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今度は同じ失敗を繰り返しちゃいけない 枝野幸男さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
10月27日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、立憲民主党代表・枝野幸男さんをお迎えしました。

枝野幸男さん

枝野さんは1964年、栃木県生まれ。1993年、日本新党の公募候補として衆議院議員に初当選したあと、新党さきがけなどを経て1998年に民主党の結党に参加。2009年に民主党が政権交代を果たすと内閣官房長官や経済産業大臣などを歴任しました。しかし民主党はその後、国民の支持を失い再び野党に。2017年10月、民進党が分裂すると立憲民主党を結党し代表に就任、直後の衆議院選挙で野党第一党となりました。今年(2018年)7月、野党が共同で安倍内閣への不信任案を国会に提出したときは、2時間40分におよぶ演説が話題になりました。それでも「安倍一強」「一強多弱」といわれる与野党の状況は変わりはありません。10月24日に始まった臨時国会ではどう対峙するのか注目されます。

久米宏さん

「昨今の自民党の劣化はただごとではないと思っています。枝野さんが1993年に初当選なさったとき、細川内閣ができたあのときに55年体制が崩れて、それからいろいろ紆余曲折があって民主党政権がようやくできた。あのときが自民党がだめになり始める最大のきっかけ。そして民主党が残念ながら政権を手放すことになってしまったときが、野党がもう一度返り咲こうという意欲がなくなって、自民党・野党ともにだめになるきっかけだったと思っているんです。変な言い方ですけど、もうちょっとスムーズに自民党に政権を移していれば民主党もまた元に戻れたのに、それさえもできないような崩れ方をしてしまったというのは本当にもったいないことをしました」(久米さん)

「私もその責任の一端は間違いなくあると思うので、今度は同じ失敗を繰り返しちゃいけない。だからいま野党には政権交代という期待を国民の一部からいただいているんですが、我々は変えるだけじゃだめで、交代システムが定着するような変わり方をしなきゃいけない。これは民主党政権3年3ヵ月の反省と教訓だと私は強く感じています。政権を取ったからといってすべてが一気にひっくり返るわけじゃない。やっぱり時間をかけて変わっていくところはたくさんあるし、時間をかけなきゃいけないところもある」(枝野さん)

「あのときぼくが思ったのは、優先順位のつけ方を間違えたと。なんもかんもいっぺんにやるっていうのは不可能で、いちばん重要なところから、国民に分かりやすいところから一歩一歩やっていけばよかったのに、いっぺんにやろうとした」(久米さん)

「その通りです。それはぼくもすごく強く感じていて、同じ失敗はしちゃいけないなと。いまもそれこそ『早く政権を取り戻せ、自民党政権を倒せ』とものすごく期待をしていただいて、それはそれでありがたいんだけども、急いだらうまくいくのかというと政治は時間の関数みたいなところがあって。もう3ヵ月待てばうまくいくことをいまやったらうまくいかないとか、いまならうまくいくけど半年後はうまくいかないとか。こういうことがあるので、その見極めをする視点があるかどうかが大事。常にそういう視点で自分が正しいことをやっているかどうかを顧みながらやっています」(枝野さん)

「政権を取り戻すのは下手したら15年プランぐらいのスタンスで考えたほうがいい。もし何かハプニング的なことが起こって、野党に政権が転がり込んできたりなんかしたら、またろくなことにならない(笑)。じっくり10年とか15年かけて取り戻したら本物の野党の政権ができて、本当の二大政党時代が…。そのときにいまの政治がどうなっているのかということもまず考えなきゃいけないとは思うんですけど。いまの訳の分からない自民党推しというか、ほかに入れるところがないから自民党だという人が多いんですよ、世論調査でも。こんなふうに訳も分からずに自民党に投票している人たちの〝気分〟というものを変えるのは10年ぐらいかかる。気分ほどややこしいものはないので、この気分を変えないと本当の政権交代は起きないなって。これどうすりゃいんだろうなって。これはぼくが考えることじゃないんだけど(笑)、ぼくの命題でもあるんですよ。どうしたらこれ変えられるだろうか」(久米さん)

「ぼくも去年(2017年10月)立憲民主党を立ち上げたときは、まさに、自分たちが中心の政権を取り戻すには10年、15年のつもりでスタートしたんですよ。こんなに選挙で議席をいただくとは思っていなかったので。それで野党第一党にしていただいて、やっぱり野党に期待していただいているみなさんのかなりの人たちは、早く安倍政権を倒してほしい、こんなひどい状況をいつまで続けてくれちゃ困ると。実際、暮らしで困っている方もたくさんいるので、急いでくれという声にも応えなきゃいけない。でもいま久米さんがおっしゃった通り、本当の意味でこの国の政治の風土というか空気を変えるには長期戦も必要。それをどうやって両立させるかというのはいま、正直、悩みです」(枝野さん)

スタジオ風景

「ぼくはやっぱりいちばん分からないのは、日本人の心根ですよね。安倍さんをテレビで見るチャンネル変えちゃうという人もぼくの周りにはいっぱいいるんですけど(笑)、でもまあしょうがないからって思っちゃってる日本人が多い」(久米さん)

