフぐらいで仕入れることができます。
森本毅郎スタンバイ!

「スマセル」の仕組み

「スマセル」は、メーカーや商社が、自分たちが処分したい余剰在庫をサイト上に出品します(希望価格や数量などの情報も併せて登録)。そしてこれらの商品を小売店などが格安で購入できるという、「企業向けのフリマサイト」となっています。日本を代表する大手アパレルや大手商社などが登録していて、バイヤー側は信頼の置ける会社から商品を安く仕入れられます。また、出品者側は、本来費用をかけて廃棄する予定だった在庫が無駄になりません。匿名での出品も可能なので、既存顧客との関係を維持しながら販売ができます。

さらに、このサービスは「販路の限定」が可能。例えば日本と中国で展開しているメーカーの場合、ブランド価値の毀損を防ぐために「日本と中国以外で販売して欲しい」と制限をかけることができるわけです。スマセルは、こうした企業間の取引を仲介し、手数料で収入を得るというビジネスモデルで成り立っています。

★タグを付け替えて再販売する「リネーム」

ここまでは法人や個人事業主の間の「BtoB」のサービスでしたが、私たち消費者もお得に買えるサービスもあるようです。株式会社FINEの取締役・津田一志さんのお話です。

株式会社FINEの取締役 津田一志さん
弊社は名古屋の会社です。企業からアパレル在庫の買い取りをして、それを再販売するようなビジネス。その中で特徴的なのが「リネーム」という方法で、弊社で買い取らせて頂いた商品の襟についているブランドネームや洗濯ネームを、提携している加工工場で付け替えて、新しく「リネーム」というブランド名で再販売しています。大きく分けて小売店への卸売と、ECサイトの2つで売っていて、例えば元の値段から3割引とか、中には半額以下など様々です。お客様になるべくメリットがあるような価格で提供させて頂いてます。
森本毅郎スタンバイ!

「リネーム」の仕組み

この「リネーム」というサービスは、主に国内ブランドなどから買い取った在庫の首元のブランドタグや洗濯タグを、提携している加工工場で「リネーム」という自社ブランドのタグに付け替えて、再販売するというものです。

ネームタグを外してブランドバリューをなくすことで、在庫として処分される予定だった商品を安く消費者に提供することができますし、ブランド価値の毀損を防いでいます。

リネームのサイト等から一般の消費者も買うことができますが、トップス1000円~、アウター2000円~等々、とてもお得な商品が並んでいます。

★〝受注生産”で必要な分だけ作る

最後に、これからアパレル業界が衣服ロス問題をどのように解決すべきか、ウィファブリックの福屋さんにお伺いしました。

ウィファブリック株式会社・代表取締役CEO 福屋剛さん
まずは残ったもの廃棄しない、廃棄することを良しとしない流れにもっていきたい。あとは今すぐには難しいですが、受注生産という形に切り替えていくことで問題解決につながっていく。ちょうど今「ZOZOスーツ」などで今の段階ではセミオーダーという形になるんですが、ある程度決められた型の中で自分のサイズが買える仕組みもあるので、限りなく受注生産に近い流れというのは、少しずつですが出てきていると思います。

いま、受注生産方式が急成長しているという動きもあるようですが、持続可能な業界にしていくためには、少しずつでも変革が必要だと仰っていました。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!