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「祝・リリース50周年〜ビートルズ『ホワイトアルバム』傑作カバー選」(高橋芳朗の洋楽コラム)

ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんによる洋楽コラム

「祝・リリース50周年〜ビートルズ『ホワイトアルバム』傑作カバー選」

祝・リリース50周年〜ビートルズ『ホワイトアルバム』傑作カバー選http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181123123439

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

The Beatles (White Album / Super Deluxe)

【高橋芳朗】
本日はこんなテーマでお届けします。「祝・リリース50周年〜ビートルズ『ホワイトアルバム』傑作カバー選」。今年でリリースから50年を迎えたビートルズの10枚目のアルバム『The Beatles』。ジャケットが真っ白であることから通称「ホワイトアルバム」と呼ばれています。イギリスではちょうど50年前の昨日、1968年11月22日にリリースされてるんですね。

その「ホワイトアルバム」、先日には50周年記念で未発表音源を大量に追加したスペシャルエディションが発売になりまして、これがたいへん大きな話題を集めています。本日はそんな「ホワイトアルバム」に収められている曲を取り上げた素晴らしいカバーの数々を聴いてもらいましょう。

【ジェーン・スー】
よろしくお願いします。

【高橋芳朗】
実際に曲を聴いてもらう前に「ホワイトアルバム」について簡単に説明しますと、1968年の発売当初はアナログ2枚組でリリースされています。そんなわけで収録曲は30曲、収録時間も90分を超えるボリュームになっているんですけど、ビートルズのメンバー4人、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、それぞれのメンバーのソロ作品の集合体のような構成になっているのが大きな特徴ですね。そこからもうかがえると思いますが、非常にバラエティに富んだアルバムです。

今回はそんな「ホワイトアルバム」の特性も踏まえて、各メンバーがリードボーカルを取る曲から一曲ずつカバー曲を選んでみましたジョン・レノンが歌う曲から一曲、ポールから一曲、ジョージから一曲、リンゴから一曲、計4曲お届けしますね。

まずはポール・マッカトニーからいってみましょうか。「ホワイトアルバム」のポールの曲としては「Back in the U.S.S.R.」や「Ob-La-Di,Ob-La-Da」などがありますが、ここでは「Blackbird」のカバーを聴いてみたいと思います。

(ビートルズ「Blackbird」が流れる)

「Blackbird」はポール・マッカトニーが当時盛り上がっていた公民権運動にインスパイアされてつくった曲で、タイトルは黒人女性のメタファーになっています。サビでは「ブラックバードよ、暗い闇のなかに差し込む光を目指して飛んでいけ」と歌っていますが、これは黒人女性の解放について歌っているわけですね。

そして今回紹介する「Blackbird」のカバーは、いまは亡くなってしまったアメリカのシンガーソングライター、ケニー・ランキンのバージョン。これはポール・マッカトニー自身が非常に気に入っていて、当時ポールがケニー・ランキンに直接「君のカバーがいちばん素晴らしい」とメッセージを送ったそうです。オリジナルは1974年のアルバム『Silver Morning』に収録されていますが、本日は1990年のライブバージョンを選んでみました。

M1 Blackbird (Live) / Kenny Rankin

The Bottom Line Archive Series
【ジェーン・スー】
素晴らしいですね。心がハイドパークに飛んでいきました。

【高橋芳朗】
2曲目はジョン・レノンの曲にいってみたいと思います。「ホワイトアルバム」のジョン・レノンの曲としては「Happiness Is a Warm Gun」や「Dear Prudence」が人気ですが、ここは「Sexy Sadie」を。

(ビートルズ「Sexy Sadie」が流れる)

この「Sexy Sadie」は当時ビートルズのメンバーが心酔していたヒンドゥー教の指導者マハリシ・マヘシ・ヨギにちなんだ曲で、マハリシが彼を師事する女性に手を出したことに失望したジョンが怒りを込めてつくったのがこの「Sexy Sadie」になります。

【ジェーン・スー】
ええーっ!?

【高橋芳朗】
「とんだ俗物じゃねえか!」っていうね。マハリシ側にも言い分があるようなんですけど、曲の冒頭でジョンが「セクシー・セディー、なんてことをしてくれたんだ。お前は俺たちみんなをコケにした」と歌っているのはつまりそういうことなんですね。

で、今回紹介する「Sexy Sadie」のカバーはロサンゼルスを拠点に活動するプロデューサーのクッシュ・モディが2014年にリリースしたバージョン。こちら、ボーカルを最近ニューアルバムを発表したばかりの注目のシンガー/ラッパーのアンダーソン・パークが務めています。これはネオ・ソウル調というか、ディアンジェロを彷彿とさせるファンキーなアレンジでリメイクされているのがおもしろいですね。

M2 Sexy Sadie feat. Anderson .Paak / Kush Mody

Sexy Sadie (feat. Anderson Paak) [Explicit]
【ジェーン・スー】
90年代半ばぐらいにR&Bを聴いていた人間にとっては非常に馴染みやすいカバーですね。

【高橋芳朗】
では、3曲目はリンゴ・スターでいってみますか。リンゴが「ホワイトアルバム」でボーカルをとっている曲は「Don’t Pass Me By」と「Good Night」の2曲のみになりますが、ここでは「Good Night」のカバーを聴いてみたいと思います。

(The Beatles「Good Night」が流れる)

