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夢をあきらめても新たな夢が代謝して生まれる! 芸人からの転職を応援する元芸人・中北朋宏さん

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
12月22日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、芸人からの転職を後押しする「芸人ネクスト」というサイトを運営していの中北朋宏さんをお迎えしました。ご本人も元芸人。現在はお笑いの経験とスキルを活かした「コメディケーション」を企業でも教える人材研修コンサルタントとして〝ネクスト人生〟の花を咲かせました。

中北朋宏さん

中北朋宏さんは1984年、三重県に生まれ、小学2年生からずっと自分は芸人になって売れると信じていたそうです。やがて地元の大学を2年で中退し、吉本興業(当時)の養成所「NSC大阪校」を経て(同期だけで800人! ここから抜け出るのでさえ大変と思い半年でやめて上京)、2006年、萩本欽一さんや関根勤さんがいる浅井企画に入り、「惑星No.3」というトリオのコントグループとして念願の芸人生活をスタートさせました。しかしオーディションでは「怖ろしいくらい受からなかった」そうです。結局、トリオは6年で解散。中北さんは27歳にして芸人をあきらめる決断をしました。

「当時は本当につらくて毎日号泣していて、1ヵ月ぐらい家から出られなかったですね」(中北さん)

久米宏さん

「ここで偉かったのがあなたのお兄さん」(久米さん)

「そうなんです。3歳上の兄なんですけど、34社リストラされてるんです。その兄貴が、就職なんて簡単だって言うんです。朋宏、日本には420万社ぐらい会社があって、それ全部落ちるつもり? そんなことないだろ。だから絶対受かるって(笑)。ぼくも芸人をやめて本当に心が折れていたんですけど、それなら就活してみようかというのがスタートでした」(中北さん)

お兄さんが中北さんに対して「とにかく、お前はいける。会社を受けてみろ」と言い続け、「お前は絶対、社長になれる人間だ」と後押ししてくれたおかげで、中北さんは再び顔を上げて歩き出せたのです。ちなみにお兄さんはいま看護師をなさっているそうです。

スタジオ風景

中北さんは芸人をやめたあと人材コンサルタントの会社に転職。初めの数年は悪戦苦闘の毎日でしたが、5年目には営業成績トップとなり、別の会社からヘッドハンティング。一度は完全に失った自信も取り戻し、今年(2018年)2月には独立して自分の会社「株式会社 俺(おれ)」を設立。芸人をあきらめた人の次の人生を支援する「芸人ネクスト」というサイトを始めたのです。

中北さんによると、芸人をあきらめた人は自分で自分を否定してアイデンティティが崩壊しかかってしまうのだそうです。それに対して中北さんは、お兄さんがそうしてくれたように、彼らの最大の応援者になって「君なら絶対できる。君には絶対、才能があるんだ」ということを伝えます。

「彼らは実は、異常なほどのスキルを持っているんです」と中北さんは言います。芸人だったのでコミュニケーション能力は高い。芸人同士の中にいたときにはそのことに気づいていないだけなのだと。そして芸人は、どういう言葉が人の心に刺さるか、どうやったら人の懐に入っていけるかということをいつも探している職業です。この言葉では笑わなかった、だったらこの言葉はどうかな。よし今度はウケた、じゃあこれはどうかなと、常にブラッシュアップする作業をやってるいるのです。これはまさにビジネスでよく言われる「PDCA」。「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(評価)」→「Action(改善)」→「Plan(計画)」…と繰り返す作業そのものです。

中北朋宏さん

「芸人ってお笑いに対するPDCAを延々と回している不思議な職業だと思うんです。だから実はPDCAのスキルがめちゃくちゃ高いんですよ。そういう方々が営業マンとして世の中に出て行ったときに、売れないということはあり得ない!」(中北さん)

「売れた芸人も売れない芸人も、同じぐらい異常なスキルを持っていると中北さんは考えてるんですね」(久米さん)

「そう考えています。売れている一流の方とはスキルのクオリティが違うのは事実です。でも、売れてない方でも毎日PDCAを回して学んでいれば、スキルは長けてくると思うんです。1年100本ぐらい舞台に立っていたら、ある程度、人に対するコミュニケーションスキルは身についてくると思っています。最近、弊社で就職された元芸人の方は上場企業に行かれて営業職ですぐに新人賞を取っています」(中北さん)