「ただ、世論調査では支持と不支持がほぼイコールぐらいですが、実際の選挙の結果は、去年の衆議院選挙でも自民党と公明党を足しても50%いっていないんですよ、投票した人が。だから世論調査の数字とか国会の議席数ほど安倍さんや自民党に投票している人は多くないんです。それから、2009年に自民党が下野したときと比べていまの票も増えていないんですよ。ということは、我々にかつて投票していただいた方々が棄権している、諦めてしまっている。ここにどうアプローチするか。いま直近でやらなきゃならないことは、いまの状況でも安倍さんに期待しているとか投票している人にアプローチするのではなくて、あのとき民主党に期待してくれたのに期待を裏切られたということで諦めている人からどうやってもう一回、信頼を取り戻すかというほうが、たぶん先にやらなきゃならないことだと思うんです」(枝野さん)

「ということは、野党の魅力ですね?」(久米さん)

枝野幸男さん

「そうです。だから来週から国会論戦が始まって、もちろんいまの安倍政権がどんなにおかしいかを追及することも野党の大事な責任ですからやらなきゃいけないんですが、同時に、じゃあ我々はどうするのかっていうことを…。かなり強調して言っているつもりなんですが、それでもなかなかメディアを通じてだと有権者に伝わらないので、ここをどうやって直接有権者に伝えるか。例えば、ぼくは全国でわが党の立ち上げに呼んでもらって講演させてもらう機会があるんですが、安倍政権に対する批判はほとんど言っていなくて、こうやって景気を良くしますといった経済政策を30分、1時間話しているんです。これはメディアではなかなか報道してもらえないし、しかも短くは話せないじゃないですか、経済政策なので1分や2分で。ここをどうするかが、たぶん来年の参議院選挙の課題ですね。なるほどこういうやり方でいまの暮らしがもうちょっと良くなるのかなあと思ってもらえれば、かなり一気に世の中の空気は動くと思っています」(枝野さん)

「これはぼくの感覚なんですけど、日本人は戦後すぐから、もしかしたら戦前からなんですけど、『右か左か』という考え方がわりと脳裏に染み付いちゃって、野党は左で自民は右と。実は立憲民主党は保守なんだということを理解している人は、ほとんどいないですよ」(久米さん)

「だと思いますね」(枝野さん)

「立憲民主党ってどんな党かというとき、左か右かで分けると立憲民主党は左だろうってみんな思っちゃうわけです。それはなぜかというと自民党が右だからと、それだけの話なんです。ただ実態は立憲民主党は保守党で、『本物の保守とはこういうことなので、自民党の保守はニセモノなんだ』ということをちゃんとアピールすれば、ぼくは理解されると思うんです」(久米さん)

「安倍さんはかつての自民党の右の中でもいちばん右に振り切ったことで、有権者に分かりやすくなったんです。これは左にも言えることです。極端に振り切ったほうが分かりやすいというのが先進国の中でも最近はやっていて、この流れ自体にも我々はアンチテーゼを出していこうと。ぼくは去年(2018年)の衆議院選挙で、右でも左でもなく『上から』か『草の根から』だと言ったんです。上のほうの人たちをみてうまくいってるじゃないかと考えて政治をやるのか、生活が苦しい人や困っている人、あるいは東京だけじゃなくて離島とか山村とか厳しい条件のほうからものを見て考えるか」(枝野さん)

「立憲民主党には若くて有望な議員が増えてきているんですか?」(久米さん)

「うちの党は、ばたばたと集まったわりに結構しっかりしているので、びっくりしているんです。それとうちの若手が恵まれているのは、泳ぎ方を教わる前にいきなり海に突き落とされたこと。しかも中堅がごっそりいないので、新人がいきなり最前線で仕事。だからものすごく鍛えられています。ぼくが新人のとき(日本新党)がそうでした。あとは彼ら、彼女らがどうやって政治の世界で生き残れるかどうか。国会では鍛えられているので、選挙でうまく首がつながっていけばそれが蓄積になって、いい政治家になっていくと思います」(枝野さん)

「実は、ほとんどの国民は国会議員をばかにしている。これは悲しい実情だと思うんです。我々が選んで国の運営を任せた人なのに。これいちばん、なんとかせにゃならんと思う点です。立憲民主党はちゃんと言ったほうがいいと思いますよ、立憲民主党は保守なんだって」(久米さん)

「本当の保守です。自民党の保守とは対極にあると思います」(枝野さん)

枝野幸男さんのご感想

枝野幸男さん

楽しかったですけど緊張しました。しゃべりやすいように話を展開してくれたので楽しかったのですが、でもやっぱり久米さんという人はいろいろ深く洞察しながら聞いているなあというのを感じるので、ものすごく緊張しました。

記者会見で記者さんたちが聞くような決められた質問はこないと思っていましたけども、それにしても緊張感ある30分でした。今度はやわらかい話題もぜひ(笑)。

枝野幸男、魂の3時間演説
「今週のスポットライト」ゲスト:枝野幸男さん(立憲民主党代表)を聴く

次回のゲストは、小説家・志駕晃さん

11月3日の「今週のスポットライト」には、小説家の志駕晃(しが・あきら)さんをお迎えします。ニッポン放送の元ディレクターで、現在はニッポン放送の関連会社にお勤め。「このミステリーがすごい!大賞」の応募作『スマホを落としただけなのに』で2017年に小説家デビューしました。そのデビュー作がいきなり映画化され、11月2日から公開されます。

2018年11月3日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181103140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)