「Good Night」はリンゴが歌っていますがソングライターはジョン・レノンとポール・マッカトニー。実質的にはジョン・レノンがつくった曲で彼が息子のジュリアンの子守唄として書いたという経緯がありますが、自分が歌うのは照れくさいということでリンゴに歌ってもらったみたいですね。

で、「Good Night」のカバーは日本のアーティストから細野晴臣さんによるバージョンを選んでみました。これは2006年にリリースされたビートルズのカバーアルバム『りんごの子守唄(青盤)』に収録されていたものになります。優雅なオーケストラをバックにしたリンゴのバージョンに対して、細野さんのバージョンはピアノの伴奏がメインのグッとシンプルなアレンジ。子守唄としての実用性は細野さんバージョンの方が高いかもしれませんね。

M3 Good Night / 細野晴臣

Apple of his eye りんごの子守唄(青盤)
【ジェーン・スー】
ヨシくん、シーッ! ほら、堀井さんが寝ちゃったから……。

【高橋芳朗】
曲が始まって5秒で寝てましたね。のび太ばりのスピードで。

【堀井美香】
なんだか母の羊水のなかにいるようです……。

【高橋芳朗】
フフフフフ、ふざけてるようで結構いい感想を言っていますね。それでは最後、最後を締めくくるのはジョージ・ハリスンの曲です。「ホワイトアルバム」でジョージの曲といえばこれで決まりですね、「While My Guitar Gently Weeps」のカバーでいってみましょう。

(ビートルズ「While My Guitar Gently Weeps」が流れる)

この曲のタイトルの意味は「僕のギターが静かにすすり泣く」。そんなわけで実際に曲中ではギターにすすり泣いてもらわなくてはいけないわけですが、そこでジョージが白羽の矢を立てたのが友人のエリック・クラプトン。彼がゲストとしてギターソロを弾いています。

【ジェーン・スー】
ズルい!

【高橋芳朗】

ただ、当初クラプトンは相当尻込みしていたみたいですね。「いやいや、ビートルズはちょっと困ります!」って。

【ジェーン・スー】
そりゃそうだよね。「いやいや、友達だけれども……」みたいな。

【高橋芳朗】
「ビートルズの曲でギター弾くのはさすがにキツいっす!」ってね。それでもご存知の通り、クラプトンはプレッシャーを跳ね除けて素晴らしいソロを披露しています。

そんな「While My Guitar Gently Weeps」のカバーで選んだのは、ロシア出身でニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライターのレジーナ・スペクターによる2016年のバージョンです。

【ジェーン・スー】
私の大好きなNetflixドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のオープニング曲「You’ve Got Time」を歌ってる人ですね。

【高橋芳朗】
これは江戸時代風の日本を舞台にしたアメリカ制作のストップモーションアニメーション映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の主題歌としてレコーディングされたものになります。主人公のクボが魔法の三味線を操るという設定にならって、三味線を大々的にフィーチャーした和風なアレンジのなカバーになっているんですよ。

そんな大胆なアレンジもあって、このカバーの出来には賛否両論あるようですね。映画を見たか見ないかで評価に温度差が出てくるところもあるかもしれません。でも実際に映画を見た立場としては、魔法の三味線を弾く少年が主人公の物語で「While My Guitar Gently Weeps」を主題歌に選曲するというそのセンスに脱帽ですね。映画のトーンにもばっちりハマっていると思います。

M4 While My Guitar Gently Weeps / Regina Spektor

【ジェーン・スー】
なるほどー。もうリリースから半世紀にもなるといろんなカバーが出ているんですね。

【高橋芳朗】
そうですね。この機会にいろいろなカバーバージョンを聴き比べてみるのも楽しいかと思います!

 

―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ―― ◇ ――
当ラジオ番組では「日々の生活に音楽を」をコンセプトに、音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんによる洋楽選曲を毎日オンエア。最新1週間のリストは以下です。

11/19(月)

(11:09) Sparkle / Greenwood
(11:35) Touch / Earth Wind & Fire
(12:10) Easier Said Than Done / Average White Band
(12:23) Hello People / Brenda Russell
(12:50) VITAMINE E.P.O. / EPO

11/20(火)

(11:04) Harvest for the World / The Isley Brothers
(11:26) Girl, I Think the World About You / Commodores
(11:38) It’s So Nice / Tower Of Power
(12:12) Smile / Cameo
(12:50) 中央フリーウェイ /荒井由実

11/21(水)

(11:07) Crazy Little Thing Called Love 〜愛という名の欲望〜 / Queen
(11:26) You Can’t Hurry Love 〜恋はあせらず〜 / Stray Cats
(11:39) Make a Circuit with Me / Polecats
(12:12) I.O.U. / Roman Holliday
(12:25) Rockebella / The Ace Cats

11/22(木)

(11:05) Good Thing Going / Sugar Minott
(11:24) Confession Hurts / Brown Sugar
(11:37) Feel No Way / Janet Kay
(12:14) More Than I Can Say / June Lodge
(12:50) Time Trip / 坂本龍一 & カクトウギセッション

11/23(金・祝)

(11:06) I Wanna Be Your Lover / Prince
(11:24) Rescue Me / A Taste Of Honey
(11:43) Give Me Your Love / Sylvia Striplin
(12:11) Square Biz / Teena Marie
(12:19) Gonna Get Over You / France Joli