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デビュー作『スマホを落としただけなのに』が50万部の大ヒットで映画も公開! でもこのタイトル、実は… / 志駕晃さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
11月3日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、話題のミステリー『スマホを落としただけなのに』で小説家デビューした志駕晃(しが・あきら)さんをお迎えしました。デビュー作がいきなり50万部の大ヒット(2018年11月現在)で映画も公開。実はニッポン放送の元・名物ディレクターでいまも関連会社に勤務しながら執筆しているという二足のわらじ!


志駕さんは1963年生まれで、中学生の頃は星新一の作品に感化されてショートショートのようなものを書いていました。でもその後、漫画を描く方に興味が移って、明治大学では漫画研究会で将来プロになろうと思っていたそうです。ところがニッポン放送でアルバイトをした縁で採用試験を受けると合格。1986年にニッポン放送に入社しました。まだ駆け出しだった伊集院光さんや中居正広さんの番組をはじめ、『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』などのディレクターを務めました。2004年9月に久米さんがニッポン放送の各番組を朝からはしごして出演した特番(『ニッポン放送 久米宏と1日まるごと有楽町放送局)のときには編成マンとして立ち会っていたそうです。それから14年、今度は志駕さんのほうがTBSにご出演となりました。志駕さんから見るとTBSラジオはエリートで、ニッポン放送はノリで勝負。「面白い!」とまっ先に言えるかどうかが大事で、「面白いと思ったらとにかくやってみよう!」という人が生き生きしていたのがニッポン放送だそうです。

数々の番組でパーソナリティにいじられ、愛された名物ディレクターでしたが、30代後半で管理職になると徐々に現場に関わる機会が減ってきました。そうなるとクリエイター魂がうずいて「何か作りたい…!」と思うようになり、48歳のときにミステリー小説を書き始めたのです。


そして2016年に宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞に応募したのが、53歳のときに書いた4作目。これが受賞は逃したものの高く評価され、翌年(2017年)に『スマホを落としただけなのに』というタイトルで書籍化。するとたちまち10万分を突破し、トントン拍子に映画化も決定! 今年(2018年)11月2日から劇場公開がスタートしたところです。


「『スマホ―』がミステリーで、その前の3つも全部ミステリー。どうしてミステリーなんですか?」(久米さん)

「純文学をぼくが書いても意味がないなと思って(笑)」(志駕さん)

「芥川賞を取っても意味がないと」(久米さん)

「18歳の女子高生でもないので(笑)。それにミステリーがやっぱり市場としては大きいので」(志駕さん)

「さすがニッポン放送! 最初はどんなものを書いたんですか?」(久米さん)

「タイムトラベルものでした。懸賞に応募したんですけど全然だめでした」(志駕さん)

「でも中学生のときにショートショートを書いて、そのあとずっと書いていなくて、48歳からまたよく書けましたね?」(久米さん)

「出だしは書けるんですけど、最後まで終わるかが不安でした。でも途中で気がついたんです。全部ストーリーだけでいこうとすると大変だけど、途中で説明を入れればいいんだって。調べたり取材した情報を入れて、それも会話文として書くと情報が自然と入るし、何よりページが進むんです(笑)。それでコツをつかんで、それからは書くのが苦じゃなくなりました」(志駕さん)


「1作目のタイトルは何だったんですか?」(久米さん)

「たいしたタイトルじゃありませんよ(笑)」(志駕さん)

「そう言われるとすごく聞きたくなるんですよ(笑)」(久米さん)

「『もう一人の自分』とかそういうやつですね」(志駕さん)

「ありがちですね(笑)。2作目は?」(久米さん)

「2作目はラジオの話で、密室殺人が起こる話で、『誰のための密室』」(志駕さん)

「いいですねえ。3作目は?」(久米さん)

「『悩死(のうし)』っていうタイトル」(志駕さん)

「悩んで死んじゃう、いいですね。ここまでの作品は賞に応募したんですか?」(久米さん)

「しました。1作目は全然だめでしたけど、2作目と3作目は最終候補まではいかなかったんですけど、そこそこいいとこまでいって」(志駕さん)

「そこそこいいとこって、どこです?」(久米さん)

「1次通過、2次通過ってちゃんと教えてくれるんですけど、2次ぐらいを通過するともうあとは運という感じです」(志駕さん)


「それでいよいよ4作目が『スマホを落としただけなのに』。これは実は最初、タイトルが違いました。最初についていたのはごくつまらないタイトル(笑)。『パスワード』っていうんです」(久米さん)

「まあ、ぼくも良くはないなと思ってはいたので(笑)」(志駕さん)

「ぼくはね、このタイトルを付けた人は天才的だと思ったんです。スマホを落としただけなのにって、ごく普通の話し言葉だし、誰でも思いつくような言葉なんですけど、なかなかタイトルとしては思いつかない」(久米さん)


「ぼくもまずタイトルを褒められるんです、本編よりも(笑)。そしてこれ、ぼくが考えてないんです。それで気まずい雰囲気になる(笑)」(志駕さん)

「すいません! その話を聞いていたら言わなかった(笑)。そうなのかあ。いかんなぁ!」(久米さん)

「みなさん、そうおっしゃいます。映画になるときも『このタイトル、いいですねえ!』って(笑)」(志駕さん)


いえいえ、秀逸なのはタイトルだけではありませんよ。スマホを置き忘れるというありふれた日常のひとコマから底なし沼のような恐怖にはまっていくストーリーは、時間を忘れて一気読み! 読んでから映画を観るのもよし、観てから読むのもよし。さらに、デビュー2作目の『ちょっと一杯のはずだったのに』と『スマホ―』の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』で秋の夜長を楽しんでみてはいかがでしょう。

志駕晃さんのご感想


久米さんに何を聞かれるかかなりシミュレーションしてきたんですけど、まったく役に立ちませんでした(笑)。まさかラジオ局の「ノリ」の違いの話になるなんて、どうやって説明したらいいか…。何を話しましたっけ(笑)。

本当にいろいろシミュレーションしたのにそれを使えなかったのが悔しいです。もっと面白いネタがあったのに(笑)。ありがとうございました。



「今週のスポットライト」ゲスト:志駕晃さん(小説家)を聴く

次回のゲストは、カーオーディオ専門店社長・高橋昭さん

11月10日の「今週のスポットライト」には、栃木県小山市にあるカーオーディオ専門店「サウンドテック高橋電機」の社長・高橋昭さんをお迎えします。10代でカーラジオの修理店を始めて以来、「良い音」を追求し続けて半世紀! いまは栃木特産のかんぴょうを使ったスピーカーも作り、オーディオに関心のなかった女性たちにも人気だそうです。

2018年11月10日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181110140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)