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ドラマチックでゴージャス!そしてハードボイルドな漫画家・一条ゆかりの魅力に迫る!

ジェーン・スー 生活は踊る

みなさんは、りぼん世代?それともコーラス世代?
読んでる方は絶対ご存知!今回は、漫画家の一条ゆかりさん特集です!

漫画家の一条ゆかりさんは・・・
1968年『りぼん』でデビュー。当時の少女漫画の定説を大きく打ち破り、「酒」や「タバコ」も登場する大人の世界観は絶大な人気を誇りました。初期、1970年代の代表作に代表作「デザイナー」「砂の城」。1981年から始まった大ヒット作「有閑倶楽部」は、第10回講談社漫画賞。2人の女性がオペラを通じて成長する姿を描いた「プライド」は文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞を受賞。恋愛エッセーなども数多く出版し、ライフスタイルも注目されています。

そんな一条ゆかりさんのデビュー50周年を記念した原画展が文京区の弥生美術館で12月24日まで行われています。実際に行ってきたところ、原画の魅力もすごいが、ちりばめられた覚悟のエピソードがすごい。元気と勇気をもらえるんです!

ということで、今回は一条ゆかりさんの代表作のひとつである「有閑倶楽部」世代のジェーン・スーが、原画展でビビビッときた一条ゆかりさんのエピソードを、勝手に一条ゆかりさんになりきってご紹介。セリフは勝手に考えたものもあるのでご了承ください。

一条ゆかりのここがスゴイ、なりきりセリフその①「このお店で一番高いお酒をください」

高校生でデビューした一条ゆかりさんが、編集者に連れていかれた高級バーで言ったセリフ。高校生なので実際にオーダーが通ったのかどうかはわからないが、ド新人の頃にこれが言える心臓がすごい。で、なににビビッとくるかって、このセリフまるで一条ゆかりさんが描く漫画の主人公のようなんですよ。凛とした強さと負けん気がある。ご本人はあまり裕福ではない生い立ちだと語っており、漫画では豪華なゴージャスな世界を描くようになったとのこと。

一条ゆかりのここがスゴイ、なりきりセリフその②
「なにを描けばいいかは私がわかってる。だからネームは見せないわ!」

1974年の代表作、「デザイナー」では前人未到の表現にチャレンジ!
主人公の少女が自分を捨てた実の母親とトップデザイナーの地位を巡って争う物語 。「好きなことを好きなように描くには、読者の支持が不可欠!」と考え読者アンケートにも目を通し、流行の服装や職種を採り入れていた。要素で読者を惹きつけて、好きな主題を貫いた。「描いてだめなものは描かない」と、ネーム(セリフと簡単なコマ割り)を編集者に見せることなく漫画原稿の状態まで仕上げてから見せていたという。そこで「キスまで」とされていた少女漫画で男女が体を重ね合わせる姿を描いたり、タバコや酒のシーンを入れたりして少女たちを魅了した。怒られたこともあったらしいですが・・・。
☞失敗したらすべて自分のせいになるところへ自分を追い込んでいくパワーがすごい!

一条ゆかりのここがスゴイ、なりきりセリフその③
「弓月くん!新谷くん!聖くん!メカよろしく!」

「少女漫画は背景は適当だし車は車輪4つ描いておけばいいから楽だよなー」と外野から揶揄され悔しい思いをした一条ゆかりさんは、男性漫画家の弓月光さん、新谷かおるさん、聖悠紀さんにアシスタントを頼んで背景や車を描いてもらっていた。人任せと思われるかもしれないが、実は漫画って多分私たちが思ってる以上に分業で、「餅は餅屋」に任せる判断がプロ。まるで敏腕社長。それ以外にも「有閑倶楽部」では世界の美術や文化、物語のトリックで扱う薬品など資料を買いそろえたり大学に直電したりして「ホンモノ」を描いた。壮大なフィクションを読者に信じてもらうためには、細部のリアリティを追及しなければならないという信念から。結果、読者は莫大な文化資本を自動的に一条作品から享受できているのです。「曜変天目」に「チッペンデール」など、インターネットのない時代にここまで調べて描くのはどれほどの労力を要したかわかりません。

一条ゆかりのここがスゴイ、なりきりセリフその④
「よーし!!次は嫌いな女を苦手なジャンルで描くわよ!」

1977年の作品「砂の城」はフランスを舞台にした長編漫画。フランシスとナタリーの禁断の愛と周囲の複雑な人間関係を描いた作品だが、「デザイナー」で好きなものを好きなだけ描いた一条ゆかりは「苦手なもの、嫌いなタイプの主人公を描き、それでも読者に支持されなければプロじゃない!」と、嫌いなタイプの女を主人公にして不得意分野のメロドラマに挑戦。見事大人気作品となりました。

とにかく自分で自分に負荷を掛けて、自分の限界を超えていくタイプ。天才にして努力家であることが一枚一枚の原画、エピソードから伝わってきて震える。

展示は・・・
デビュー初期の「砂の城」から、「デザイナー」・「こいきな奴ら」・「有閑倶楽部」・「プライド」・「正しい恋愛のススメ」などの原画、当時のりぼんの表紙作品、一条先生がまんがを書く際に使用する画材など。画力もすごいがデザイン力もずば抜けてすごい。

原画展のタイトルは「集英社デビュー50周年記念 一条ゆかり展~ドラマチック!ゴージャス!ハードボイルド!~」まさにそれ。ドラマチックでゴージャスでハードボイルドな280点もの原画のあいだにこういうエピソードがちりばめられている。大げさには書いてないから解説をじっくり読むしかない。宝探しみたいな感じ。ぜひ足を運んで元気をもらってください!

「集英社デビュー50周年記念 一条ゆかり展~ドラマチック!ゴージャス!ハードボイルド!~」は、文京区の弥生美術館で開催中です。休館日は月曜日。12月24日まで開催中です。入場料は900円(学生の方は割引価格になります)ぜひ、遊びに行ってみてください!

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