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意表を突く高音質!「かんぴょうスピーカー」 高橋昭さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
11月10日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、栃木県小山市にあるカーオーディオ専門店「サウンドテック高橋電機」の高橋昭さんをお迎えしました。最近は地元の特産を利用した「かんぴょうスピーカー」も製作し、高音質と見た目の可愛さで人気となっています。

かんぴょうスピーカー

高橋さんは1950年、福岡県田川郡川崎町生まれ。「青春の門 筑豊偏」の舞台になった炭鉱町です。高橋さんの父親は古河鉱業に勤めていました。13歳のとき父親が足尾銅山のある栃木県に転勤となり、小山市に越してきました。1969年、地元の高校を卒業して一時、東京・赤坂の会社に勤めましたが、父親が体調を崩したため小山に戻り、カーラジオの設置・修理を行う「サウンドテック高橋電機」を創業しました。ちょうどその頃から山水電気、トリオ(ケンウッド)、パイオニアの「サン・トリ・パイ」国内御三家をはじめ日本の音響メーカーが急成長。ホームオーディオの分野はすでに大手が先行していたので、まだあまり開発が進んでいなかったカーオーディオをやろうと考えたのです。当時はまだカーラジオが付いていないクルマも多かったそうです。高橋さんはガソリンスタンドや自動車修理工場、カーディーラーなどを回って、ラジオの取り付けや修理を行っていました。

高橋昭さん

東京の民放ラジオ各局の深夜放送が人気を集め始めたのもその頃。でも栃木の小山ではなかなか電波が入らず、高橋さんは雑音と闘いながら必死でラジオを聞いてたそうです。

スタジオ風景

「私たちにとって東京のラジオは〝流しそうめん〟のようだと思っていました。東京のラジオ局から流れてくる電波は都内の人がガバッと取ってしまう。埼玉の人たちも結構取れる。でも栃木に入るともうパラパラッと数本しかそうめんが流れてこない(笑)。その数本を小山にいる私たちは必死になって聞いてました。もっと北に行って宇都宮になるともうだめ。何も聞こえないんです。だから宇都宮ではクルマで聞く8トラックがすごく売れていました」(高橋さん)

8トラックなんて50代以上の人にしか分からないかもしれませんね。でもそんな「音質格差」があった地域で育った高橋さんだからこそ、良い音で聞きたいという思いが強いのでしょう。スマホ世代の人たちにはない音への執念を感じますね。

その後、1980年代から90年代は国産オーディオの全盛期。カーオーディオでも各社が高級機器を次々と開発し、それが飛ぶように売れる時代でした。純正オーディオにあきたらず、好みの音を求めて各社のアンプ、チューナー、スピーカーを揃えて「カーコンポ」を組む人も少なくありませんでした。でもそんな熱気もバブル崩壊とともにしぼみ、「より良い音」を追求するマニアも減っていきました。そんな業界の栄枯盛衰の中でもブレることなく、高橋さんは半世紀に渡ってカーオーディオ専門でやってきました。その間、いくつかオーディオ用品も開発し、カー・グッズの賞も受賞しています。

久米宏さん

さらにカーオーディオで培ったノウハウを生かして2015年には、栃木県特産のかんぴょうを利用したスピーカー「fucucchi(フクッチ)」を開発しました。音の良さとユーモラスな見た目が人気となり、これまでオーディオとは縁遠かった女性からも注文が増えています。

「かんぴょうスピーカーは私が作る以前に作った人はいます。でもそれはインテリア的に作っているという感じで、音質的にはまだどうかなと見ていました。ただ、それはそれでインテリアとしてはありだと思っていたんです。ところがあるとき、私の仲間がかんぴょうでスピーカーを作ったんです。そうなるとオーディオを何十年とやってきた自分としては見過ごすわけにはいかない(笑)。かんぴょうのスピーカーの性能を調べてみたんです。そうしたら音がすごく良いんです。結局、音をいろいろやっていると自然素材、天然素材に行きつくんです。それならいままで培ったオーディオ技術と天然素材の良さを組み合わせて良いスピーカーを作ろうとなったわけです」(高橋さん)

かんぴょうスピーカー

スタジオにもかんぴょうスピーカー「fucucchi」を持ってきていただきました。なるほど女性が飛びつきそうなかわいいルックス。ゆるキャラのようにも見えます。かんぴょうはユウガオの実。その実が成熟する前に夏頃、収穫して皮をむいたものが食用の「干瓢(かんぴょう)」になるのですが、スピーカーに使うかんぴょうは実が頑丈で大きくなるまで成熟させて、12月に収穫します。大人がひと抱えするぐらいの大きさになったかんぴょうを2年ほど乾燥させてから加工するのだそうです。

かんぴょうスピーカー

実際どんな音が出るのか? スタジオでCDを聞いてみると、見た目の大きさからは想像できないくらい広がりのある音、深みのある音に久米さんもびっくり。開発した当初、高橋さんは製品化するつもりはなかったのですが、あるとき小山市の商工会議所が開催したギフトショーでBGMを流すためにこのかんぴょうスピーカーを持っていったところ、会場に来た人が陳列した商品のところに行かずに、みんなスピーカーのほうに集まってしまったそうです。それでこれは売り物になるぞということで量産化に踏み切ったのです。ただし量産化といってもいまのところ作れるのは1日1~2個で、1年間で300個ほどが限度だそうです。

高橋昭さん

「オーディオを50年やっていてお客さんは男性ばかりでした。初めてこんなに女性に来てもらってびっくりしてます」(高橋さん)

ピュアポイント

また、この日のスタジオにはもうひとつ、高橋さんが開発した製品を置いてみました。それは音のこもりを解消する「ピュアポイント」という音響デバイス。メイクに使うコンパクトのような形・大きさで、中には真鍮とカーポンと紙が入っています。元々は車内の音のこもりをクリアにするために開発したものですが、工場や病院、レストランなどでも導入されているそうです。番組のオープニングからずっとスタジオに置いていたのですが、久米さんや堀井さんの声はいつもと違っていたでしょうか??

スタジオ風景

「いまはスマートフォンでもきれいな動画がみられる時代ですから、音よりも映像のほうに多くの人が惹かれるんだと思います。音と映像を比べたら、映像のほうが情報量は多い。でも私は、情報の〝核〟は音のほうにあると思っています」

より良い音を求め続けて半世紀の高橋さん、その仕事に終わりはないのかもしれませんね。

高橋昭さんのご感想

高橋昭さん

久米さんは最初に現れたときから、まるで昔から知っている人に会ったように一瞬で打ち解けて、心を開いてくださって大変ありがたかったです。やっぱりそれが久米さんの魅力ですね。

対談では自分が言いたかったことをほとんど引き出してくださいました。普通、話が広がると深くはならないものですけど、久米さんは話を広げつつ、深さも引き出してくれました。大変ありがとうございました。

「今週のスポットライト」ゲスト:高橋昭さん(サウンドテック高橋電機)を聴く

次回のゲストは、社会学者・吉見俊哉さん

11月17日の「今週のスポットライト」には、社会学者で東京大学大学院教授の吉見俊哉(よしみ・しゅんや)さんをお迎えします。吉見さんは今年の夏までハーバード大学の客員教授としておよそ1年間、アメリカに滞在していました。トランプ政権になって混乱するいまのアメリカは社会学者の目にどう映ったか。じっくりお聞きします。

2018年11月17日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181117140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)