「一緒にトリオでやってたお二人には斡旋してあげなかったんですか?」

「これが、斡旋してあげたくて何度も声かけたんですけど、相方というのは不思議なもので、別れた彼女みたいな感じがあって、その人は手は借りんぞ! というのがすごくあるんです(笑)。そこまで落ちぶれてねえよと。ひとりは、いま就職して料理人をしています。もうひとりは、これがどういう職業かよく分からないんですけど、企業にタクシーチケットを持っていく会社…。それ、どういう仕事なんだって(笑)。何度、聞いても分からないですし、いつ電話してもつながりますし。何をしてんの? と思いますけど」(中北さん)

久米宏さん

「さっき中北さんに名刺をもらったんですよ」(久米さん)

「おっきい! なんでしょうこれ」(堀井さん)

「このバカでっかい下敷きのような名刺を出した瞬間のリアクションで、相手の力量をはかるというのが中北社長のアイデア。リアクションをどう見るんですか?」(久米さん)

「芸人の転職支援のほかにうちがやっているのが、笑いの力で組織を変える『コメディケーション』といって、笑いの力を活用した企業研修です。笑いを活用するので、これを渡したときに無反応の方はおそらくターゲットにならない…というふうに、これで選別しています。マーケットの一環ですね」(中北さん)

「久米さんはどうおっしゃったんですか?」(堀井さん)

「『そうきたか』とおっしゃいました(笑)。この反応ではまだ見極めきれない(笑)。でも、この名刺で笑っていただいた方には『今日はこうやって笑っていただいたのでいい商談になりそうですね』と言って話を始めると、向こうも認められた感覚になるので非常にやりやすい。そして必ずいい商談になります。ただし無反応だった場合は、そこから1時間のミーティングは地獄です。ずっと黙ってますから」(中北さん)

スタジオ風景

「実績はどのくらいできました」(久米さん)

「まだ多くないんですけど、トライアル的なものも含めると3名ですね。それに加えていま教育しているは2名」(中北さん)

「教育って何です?」(久米さん)

「ちょっとおこがましいんですけど、1ヵ月から1ヵ月半、社会人としてのスキルみたいなもの。そして芸人でやってきた能力を世の中にブリッジしてあげる。そして、彼らの心が折れそうになるところで毎日連絡して応援する」(中北さん)

「芸人を10年近くやっていた人があきらめたときはただ事ではない落ち込みようで、ちょっとでも電話をしてあげないとドーンと底なし沼に落ちていっちゃうぐらい落ち込んでる」(久米さん)

「そうですね。やっぱり自分のことを否定しているんですよ。自分はできない人間なんだっていうインプットがあるので、アルバイトをしていても、ちょっとミスしただけでやっぱり自分はダメなんだというふうに思ってしまう。彼らが自分を否定する回数よりも多く彼らを肯定してあげることが、いちばん重要だなと思っています」(中北さん)

「夢をあきらめるって、人間としてはつらいもんね」(久米さん)

「そうですね、非常につらいですよね。いろんな方にお会いしていますけど、夢をあきらめるってことでみなさん本当に泣かれてますし、心が折れています。ただ、新しい夢ができると思うんですよね。夢を描く力がある人というのは夢を描く才能があるので、また新しい夢が代謝して生まれると思うんですね。なので、いまの夢に対していかに本気で向き合うかというのが重要。それがまずは前提として思っています」(中北さん)

「人生は一度しかないけど、ルートは1種類じゃないからね。1本じゃないし、何本もあるから。面白い仕事ですね」(久米さん)

中北朋宏さんのご感想

巨大名刺

本当に楽しかったです。やっぱり久米さんのラジオに出るということで親は泣きましたね(笑)。久米宏というずっと一線でやってこられた方に、コメディケーション・ビジネスのことを知っていただき、そのことを話していただいたことが嬉しかったです。名刺ももらっていただいて、それをもとにまた話をして…。もう夢心地、感無量ですよ。ありがとうございました!

「今週のスポットライト」ゲスト:中北朋宏さん(芸人転職支援「芸人ネクスト」)を聴く

次回のゲストは、作家・高橋源一郎さん

12月29日の「今週のスポットライト」には、作家の高橋源一郎さんをお迎えします。まもなく終わろうとしている2018年について、そして来年で終わりを迎える「平成」という時代について、高橋さんがどのようなことを考えていらっしゃるのか、じっくりお聞きします!

2018年12月29日(土)放送「久米宏 ラジオなんですけど」http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20181229140000

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)