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医療的ケア児の家族は何に困っているのか?▼人権TODAY(2018年10月27日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・『医療的ケア児の家族は何に困っているのか?』

障碍者手帳がもらえず、金銭面で負担大

人工呼吸器やたんの吸引など、日常的に医療的なケアを必要とする子供は「医療的ケア児」と呼ばれています。その家族や支援者が集まるイベント「ウイングス・カフェIN東京」10/13(土)に行われました。主催は「ウイングス 医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会」。第4回となる今回は、「医療的ケア児と家族の困り事など」をテーマに講演会と座談会を行いました。まずは、当事者の方が何に困っているのか?参加者の一人、10か月の娘さんがいるお母さんのお話です。

医療的ケア児の娘がいるお母さん
うちの子供は原因不明の排便障害があって、それが解決しないために人工肛門をつけることになりました。その疾患に対してそもそも疾患名がまず付かない。で、「いつかは閉じれるだろう」という状況なので、障碍者手帳もこれまで申請してこれなかった。なので、どうしても
金銭面で困るところがあって、困っているという状況です。

例えば、手帳があればほぼ負担なしで買える「パウチ」という排せつ物を受け止めるための袋も全額負担。また、遠方の病院に通うなど交通費もかかり、お金にとても困っているということでした。医療的ケア児は、医療の進歩で以前なら助からなかった命が助かることが増えたため、この10年で2倍以上、今は全国に1万8000人以上いるとされています。ですが医療的ケア児は従来の「障害のある子ども」の枠では収まらず十人十色で、病名もつかず、既存の制度では支援が行き届かない、という方も多いです。

荒川区の「留守番看護師派遣事業」誕生の裏側

今回のイベントは、前半部分では「問題の解決策を学ぼう!」と題して識者による講演会が行われました。登壇した一人、フリーランスライター兼コピーライターの富田チヤコさんは9年前、医療的ケア児の娘さんのために当時住んでいた荒川区に掛け合って新たな制度を発足させました。

フリーランスライター兼コピーライターの富田チヤコさん
看護師さんが利用者さんのお宅に行って、1回3時間くらい来るからその間お母さんはどうぞ外出ていいよっていう風に言ってくれる制度。目の前のコンビニさえ行けないのはすごく大変だということを実は、私自身が行政の方にお伝えして、何とかならない?一緒に考えてね、という形で実はお願いをしたことが1つのきっかけになって、日本初めての制度が誕生いたしました。

医療的ケア児の家族は、24時間365日つきっきりで、たんの吸引などお子さんのケアをしなければならず、とても大変な思いをしています。そこで、富田さんはその実情をスケジュール表にまとめて親御さん達が休む必要性を荒川区に伝えたことがきっかけで9年前「留守番看護師派遣事業」が誕生しました。ですがこの制度も含めて、医療的ケア児の支援は地域ごとに支援が手厚い所とそうでない所の格差が大きいそうです。

自治体の福祉格差を無くすには?

イベント後半は、当事者と支援者を交えた座談会。あるグループは「自治体の福祉格差を無くすには?」というテーマで話し合い、代表者がその内容を発表しました。

「ウイングス 医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会」スタッフ
自治体間も知らないんですよね。国制度があって都道府県制度があって市町村制度があるとしますと、国制度はミニマムな所、誰にでも対応できるあたりを決めるとするとやはり、制度の狭間に落ちるような人に、対応するような制度が作れるとしたら、身近な自治体の話になってくる。けど今度は身近な自治体になるとお互いが何してるのかよく知らない。ということでそこを可視化したいよねっていう話が1つあるかなと

座談会のグループの中に1人、大坂を拠点に活動する当事者団体の方がいて、その方は自治体毎の対応の違いを地道にまとめている人という話が出たことで、そういった作業を他の地域でもやっていくといいね、という案が出ました。

放課後等デイサービスは、保護者にとっても必要な場所

当事者が悩みを語り合い、解決につなげる場となっている「ウイングス・カフェ」。代表の本郷朋博さんは、さらなる展開も考えています。

「ウイングス 医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会」本郷朋博さん
今年の6月から「全国家族会マップ作成プロジェクト」というもので、全国の家族会を一覧化してネットワークを作って「ここにも家族会があるんだよ」というのを皆さんに知って頂くということをしていますので、そういったところでつながった家族会と一緒にウイングス・カフェのような座談会を開けたらいいなと思っています。

「全国家族会マップ作成プロジェクト」は既に10都道府県の20団体が登録されていて、目指すは100団体だそうです!

(担当:中村友美)